緑の党
 Green Party

 
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    働く者の生活をますます圧迫する消費税増税
 
 通常国会が24日から開催されたが、野田政権は今国会で、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税税率を上げる消費増税関連法案を衆院解散を含めた不退転の決意で可決するという。この増税案を通常国会の最大の柱とみなしている。政府の素案によれば、消費税率を2014年4までに8%、2015年10月までに10%にあげる予定である。「増税した分は国民に全て還元する」というが、未だかつてそれが実行されたことはない。1989年の消費税導入時も高齢化社会に突入したので、社会福祉費に導入すると言ったが、その後消費税とは別に介護保険制度、後期高齢者医療制度が導入され、国民から収奪する一方である。今回も増税された5%の消費税のうち、1%(約2.7兆円)が社会保障の充実にあてるだけで、残りの4%は現行制度の維持に使われるというもので、社会保障制度が改善される方向性は見えない。それどころか、一体改革と言いながら、年金の支給減額、外来受診に定額負担の上乗せ、保育制度を崩壊させる「子ども・子育て新システム」など社会保障の改悪が目論まれている。
 更に政府は、消費税率を10%に上げた場合でも、2020年度時点で、16.6兆円の赤字になる見通しを示した。政府は20年度に基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げるが、試算によると更に6%の消費税率分が足りないとしている。政府がこの試算で消費税増税は避けられないとしているが、大企業にこそ増税すべきである。しかし、経団連は小泉政権時代から「2007年には消費税を10%、2025年までには18%に引き上げよ」と提言していた。大企業にとっては国民の負担増になる消費税を増税することによって、更に収益を上げようとしているが、それは国民の生活を一層逼迫させ、貧困化させるもので、断じて容認できないことである。
 昨年の3.11大震災・福島原発事故で、未曽有の被害にあったにもかかわらず、被災地の復興は遅れ、原発も未だ収束されていない。廃炉までは40年以上も要すると言われ、出口の見えない原発事故に被災地では、子どもの集団疎開さえ行わず、増税にひた走る野田政権に怒りの声を上げている。この消費税増税は更なる打撃を与えるものだからである。
 消費税は5%で12兆5千億円、10%で25兆円の財源を生み出す。所得税と法人税よりの合計より多く、一人当たり年間20万円払うことになる。しかし、所得200万円から250万円の世帯では、消費税の占める割合は4.24%である。つまり収入の8割は消費に回り、その5%を消費税で納めると収入における消費税負担が約4%(8割×5%)を超えることになる。ところが所得1500万円の世帯の負担は1.43%に過ぎない。今でも大変なのに10%の消費税は大変な圧迫である。
 また、被災地のみならず、いま日本では完全失業者と就業希望者は750万人で、実質失業率は11%を超えている。そして就業している労働者が4900万人であるが、そのうち35%の1730万人が非正規雇用者である。しかも年収200万以下の労働者は1000万人を超えており、6人に一人は所得112万円未満だと言われている。貧困率は最悪の16%になっている。一人親世帯は半分以上が貧困である。したがって消費税は低所得者にとっては負担が重い逆進性の税制で消費税増税は到底認められない。
 
 大企業優遇税制は改めず、国民収奪に拍車
 
 さて、国と地方の債務を合わせると1127兆円に達するという。国の債務は普通国債594兆円に短期債務106兆円、財政投融資特別会計国債が122兆円、その他の国債4兆円、特殊法人に対する政府保証債務が47兆円、借入金56兆円で政府の債務残高合計は929兆円、地方債が198兆円である。この累積赤字をどうして作ったのかである。1989年から2010年度の基幹3税(法人税、所得税、消費税)の推移を見ると、21年間で、租税の合計は12.6兆円も減った。その内訳は法人税が10兆円、所得税が8.6兆円減り、消費税が6.7兆円増えた。その他の諸税はあまり変化していない。つまり歳入が減ったのは、法人税と所得税が減ったからである。それは法人税率を40%から30%に、所得税の最高税率を50%から37%に減税したからである。単純に考えて、法人税と所得税を増やす方法を考えればいいことなのに、大企業に優遇措置で減税し、国民には収奪し、赤字分を国債発行で賄ってきた。これでは立ち行かない。そして大震災後は増税ラッシュにもかかわらず、法人税は減税しているのである。
 政府は2012年度6月からは、住民税の年少扶養控除(15歳以下)を廃止し、住民税特定扶養控除(16歳から18歳)も廃止した。したがって子ども手当と言っても実際は増税なのである。そして昨年の11月30日に3.11東日本大震災・原発事故で、復興財源確保法で、所得税の税率が2013年1月から25年間2.1%上乗せされる。また個人住民税(地方税)では所得の多少に関係なく、一律に均等割りで、2014年6月から10年間年1000円増額される。
 ところが、法人税ではこの復興財源確保法でも減税が貫かれている。法人税には実効税率5%を減税したうえで、10%の分の付加税(税率換算で約2.5%)を3年間かけ、2.4兆円を生み出すという。しかし、差し引きすると実際は2.5%の減税となる。しかも3年たてば、5%の恒久減税となる。復興増税の方法でなく、現行のままでやれば、3年間で3兆6千億円生み出せるもので、あたかも増税しているかに見せかけて、大企業は減税し、温存しているのである。
 日本の法人税は高いと言って、基本税率が43.3%から30%に引き下げられた。しかし、企業の税負担は税金と社会保険料で見なければならないが、その負担率は、日本の場合は08年度では38.6%で、フランス61.1%、ドイツ52.0%に比べれば大変低い。この大企業の法人税を43.3%に戻すだけで、年間3兆~5兆円確保できるのである。
 
