緑の党
 Green Party

 
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    沖縄の民意を踏みにじり、米国と合意した鳩山政権
 
 5月28日、日米両政府は外務、防衛担当閣僚名で共同声明を発表したが、普天間基地の移設先として、「辺野古崎地区と隣接海域」と明記した。これは、沖縄県民の願いを踏みにじる暴挙である。4月25日沖縄県民大会で、9万人を超える県民が「普天間基地無条件返還と県内移設」を敢然と日米両政府に突き付けたが、この沖縄県民の願いを全く冒涜した。
 鳩山首相は、5月4日と23日沖縄に出かけ、「普天間基地をめぐり、学べば学ぶにつけ、抑止力として、沖縄が必要だとわかった」と言い、「沖縄県民にまた負担していただくしかない」と辺野古に回帰した。鳩山首相は「沖縄県民の負担軽減」や「最低でも県外移設」「沖縄県民の理解を得る」「辺野古現行案は自然への冒涜だ」などあたかも沖縄県民の思いを実現するかのようにふるまったが、すべてそれを反故にし、現行案を微修正したものを結局踏襲した。
 その鳩山政権の「辺野古」を明記した29日の閣議決定に対して、消費者・少子化担当の閣僚だった福島瑞穂社民党党首は、署名を拒否し、閣僚を罷免された。そして、30日社民党は連立政権から離脱した。福島党首は「言葉に責任を持つ政治を行いたい」「沖縄に負担を増やす政治に加担できない」と表明した。  鳩山政権は、米国とは合意したが、沖縄県民の合意を得ることはしなかった。オバマ大統領は鳩山政権の決定を歓迎したが、沖縄では、県民の怒りが頂点に達している。辺野古のある稲嶺進名護市長は「結局辺野古に戻ってきたことは、沖縄県民に対する裏切りで許せない。今後政府との対応には一切応じない」と怒りを露わにした。また、仲井真弘多沖縄知事は、「県外移設の実現に期待する県民の声が今でもますます高まっている中で、このような合意は県民の大きな失望と怒りを招くもので、極めて遺憾だ」と政府の対応を厳しく批判し、現状では辺野古移設を受け入れられない考えを改めて示した。鳩山首相は対米交渉を優先して、沖縄知事には、最後まで首相から移設案の詳細説明をせず、沖縄は無視されたままである。沖縄県民に謝ったポーズは見せても、米国との合意さえ得られれば、鳩山首相の命は保証されるからである。
 日本の元首なら、米国の代弁者にならずに、沖縄をはじめ、どこも米軍基地の受け入れ先はありませんから、基地を米国に持って帰って下さいと言うべきである。しかし、「抑止力」を持ち出して、辺野古移設を強行しようとしているが、沖縄県民の反対運動で実現できるめどはない。
 
抑止力ではなく、安保廃棄を
 そもそも辺野古案で、13年間もできなかったものを、2014年にまで移設完了をするというのである。辺野古では今も闘っており、不可能である。
 岡田外相は28日、「辺野古移設について、『公有水面の埋め立て』の権限を持つ沖縄県知事の了解を得なければ進まない」と述べ、埋め立て工法で建設する見通しを示した。桟橋方式はテロ攻撃に弱いと米国に却下された。日米合意では、具体的な位置や工法を8月末に設定し、最終結論は秋頃とし、2014年までには移設を完了するとしているが、沖縄県民の反発は今まで以上に強まっており、普天間基地の固定化さえ危惧されている。鳩山首相が、「沖縄県民の民意を斟酌する」となったから、名護市民は「辺野古反対」の市長を選び、県議会でも「普天間基地返還、県内移設反対」の全会一致決議を挙げ、9万人の県民大会と沖縄県民が一丸となった闘いを組んだ。それを全く冒涜した政府の結論に、沖縄県民は一層闘い抜くであろう。
 米軍基地の75%が沖縄に集中しており、県民はこれ以上の負担はできないと声を上げた。米軍基地による犠牲は大きすぎた。米軍基地の騒音、事故、強姦事件など絶えることはなく、沖縄県民はその被害に何時でも直面し、ひき逃げ、強姦事件で犯人を引き渡せと言っても、基地に逃げ込めば、日本は何も手出しができないという不当なものである。
