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日本新聞2020年4月1日、4358号より
  
戦争の加害認めない中学教科書検定
「政府見解を尊重」の新検定基準で歴史のねじ曲げに加速をかける教科書検定。日本が侵略の事実を認めることがアジアの平和友好の道
  
 3月24日、文科省が来春から使用の中学校教科書の検定結果を発表した。
 2017年に9月ぶりに改定した新学習指導要領を反映する検定の特徴があらわれている。新学習指導要領では、北方領土に加えて、竹島、尖閣諸島も「わが国固有の領土」としている。北方領土と違って、竹島、尖閣諸島については隣国である韓国、中国との長い歴史から考えなければならない。一方的に「わが国固有の領土」と言うには問題が多い。
 今回、侵略美化の自由社の歴史教科書が、検定意見が多くて不合格となったのは良かったが、同じ公民の教科書が合格、また、同様に侵略美化の育鵬社の歴史、公民の教科書が合格となったことは問題である。日本が侵略戦争でアジアの国々に行った加害の事実をねじ曲げ、アジア解放のための戦争とする教科書で教え込まれる子ども達の歴史認識は大きな問題をはらむ。
 他の教科書でも、関東大震災の朝鮮人虐殺について、数千人とした記述に新検定基準を根拠に、「通説はない」と書き加えて合格にするという例も見られた。「慰安婦」を取り上げた教科書が前回1社から今回2社に増えたが、「軍や官憲による強制連行を直接示すような資料は発見されていない」という政府見解が記されている。「慰安婦」の問題は民間がやったことではなく、軍が主導したことは明らかなのに、それをごまかしている。天皇の記述も、被災地や外国訪問などの公的活動を紹介し、記述を増やしている。もちろん、戦争責任は取りあげない。
 歴史の事実を記述することにますます圧力が加えられ、侵略戦争であることや、日本の加害の歴史についての記述は削られていく一方である。ずいぶん、偏った教育である。歴史の事実を教え、子ども達にどのような未来を作っていくか考えさせることが、教育ではないだろうか。
  
教科書検定に抗議した沖縄県民の闘い
 2006年12月、実教出版「高校日本史B 新訂版」の沖縄戦「集団自決」に検定意見がついた。「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現だ」というのである。「日本軍が集団自害と殺しあいをさせたというところが問題だ」という。日本軍が駐屯していないところでは「集団自決」はなかった。慶良間諸島などでは、“米軍につかまったら残虐な殺され方をする。捕虜になるよりは潔く自決せよ”と「戦陣訓」に基づく教育が住民に行われた。米軍上陸に際して手りゅう弾2発渡され「1発は敵に投げ、あとの1発で自決せよ」これが軍の命令でなくて何だと言うのか。
 2007年3月20日の検定結果発表後、沖縄県民の抗議行動が大規模に行われた。9月2日には、11万6000にんが結集し、「検定意見撤回を求める県民大会」が行われた。「集団自決」はあまりにもつらい経験だから、それまで語ってこなかった人たちも、事実が消されてしまうことに、体験を語った。特に高校生の「おじいおばあが嘘をついているというのか。嘘を真実と言わないでほしい。たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい」という言葉は、心に深く響いた。
 教科書検定の新検定基準に“政府見解を尊重する”がある。侵略美化で戦争に向かう安倍政権の見解を尊重することは、実に危険なことである。沖縄戦で多大な犠牲を強いられた沖縄の人々に、今も基地を押しつける政府。侵略の事実を正しく子ども達に教えることが、アジアの平和と友好のために大きく一歩を踏み出す、次世代を育てることである。歴史をゆがめて戦争へと向かわせる教科書検定にこうぎするものである。 (沢)
  
  
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