 大企業がため込んだ内部留保金に課税を
 
 また、大企業の内部留保金にも課税すべきである。
 1989年の全産業の内部留保金(利益の蓄積)は約176兆円だった。ところが、2008年度の内部留保金は実に約429兆円に激増した。この額は同じ期間における政府の赤字国債増加額257兆円に匹敵する。そして全法人の0.28%と言われる資本金10億円以上の大企業では内部留保金を約140兆円から240兆円に増やした。要はこの大企業の内部留保金に課税すればいいのである。
 大企業はなぜこれほど巨額の内部留保金をため込み、儲けているのかというと、投資による配当、為替差益、下請けの単価切り下げなどがあるが、労働者を徹底して派遣労働など非正規労働にして搾取してきたことが大きい。また海外での収奪とそして政府の減税措置にある。
 財務省の2011年の国際収支状況の速報(11月9日発表)によると企業が海外子会社から受け取った配当金は1月から9月までで実に2兆7324億円に上る。企業が海外の工場などへ直接投資した結果得た配当金は2010年で3兆1314億円である。これは10年間で最高の収益だった。2011年はそれを更に上回る見通しだ。これは、海外の労働者を低賃金でこき使い、海外の資源を安く手に入れているからであり、経済侵略の結果である。しかもその大企業の儲けに対して、この配当金が増加しているのは、政府が行った09年度の税制改正にある。これらの配当金の95%を非課税にする措置を取ったからである。これでは大企業は笑いが止まらない。政府はいつでも、まず大企業の成長なくして、日本の発展はないとして優遇税制を取るが、その大企業は、地域活性化や雇用の改善に取り組むかというとそうではない。まず、海外にシフトを移すために、次々地域の工場を閉鎖して、労働者が首を切られ、失業している。
 しかし、こうした儲けは役員報酬や、株式配当の急増につながり、富裕層の世帯数と資産額は過去最大となり、今も増え続けている。
 ところが年収1000億円以上の富裕層は14%の税率でしか税金を払っていない。金融所得課税も分離課税になっており、10%しか課税されない。今回金融所得課税に政府は20%の課税をし、5000万円以上の所得者には45%を課税するとしているが、それでも不十分である。所得税は最高で8000万円以上の所得者には75%の高い累進税をかけていたが、分離課税ではなく、総合課税で高額所得者に対しては60%課税すべきである。また、純金融資産1億円の富が250兆円もあるのだから、その1%に課税をしても2.5兆円捻出できる。政府は企業に当然要求すべきである。
 大企業や高額所得者への優遇税制である租税特別措置は648項目もある。「不公平な税制をただす会」ではこの大企業や高額所得者への減税となる648項目を検証すれば、膨大な財源が生まれ、消費税をゼロにしても、財源は30兆円もあるとしている。
 この不公平税制の代表的なものが「輸出戻し税」である。輸出業者が製造する為にかかった消費税が全額還付されるもので、輸出業者への補助金である。
 2010年度の消費税収入は12兆475億円だったが、そのうちの28%にあたる3兆3726億円が輸出戻し税として還付された。還付の恩恵を最も受けたのはトヨタ自動車の2106億円で、2位はソニーの1060億円である。この輸出戻し税が、消費税10%になれば、還付金は6兆7524億円も大企業に入ることになる。だから経団連は消費税を上げろと政府に詰め寄るが、この輸出戻し税を廃止すべきなのである。
 大企業や高額所得者を優遇して、国民に増税を課している政治は、自民党から民主党政権になってもちっとも変っていない。そしてさらに赤字国債を増やしたのはアメリカ従属の政治である。
 