 世界一危険な普天間基地の問題はどこに移転してもまた同じ問題が噴出するだけである。特に今回は日米合意の中で、米海兵隊の訓練先を本土に持って行き、その危険を一層拡大することになった。また、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の一部をグアムの米軍基地の環境対策に充てる方針が示されたことも許されないことである。海外に出た米軍基地の負担を引き受ける鳩山政権とは、驚くべき売国政権である。
 首相は、この沖縄県民の犠牲を無視し、辺野古案に回帰した理由として、「抑止力」で説得しようとしたが、それは到底沖縄県民を納得させるものではない。
 韓国で起きた哨戒艦天安の沈没事件で、韓国が「北朝鮮の魚雷」と報じたことを利用し、「昨今の朝鮮情勢から分かるように東アジアの安全保障環境に不確実性がかなり残っている」とし、「海兵隊を含む在日米軍全体の抑止力を現時点で低下させてはならない」としたが、北朝鮮や中国の脅威を語って、県内移設を強行し、抑止力で取り繕ったが、アメリカに屈服したことは明白である。
 結局、政府の姿勢が問題なのである。自民党は「辺野古」に約束したが、「政権は交代しました。沖縄県民や国民の合意を得られなかったので、世界一危険な普天間基地は無条件返還しかありません」と要求すべきである。それは基地返還の好機であった。政府は超党派で、普天間基地の無条件返還の要求を米国に突き付けるべきであった。そうであったなら、連立政権の破綻には行きつかなかった。過重な基地負担、対米依存を変える絶好のチャンスであった。米軍基地撤去、安保廃棄こそが沖縄県民だけでなく、国民の平和と安全を守る方法である。結局鳩山政権は米国に屈し、自分の命は守られただろうが、国民の信頼を失い、支持率は17%まで下落し、進退問題にまで発展している。しかし、厚顔無恥にも続投を表明している。米軍再編の見直し、東アジア共同体の構築など絵に描いた餅である。
 さて、「抑止力」だといわれる米海兵隊であるが、1980年代までは2万人を超す海兵隊がいたが、冷戦後の90年代には15000人前後まで削減された。04年には3000人がイラクに派遣され、現在沖縄の米第3海兵遠征軍は12000人〜13000人が存在する。司令部はキャンプ・コートニー。この司令部と8000人の第3海兵遠征軍要員(牧港補給地区)がグアムに移転することになっている。この海兵隊は有事の「殴りこみ部隊」と言われている。
 この海兵隊の任務は、艦船に乗って、海から敵地に近づき、水陸両用艇やヘリコプターで、一気に上陸作戦で攻め込むもので、独自の航空兵力、戦闘機、攻撃ヘリコプターを持つ。国防総省の海軍省の管轄下であるが、陸海空3軍と並ぶ独立した軍隊である。飛行場や港湾の制圧、治安維持、不審船への立ち入り検査、非戦闘員の救出、派遣先の再建支援が主な任務である。
 沖縄に駐留する海兵隊の中核は第31海兵遠征隊(31MEU,キャンプ・ハンセン)である。2000〜3000人の部隊で、航空、兵站など作戦に不可欠な部隊がそろっている。特殊作戦から、災害支援まで幅広い活動をする。今年1月〜4月まではタイ、フイリピン、グアムを回って共同訓練を続け、普天間飛行場からはほとんどのヘリコプターが姿を消した。31MEUが長期間沖縄を離れることは珍しくないことであり、韓国、東南アジア、オーストラリアの訓練に出かけ、沖縄にいたのは通年で半年足らずである。沖縄では、上陸作戦など従来型の訓練も行われているが、非戦闘員の救出作戦や紛争初期への対応を想定した訓練も増えている。
 したがって、この海兵隊は「抑止力」なのではなく、イラク戦争、アフガン戦争への出撃基地になっている。現在でもイラク・アフガンに3000人が派遣されている。だから、「日本の安全と平和のための抑止力」というのは全くのペテンである。海兵隊は侵略のため、戦争のための部隊である。この海兵隊が米国以外で常駐しているのは日本だけである。日米安保は実は、米国の世界侵略戦争に日本を組み込む軍事同盟化しているのである。政権交代した鳩山政権はそのくびきから抜け出すのではなく、自民党同様米国追随にがんじがらめになっているのである。
 かつて、米海兵隊は朝鮮戦争後、山梨や岐阜県の米軍キャンプで駐留していた。ところが、1950年代、反基地闘争が激化し、その海兵隊は、本土から撤退することになり、当時占領地だった沖縄に移された。その結果、北朝鮮に対置するため、米軍は韓国には陸軍を、沖縄には海兵隊を配置するようになった。
 
