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日本新聞2020年2月12日、4351号より
  
東京都江東区で高齢者の兄弟が餓死
料金滞納でガスも電気も止められ、水道も止められる寸前。貧困が深刻化する日本で困窮状況をキャッチする制度が全く機能していない
  
 2月6日、東京都江東区の集合住宅での餓死事件が報じられた。
 昨年12月24日に、72歳の兄と66歳の弟の餓死死体が発見された。兄は体重が30キロ台、弟は20キロ台で、低栄養、低体温で死亡したとされている。料金滞納で電気、ガスが止められ、水道も5カ月滞納で止められる寸前だったという。2人は年金もないし、生活保護も受けていなかった。兄が警備会社で働いていたので、その収入が生きる糧だったが、昨年9月ころから体調を崩し、働けなくなっていた。近所づきあいも親戚づきあいもなかったというが、光熱費の滞納で、困窮状態はキャッチできるだろう。江東区では、5年前から困窮者を助けるために、都水道局と連携して水道料金を滞納している人を通報してもらう制度を作っていたというが、通報は1件もなかったという。都水道局は「困窮かどうか判断が難しい」と言うが、これでは制度が全く機能していない。
 23区では、水道料金滞納で水道を止める措置の対象者は約5万人いるが、通報されたのはわずか8件にとどまっている。
 制度があっても全く機能せず、実際に餓死者が出てしまったのに、江東区は「都水道局との連携に問題はなかった」と言っている。問題があるから、餓死者を出してしまったのである。このような姿勢では今回のような悲惨な事態を防ぐことはできない。
  
深刻な日本の貧困問題
 日本は7人に1人が貧困という大きな問題を抱えている。貧困率は15.6%で、ひとり親世帯の貧困率は50.8%にまで上がる。貧困層は可処分所得の半分しか収入のない世帯のことである。可処分所得とは、給与やボーナスから税金や社会保障料などを引いた手取り収入のことである。その平均が年間245万円、その半分だから、月10万円以下が貧困層である。可処分所得もこの20年間下がり続け、1997年からの20年で52万円も少なくなっている。ひとり親世帯と高齢者の貧困が深刻である。
 貧困の連鎖も大きな問題で、親が貧困であれば子どもの教育環境にも大きく作用する。優秀であっても大学にも行けない。奨学金制度があっても、借金を抱える制度だから、何の解決にもならない。奨学金は給与型にし、憲法にもあるように、すべての子どもが等しく教育を受けられるようにすべきである。
 65歳以上のひとり暮らしの貧困率は、男性が36.4%、女性が56.2%と深刻である。
 今回のケースを見ても、冷たい行政の問題、隣に住む人ともかかわりのない人間関係など日本の病巣の深さを痛感させられる。電気、水道、ガスなどの滞納は大きなシグナルである。そのすべてが困窮世帯ではないかもしれない。それでも行政は動くべきだ。動けば、今回の餓死も防ぐことができたかもしれない。また、地域の人達同士のつながりも大事だ。お互いに見張り合う隣組ではなく、お互いに見守り合う関係が大切だ。子どもの虐待死の事件を見ても、学校も児童相談所も教育委員会もすべてが関わり合いになりたくないと、問題に取り組まない。近所の人も子どもの泣き声を聞きながらも何もしない。死んでしまってから「何かしてあげられていたら」では遅いのである。
 貧困問題は今後、全世代の問題へと拡大していく。社会保障を削り、軍事費をどんどん拡大する政治にノーを突きつけ、餓死者の出ない社会への転換を求めよう。 (沢)
  
  
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