 米国製の1機100億円の戦闘機を42機も購入する民主党政権
 
 今、日本は震災復興に全力で取り組まなければならない時であり、被災地では、せっかく復興を目指しているにもかかわらず政府が支援しないために岩手県の大槌町の漁協などが倒産した。又水産加工場も倒産の危機にある。支援がなければ、被災地では復興できないが政府は見殺しにした。重茂漁協などは漁協で調達した船で組合員が漁をし、皆で配分し合って、苦境を乗り切っているが、そういう漁協は数が少ない。政府は復興特区と称して大資本の参入を狙い、東北の太平洋沿岸の漁場を漁協中心から、大資本中心に変えようと復興を遅らせている。その復興にまたアメリカも参入しようとしているのである。
 政府は、復興に皆で頑張ろうとスローガンだけは宣伝するが、実際は被災地復興は遅々として進んでいない。それどころか、TPPの推進、八ッ場ダムの再開、沖縄辺野古新基地の強行、そして、航空自衛隊機の次期主力戦闘機を購入することを決めた。これは米ロッキード・マーチン社のもので、三菱重工も製作に携わる。このステルス戦闘機F35ライトニングUは来年度予算に4機、2016年度から計42機を買い入れ、今後20年間での事業費は1兆6000億円規模だという。価格は1機100億円で、納入は16年からとしているがこのF35は機体にひびが入ることが明らかになり、運用開始を米軍は17年から、19年としているので、いつできるかわからないものを野田政権は決めた。これまではアメリカにライセンス料は払っていたが、機体全体は日本企業が生産していた。ところが、F35は日本の企業参加は4割程度になる見込みで、それでもアメリカの要求に野田政権は屈服している。
 今までのF4やF15の戦闘機は、領空侵入機などを迎撃することを主な任務としていたが、F35は敵の探知をかいくぐり、誘導爆弾や対艦ミサイルなどを搭載して対地、対艦攻撃をやるステルス戦闘機である。これをアメリカが売り込むということは、中国包囲網を作った時は日本に積極的に出てもらうということである。アメリカにとって日本は武器売却の最大の市場であると同時に、アメリカの要求にこたえる戦場にさせられるということである。政府はその要求に屈伏して、莫大な金を払うというのである。そのお金があれば、復興はもっと早くできることである。
 政府は毎年アメリカから2000億円の武器を購入している。05年から09年間の5年間で、アメリカの武器輸出は総額で約8兆8000億円であるが、日本はアメリカ製の武器輸入のトップであり、約1兆1000億円である。日本の自衛隊はほとんどアメリカ仕様でアメリカの下請け軍隊となっているのである。
 今、アメリカはイランに対して「核開発疑惑」と称して、経済制裁強化を強めている。昨年の12月31日、イラン中央銀行と取引がある外国金融機関に制裁を科す条項を含んだ法案を可決した。これはイラン中央銀行を介する石油輸入をした国や企業はアメリカの金融機関と取引できなくなるというものである。つまりイランとかかわった国にアメリカが制裁を発動するもので、イランの息の根を止めるための包囲網を作るということである。EU諸国はいち早くこのアメリカに呼応してイラン経済制裁に加わった。
 EUが今、ギリシアの財政破綻からEU圏に広がる財政危機で、ユーロが格下げされたが、その危機から脱出するために、アメリカと結託して、イランの石油を狙っている。イラク、リビアと成功し、次はイランということである。帝国主義は危機脱出にはいつも戦争を仕掛ける。だが、そうは簡単にはいかない。
 リビアでは旧カダフィ派が北西部の要衝バニワリードを襲撃し、掌握したと言われ、外国の侵略を認めない勢力が起ちあがっている。イラクではアメリカが撤退せざるを得ないところまで来た。
 ところが、日本はアメリカにイラン原油輸入の削減を求められたところ、すぐに安住財務相は同意した。
 そして安住は、5年間でイランからの輸入量を40%減らしたが、更に石油元売り会社や大手商社に対して契約期限が切れたら原油取引を更新しないように要求していくことをアメリカに約束している。現在日本は原油輸入の1割をイランに依存している。日本はイランとのかかわりが強く、油田開発にも投資してきたが、アメリカの要求で日本はイランでの油田開発からも撤退した。アメリカにとって、石油がほしいなら、イラクやリビアの石油がある。ただし両国はまだ混とん状況であるから、その国を安定させるためには日本もそれなりの援助が必要であり、それなくしては石油も確保できないということなのである。
 アメリカ帝国主義の戦争に日本がどこまでも追随し、その利権にあやかり、かつ武力強化し、アメリカと一体になって中国包囲網を作ることは大変危険な道である。
 そして、戦争の為に国民の税金が使われ、国民が疲弊していく政策に断固反対する。




 
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