砂川反基地闘争
 反基地闘争が大きく発展した1955年、米ソ冷戦下で、米軍は軍用機の大型ジェット機化を進ませるため、滑走路の拡大延長を日本政府に要求し、農地などの強制収用に乗り出した。それに反対して、砂川闘争が始まった。砂川町(現立川市)の反対同盟を中心に支援する労働者、学生、市民がスクラムを組んだり、座り込みをして、流血事件になったが、権力の弾圧にも屈せず闘った。1957年、7月8日立川基地内の農地を強制収用するための測量反対闘争で、基地の境界フエンスを超え、基地内に立ち入り、鉄砲を持った米軍警備隊を背後にする警官隊と対峙して闘った。9月、基地に侵入したことで、安保条約に基づく刑事特別法違反の容疑で、労働者・学生23名が逮捕され、7名が検察により起訴された。これが砂川事件である。1959年3月30日この時の東京地裁の伊達秋雄裁判長の判決は画期的なものであった。「日米安保条約に基づく米軍の日本駐留は、憲法9条の戦力保持の規定に違反し、存在を許されないものであり、したがって、在日米軍施設を一般国民以上に保護する刑事特別法は無効であり、被告全員を無罪」とした。
 この伊達判決は、米軍駐留は違憲とした裁判史上ただ一つの判決である。この判決に慌てふためいた政府は、米国と結託し、高裁を飛び越えて、最高裁へ跳躍上告させ、この伊達判決を消そうとした。1959年、12月16日最高裁は、一審の伊達判決を破棄し、地裁への差し戻し判決をした。最高裁の判決では、「安保条約の違憲なりや否也の法的判断は、純司法的な機能を使命とする司法裁判所の審査には、原則としてなじまない性質のものであり、一見極めて明白に違憲無効と認められない限り、裁判所の司法審査権の範囲外のものである」として、憲法の番人である、司法の最高機関である最高裁が憲法判断を放棄したのである。これは伊達判決を破棄するために日米が密約して行ったものである。
 しかし、立川基地の闘いはその後も進められ、土地を守る農民の粘り強い闘いで、米軍は、1969年基地の拡張を断念、立川基地を横田移転し、77年に立川米軍基地は、日本に返還された。
 米国は、このことから、関東地方の米軍基地の統合を行い、米軍基地を沖縄に集中させて行ったのである。したがって、72年沖縄が返還された後も、沖縄の米軍基地は増え、今日でも米軍基地の75%が沖縄に集中している。
 敗戦後から65年経った今も、政府の態度は何ら変わっていない。自民が駄目なら民主にと政権交代をしても同じ体質のものは対米従属という同じ結論を導きだすだけである。
 日米安保締結当時「われわれの好きな場所に、われわれの好きな期間、われわれの好きなだけの軍隊を駐留させる権利を手に入れることだ」と米国のダレス国務長官は言った。そして昨年の12月来日したアーミテージ元国務長官は、「皆さんが今夜安心して眠れるのは、米国が日本を守っているからだ」と圧をかけ、米国の要求通りには辺野古に早く決着つけろと恫喝に来ているのである。つまり、米国は、イラク、アフガンなど米国の覇権を達成するために、日本にある基地を半永久的に置こうとしているのである。そして、米国の覇権を支えるため日本政府は思いやり予算を惜しみなく出し、米軍再編には3兆円もだすのである。その金はすべて国民の税金、増税で賄われる。
 今、政府は、米国に金は出すが国民の貧困化には無策である。米国の市場提供や大資本には優遇するが、失業にあえぐ国民への救出に無能である。そんな政治から脱却するためにも、日本がアメリカに追随しない政治、本当に独立国となる政治が望まれている。沖縄の叫びはまさにそこにある。どんなに振興策をぶら下げても、もう限界だと県民大会で訴えたのである。復帰後、本土との格差是正や米軍基地を引き受ける代償として、投入された振興費は約9兆円。その他自治体には基地関連交付金が交付され、基地関連経済は県内生産の5%を占める。しかし、振興策で沖縄は豊かになっていない。県民所得は全国一低く、保育所の待機児童は人口比で全国一多い。また、非正規労働者の割合は全国一高く、大学進学率も全国平均を大幅に下回る。振興策も、基地ももういらないというのが沖縄県民の声である。沖縄県民は基地のない平和な沖縄を願っているのである。
