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日本新聞2021年2月24日、4404号より
  
原発事故避難者訴訟 東京高裁が国の責任認める判決
高裁判決3例のうち2例が国の責任認定。国が東電に津波対策など命じていれば事故は回避できた。国と東電は被害者に誠意ある賠償を
  
 福島県から千葉県などに避難した住民43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審で、2月19日、東京高裁は国と東電の責任を認めた。東電に約2億7800万円、うち国に約1億3500万円を連帯して支払うよう命じた。
 原告団長の中島さんは「積み上げられた証拠から導かれる正しい判断を示した。国民が裁判所の判断を厳しい目で監視し、不当な判決には不当だと声を上げることが、正しい判決につながると信じている」と語った。
  
東京高裁の裁判官が初めて現地を訪れた結果の原告勝訴
 一審千葉地裁判決は、長期評価(2002年7月に政府の「地震調査研究推進本部」が公表した地震予測)を受けて措置をとっても、事故を回避できなかった可能性があるとし、国の責任を否定した。東京高裁はこれを見事に覆した。
 弁護団は「(裁判所が)現地に足を運んだこの決断。これが今回の判決の基礎になった」と評価した。一審では現地検証は必要ないとされたが、高裁裁判官は2019年6月に、原告と共に被災地を訪れた。その結果として今回の判決が下された。
 判決は、「長期評価は相応の科学的信頼性がある。国は長期評価に基づけば、原発の敷地の高さを大きく超える津波を予見でき、公表から遅くとも1年後には東電に事故を避ける措置を命じられた。東日本大震災が起こるまでの約7年半で、防潮堤の設置や重要機器室の防水対策は可能。全電源喪失という結果は避けられた。規制権限を行使しなかった国の対応は違法」と断じた。「ふるさと喪失にかかる慰謝料」については、「『ふるさと喪失慰謝料』の主張は採用することができない」としながらも、「避難生活に伴う慰謝料のほかに、生活環境が失われるか変容した場合の精神的損害や、帰還を断念するかどうかの意思決定をしなければならない状況に置かれること自体、その状況が将来にわたって続くことなどへの精神的損害を認め、賠償を命じる」とした。
 津波対策を行えば金がかかる、東電は住民の命よりも金を第一にした。そして国はそういう企業の体質を容認したのである。両者の姿勢が事故につながったことは明らかだ。だから、国の責任を認めた今回の判決は全く正しい。ましてや国は危険な原発を推進してきた責任もある。その結果の東電福島第一原発事故である。東電3幹部を無罪とした刑事裁判の控訴審も行われているが、裁判所は真摯に実際から判断すべきである。「東電は大企業だから、下から上がってくるデータで判断するしかない」と幹部の責任を免罪し無罪とした、いい加減な一審判決を繰り返してはならない。
 原発事故をめぐる集団訴訟14例のうち、地裁で国の責任を認めたのは7例、そしてこれまで出された高裁判決3例のうち、今回を含めて2例が国の責任を認めた。今回の東京高裁判決で国の責任を認めたことは、今後の裁判に大きな影響を与えると思われる。
 「何年経っても、ふるさとを失った私たちの原発事故に終わりは来ない。国と東電はにしっかり責任をとってほしい」という被害者の声を国や東電はしっかり受け止め、責任を認め、二度とこのような惨劇を繰り返さないようにしなければならない。
 事故から10年、先日の大地震で福島第一原発の事故現場では1、3号機の格納容器の水位が低下、つまり高濃度汚染水が漏れている。いまだ事故は収束していない。
 再稼働ではなく原発からの撤退を求める。 (沢)
  
    
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