緑の党
 Green Party

 
〒170-0011
東京都豊島区池袋本町2-6-3
TEL 03-3981-3701
FAX 03-3981-7530
 


 
 毎週水曜日発行
 1ヶ月:500円
 3ヶ月:1500円
 半 年:3000円
 1 年:6000円
 
日本新聞社 〒111-0032 東京都台東区浅草6-42-12
電話 03-3874-0576
 
みずほ銀行雷門支店 普通1290956
日本新聞社 小田桐朋子
振替口座 00170-0-355408
 
日本新聞2020年11月18日、4391号より
  
生存権脅かす種苗法改悪案を廃案に
「登録品種の海外無断流出を防ぐため」は表向き、実は農家の自家採種の権利奪う危険な法案。大手企業による種子の独占で食の安全崩壊
  
 「種苗法改正案」が12日、衆院農林水産委員会で審議入りした。政府・与党は17日にも委員会での採決を目指す考えだ。政府は「種苗法改正案」と呼び、あたかもいい法案かのように言っている。「改正」の理由は、高級ぶどうのシャインマスカットが中国で無許可生産されたとして、このようなことを防ぐために必要な法案だとしている。日本国内で開発され、登録された種や苗木の海外への無断持ち出しを禁じる法案だというのである。
  
改正ではなく改悪、農家の自家採種の権利を奪うもの
 これに対して、元農水大臣の山田正彦さんは明確に反論している。
 「国内法を強化しても、海外流出を防ぐことはできない。海外で品種登録する以外ない。海外で品種登録すれば、栽培や販売の差し止め、種苗や生産物の回収・廃棄、損害賠償などの対抗措置を取ることが可能になる」
 つまり、今回の「種苗法改正案」は海外流出を防ぐためというのは、あくまで表向きの理由であり、本当のねらい別のところにある。
 では「種苗法改正案」によって、どのようなことが起きるのか見ていこう。
 2018年3月末日で種子法が廃止された。それまで国が地方自治体で米、大豆、麦の品種を守る財政を保障してきたが、種子法廃止でその制度をなくした。これによって、長年開発してきたその土地に合う主要農産物の優良な種が守られないような危機的な事態となった。それとセットで、農業競争力強化支援法が改悪された。国の試験場や各都道府県が持つ種苗に関する知見を、企業に求めるもので、企業が権限を持ち、種を独占しかねない。
 今回の種苗法改悪も、企業、つまり多国籍企業がますます儲けるためのものである。
 農水省は「登録品種の自家採種を禁止するだけだ。登録品種は少ないから、農家にとって大した影響はない」と言っているが、果たしてそうだろうか。農家にとって、種取りは当然の営みである。そうすることで農家は種を購入する必要もなく、毎年、経費をかけずに品質の良い種を取得できる。「登録品種は少ない」と言っても、許諾料が入るとなると、企業はどんどん登録するだろう。農家は今も、何が登録品種か知らない。今後、登録品種が増え、農家が自家採種して育てたものが登録品種と同じだと判断され、訴えられることも考えられる。種取り禁止によって、農家は毎年多額の種苗代を支払わなければならなくなり、しかも訴訟を起こされる危険もあり、地域の種苗会社も成り立たず、都道府県の公共の種苗事業も大打撃を受けることになる。
 また、遺伝子組み換えやゲノム編集された作物の種も大量に販売される。食の安全が大きく脅かされてしまうことは必至である。
 結局守るのは種子大手の儲けである。「種苗法改正案」は改正どころか大改悪に他ならない。
 いい野菜を食卓に届けたいという農家の願いが大事にされる農政でなければならない。しかし悪政を嘆いているのではなく変えていく力を持っていかなければならない。種子法廃止に対抗して、全国21道県で種子法に代わる種子条例が制定され、制定に向かって進んでいる自治体もある。決してあきらめないという、農業者と消費者の闘いの成果だ。種苗法改悪を許さず、廃案に追い込む運動を前進させよう。 (沢)
  
  
  日本新聞のページへ
  H O M E へ