 伊達判決のように、日米安保が違憲であると明確にし、日本の独立を求める姿勢がなければ、米国に対峙することはできない。
 まさに、今日米安保は違憲であると全国的な運動を起こす時である。米軍基地問題は、沖縄だけの問題ではない。日本から基地のない社会を作ることが日本の独立を築くことである。米国と対等になる社会こそが本当の友好関係であって、沖縄が再び犠牲を被る社会や、基地の犠牲が増える社会であっては、日本の独立は達成できない。沖縄の闘いはそれを私たちに示している。そこから連帯して闘いを強固にしていくことが私達の課題でもある。
 
哨戒艇天安事件の調査結果に批判続出
 鳩山政権が「抑止力」として米海兵隊の必要性を説いた一つに韓国の哨戒艦天安事件がある。この沈没は韓国で「北朝鮮の魚雷による」と断定したので、韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が冷戦状態に再び陥った。
 この沈没事件は、朝鮮半島西側、黄海の南北軍事境界線といわれる北方限界線(NLL)付近を航行していた韓国軍の哨戒艦「天安」が3月26日夜、艦隊が二つに割れ、沈没し、乗組員104人のうち、46人が死亡、行方不明となった。この事件が起きた直後は、米韓両政府は、「今回の事故は北朝鮮によるものとは見られない」と言っていた。事件当日は米韓軍事演習をしていたが、米軍のクローリー広報次官は「われわれは、船体の欠陥以外他の原因は分からない」と言っていたし、米政府も「現時点では、北朝鮮に特異の動きはない」と発表していた。それが約2カ月近くたった5月20日「朝鮮の魚雷によるもの」と断定してきた。
 そして、韓国は「南北交易、交流を原則中断、国連安保理に協議を呼びかけ、責任を問う」としている。これに対して、突然魚雷説を報道された北朝鮮は、「でっち上げである。調査結果が客観的で、科学的というのなら、北朝鮮の検閲団を受け入れ、証拠を開示せよ」と検閲団の即時、無条件受け入れを再三申し入れているが、韓国は拒否し続けている。これに対して、北朝鮮では、李明博政権とのすべての関係を断絶し、南北協力事業を全面撤廃すると発表した。この天安事件で南北対話は遠ざかった。
 「北朝鮮魚雷」と断定したのは、韓国、米国、英国、オーストラリア、スウエ―デンの専門家からなる国際軍民合同調査団である。この調査団の報告によれば、@海底から回収された船体から、船体が二つに割れ、沈没したのは、魚雷の水中爆発によると判断される。A沈没現場から回収された魚雷の部品にハングル文字で「1番」と言う数字が書かれており、北朝鮮製と確認できた。B沈没事件の前に小型潜水艇数隻と母艦一隻が北朝鮮の基地を出港し、事件の2,3日後に寄港しているとし、魚雷は北朝鮮の小型潜水艇が発射したとするほかに説明できない」という結論に達している。推論の域を出ないおかしい調査結果である。しかも、この調査団は、「爆発の原因を特定できないでいた。引き上げた船体から、アルミにウム片や爆薬『RDX』など採取したが、火薬成分だけで製造国の特定は難しい。魚雷の可能性が高い、魚雷かもしれないとなっていたが、5月15日、伝統魚法を使った漁船を調査に投入した。特別強化した網を装備させて投入し、一発逆転に賭けたところ、その賭けが当たり、漁船がスクリュー部品を引き上げた。その部品にはハングル文字で『1番』の文字が残されていた。大量生産でないので、組立のためにメモしたと思う。そこから、調査団は朝鮮製重魚雷『CHT−02D』と断定した」というのである。
 しかし、この調査結果について、韓国内で批判が相次いでいる。労組、農民団体、婦人団体、平和団体、宗教団体、青年学生など約40団体が共同で記者会見し、『国民が全く信頼できない荒唐無稽な調査結果』と批判した。野党勢力からは、「状況証拠しかなく、実際の証拠は提示されず、重要な部分は推論で埋め尽くされている」と批判し、今回の事態の責任をとって内閣総辞職すべきの声があがっている。
 米韓軍は北朝鮮の侵攻を想定した合同軍事演習「フォール・イーグル」を黄海海上で展開し、イージス艦3隻も投入していた。もし北朝鮮の魚雷だというのなら、最新鋭の米軍レーダーで魚雷をキャッチできないはずがない。そして、韓国のこの哨戒艦天安もまた、レーダーやソナーを使って、敵の潜水艦や魚雷、航空機、ミサイルを感知し、攻撃するのが任務があり、2キロ先の魚雷を感知する確率は70%だと言われているという。もし、北朝鮮の魚雷を感知していたのなら司令部もそれを受信しているはずである。天安が二つに割れて沈没しているのだから、その時点で、反撃が始まって、戦闘になるはずであるが、それはなかった。
