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日本新聞2021年9月1日、4431号より
  
冤罪布川事件 桜井昌司さんが国賠訴訟で勝訴
狭山事件、袴田事件などすべての冤罪を晴らすために闘う冤罪被害者の桜井さん、菅家さん。取り調べ可視化、弁護士立ち会いの実施を
  
 8月27日、布川事件で再審無罪を勝ち取った桜井さんが、国と茨城県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が下された。東京高裁は県警と水戸地検が違法な取り調べで自白を強要したと認め、県と国に計約7400万円の支払いを命じた。
 布川事件は、1967年に起きた強盗殺人事件で、桜井昌司さんと杉山卓男さんが逮捕された冤罪事件である。2009年にようやく再審が開始され、事件から44年後の2011年5月に水戸地裁は無罪判決を出した。それからわずか4年半で杉山さんは亡くなった。44年という人生の多くを強盗殺人犯として捕らわれの身とされたのである。取り返すことのできない大切な年月である。
 桜井さんは2年前にがんの末期と診断され、余命1年を宣告された。しかし、すべての冤罪をなくすために精力的に活動を続けている。
  
狭山事件、袴田事件などすべての冤罪をなくすために
 44年経ってようやく殺人犯の冤罪が晴らされた。桜井さんはそこから、こんな無念な思いをする人がいないようにと、講演をしたり、取り調べのひどさを広く訴える活動を繰り広げている。取り調べは密室で行われる。暴言も暴力もある。十分な睡眠もとらせず、考える力も奪われる。脅しや甘言、飴やむちを繰り返し、判断力をなくされた状態で「自白」を強要される。
 このような理不尽を許さないために、取り調べの可視化、弁護士の立ち会いなどを要求している。
 これは桜井さんだけではない。1990年の女児殺害事件の犯人にされた菅家利和さんもそうだ。菅家さんは「無罪になっても、暴力を振るった検事や警察は何も謝罪しない。許されない!」と、取り調べの可視化を訴えている。
 冤罪で今も苦しむ狭山事件の石川一雄さん、袴田事件の袴田巌さんとも交流を続け、無罪判決の日まで共に闘おうと励ましている。
 狭山事件は埼玉県狭山市で1963年に女子高生が誘拐、殺害された事件。部落差別を利用して、“犯人は被差別部落の者だ”とキャンペーンを張り、被差別部落の若者・石川一雄さんを犯人にでっち上げた。無実の証拠が次々明らかになっても、事実調べすら行わない。明らかな差別裁判である。“やったと認めれば10年で出してやる。認めなければどうなるかわからない”と脅して、「自白」を引き出した。最初は警察の言葉を信じていた石川さんだが、だまされたことに気づき、無罪を主張し闘っている。支援者や被差別部落の人たちをも励ます発信を続けているのだ。
 袴田さんは味噌会社に勤めていたが、1966年、強盗殺人犯にでっち上げられた。死刑判決を受け、いつ刑が執行されるかわからない恐怖の中で、拘禁症をわずらっている。犯人の衣類とされていたものが袴田さんには小さくて入らないなど、無罪は明らかだ。2014年、静岡地裁が再審開始と釈放を決定、しかし2018年、東京高裁は再審請求を棄却した。袴田さんの冤罪は晴らされていない。
 今回、桜井さんが国と県を訴えた訴訟で勝訴したことは、冤罪に苦しむ人たちの大きな励ましであり、冤罪反対運動の前進につながる。
 2016年の刑事訴訟法等の一部改正により、裁判員裁判対象事件・検察官独自捜査事件については、取り調べ全過程の録画が義務付けられ、2019年6月から施行されている。しかし、全事件の3%未満に過ぎない。
 すべての事件の取り調べ可視化、弁護士立ち会いを求める声が高まっている。 (沢)
  
    
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