 李明博政府は、1ヶ月前から、「北朝鮮説」を流し始めたそうでが、6月に韓国では統一地方選挙があり、選挙のたびに、「北朝鮮説」が浮上してくるのは常とう手段だというが、真相は明らかにされるべきである。韓国内はもちろん、国内でも謀略説だと批判が高まっている。
 なぜなら韓国では、「米原潜と衝突したのではないか」という疑惑が晴れないからである。それは4月7日韓国のKBSテレビが、哨戒艦天安が沈没した場所に近い海域で、米兵の遺体と思われる物体を運びさる映像を流したからである。また、海底を捜索した韓国軍の潜水特殊部隊の隊員の声として、「『天安』とは別のものが沈んでいた。潜水艦らしい」というニュースを流した。KBSテレビは日本のNHKに当たる公共放送だと言われている。このニュースを流したら、韓国政府がKBSテレビを「誤報を流した。名誉棄損だ」と告訴し、ネットで、映像は見られなくなったという。
 政治評論家の田中宇さんは、「天安艦の沈没後、潜水捜索過程で、韓国海軍の特殊潜水隊のハン・ジュホ准尉が潜水中に気を失った後死亡するという二次災害が起きている。KBSはハン准尉の死亡事故を取材するうちに、ハン准尉の慰霊祭が行われた場所が、(天安)の艦尾が見つかった場所(第1ブイ)でも、艦首が見つかった場所(第2ブイ)でもなく、約6キロ離れた第1ブイと第2ブイとの間に存在する、天安艦と関係ない「第3ブイ」であることを知った。この第3ブイが、米軍の潜水艦が沈没している可能性が大きい」と言い、「韓国にも知らせずに潜航している米原潜をキャッチした天安が、北朝鮮の潜水艦と誤認して打ちあいになったのではないか」と分析している。もしそうだとしたら、米軍の原子力潜水艦は、100人以上の乗組員が定員としており、1か月以上潜航したままでいられるという。したがって、米軍も相当の被害があったと思われる。
 米原潜が沈没したと思われる場所はペニョン島の南側にある「ヨントウリム岩」と呼ばれる断崖絶壁の海岸の数百メートル沖合だといわれる。このペニョン島は韓国で最も平壌に近い場所で、平壌から170キロで、通信傍受や有事の反撃場所に最適だという。韓国の小説家ソ・ヒョンオは、この米軍の潜水艦はペンニョン島周辺海域を潜航し、朝鮮の通信を傍受しつつ、有事の際に朝鮮にミサイルを撃ち込める臨戦態勢をとっていたのではないと分析している。
 また、民間調査人として哨戒艦天安のため韓国国会によって推薦されたS.C.Shinさんは、魚雷による爆発で天安が二つに割れたという韓国軍調査団の結論に反対し、名誉棄損で訴えられたという。彼は、「『爆発』を示す物はかけらも見つけることができず、天安号は座礁と離礁を示す証拠を見つけることができた。大爆発だというのに、付近には死んだ魚がない。死者に耳やのどのその症状がない、鼻血がない。犠牲者の遺体はきれいだった。船に浸水なし、火災跡なし、熱の発生なし、裂け目なし、ケーブル線カバー損傷なし、オイルタンクとダンプエリア損傷皆無であり、座礁から抜け出した後、2番目の事故で『海上艦』か『潜水艦』に衝突したのでないか」と明らかにしている。
 この天安艦の沈没が「北朝鮮の魚雷」という韓国の発表に、鳩山政権は飛びつき、日米は韓国を全面支援し、「北朝鮮」の攻撃と位置づけ、「国際平和と安全保障への挑戦」だと称して、国連安保理で追及するという。
 どうも、この謀略説をあおって、米国が、東アジア包囲網を作ろうとしている。それに日本と韓国が動員されているのである。そしてアジアの不安を一層拡大している。中国とロシアは慎重である。東アジア情勢が危険なのではなく、危険をあおっているのが誰なのかを明白にする必要がある。覇権を狙うものがアジアを危機にさらしているのである。
 日本はそれに加担しない外交を展開し、新しい東アジア共同体の構築を目指すべきである。


 
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