緑の党
 Green Party

 
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    再稼働を強行し、亡国へ急ぐ野田政権
 
 5月5日、泊原発が点検のために止まり、日本のすべての原発が停止した。実に42年ぶりである。それは福島原発事故以来、多くの市民が、原発と人類は共存できないことを考え初めて来た成果でもある。
 しかし、野田政権は再稼働を急いでいる。福島原発事故は未だ収束しておらず、依然として危険な状態であり、その原因究明もできていない。
 特に4号機が危険である。使用済み燃料の冷却装置が故障し、温度が上昇する問題も起きたが、この4号機の建屋の損傷はひどい。4号機の燃料プールには、使用済み燃料と使用済み前の燃料が合計で1535本も収められており、この燃料プールが破壊され、燃料棒がむき出しになれば、広島型原爆の4000倍〜5000倍の放射能が飛散すると言われている。その危険を感じた東電は燃料プールの底に鋼鉄製の柱を何本も入れて落ちないようにし、その後、鋼鉄の柱の周りにコンクリートを流し込み、補強した。東電は4月26日、「4号機は補修工事が行われたので、危険がありません。震度6強の揺れに耐えられます。」と安全宣言をしている。しかし、それが本当に安全と言えるものであろうか。もし、燃料プールが破壊された時、250〜300キロ圏の東京でさえ避難しなければならない事態になる。
 この4号機の燃料棒をつかみだす作業が始まるのは来年の12月頃であり、それが終わるまでにまた何年もかかると言われている。また東電は5月28日、4号機の使用済み燃料プールの保管されている新燃料の一部を7月にも取り出す方針を決めた。新燃料は204本。新燃料は核分裂生成物による高熱などの心配がなく、使用済み燃料より扱いやすいため、数本を試験的に取り出して状態を確認することに決めたというが、依然として、4号機は危機的な状況なのである。しかも、原発が停止しても巨大地震が起きた時、燃料プールに使用済み燃料を抱える全ての原発がその危機をはらんでいるのである。
 また、1、2号機もまた深刻である。東電は、3月26日、2号機の格納容器内の水は3mはあると見積もっていたが、実際は60pしか水が溜まっていなかったことが判明した。今も1時間当たり8.8トンの水を注入している。格納容器の下部の圧力抑制室が損傷しているのではないかと言われているが、損傷個所を特定する具体的な方法が見つかっていないため、廃炉に向けた作業が難航している。2号機の建屋内は最も放射線量が高く、毎時5〜7万2900ミリシーベルトである。
 そして5月21日は1号機も格納容器内の水位が40pしかない可能性が原子力安全基盤機構の解析でわかってきた。1号機は毎時6トン前後注水している。格納容器が損傷しているため、水がたまらないので、損傷部分を補修し、圧力容器ごと水没させる水棺にする必要があるという。アメリカのスリーマイル島の原発事故は格納容器が損傷しなかったので、6、7年でその燃料を取り出すことに成功したが、日本はその燃料がどこにあるのかもわからず、長い長い工程を必要とするのである。福島原発事故は何も危機から脱出していないのである。
 
 
法を無視した避難指示解除区域
 
 5月17日環境省は、福島第一原発事故の警戒区域と計画的避難区域の生活圏を中心に放射線量分布を詳細に調べた最終報告書を取りまとめた。それによると、最高値を観測したのは福島県双葉町山田で年間450ミリシーベルト(毎時85μシーベルト)であった。到底人の住める場所ではない。政府は年間50ミリシーベルトを超えたところを帰還困難区域、20ミリシーベルト超から50ミリシーベルト以下を居住制限区域、20ミリシーベルト以下を避難指示解除準備区域に順次再編する方針としている。
 しかし、一般公衆は年間1ミリシーベルトを超えて被曝させてはならないという法律がある。ところが、この避難指示解除準備区域では年間20ミリシーベルトまで被曝してもいいということである。これは全くの法律違反である。原発事故から1年以上が経過したが、福島県内では1時間に0.6μシーベルトを超えるところがまだたくさんあり、深刻である。
 3か月で1.3ミリシーベルトを超えると「放射線管理区域」に設定される。これは、年間では5.2ミリシーベルトであり、1時間にすると0.6μシーベルトである。この放射線量だと、放射線取扱主任者がこれを管理監督することになる。人の健康に重大な影響を及ぼすために、被ばく量を測定したり、健康診断を行う必要があるからである。放射線管理区域で働いている人は、1平方4万ベクレルを超える汚染があったら、管理区域からでられない。出たら法律違反で処罰される。手や体を洗い、汚染されたものを脱ぎ棄て、基準線量を超えていないことを確認して初めて出られる。また、管理区域では労働基準法上、18歳以下が働いてはいけないことになっている。
 原発事故当初、福島県の全小中学校の75%が「管理区域」に相当した。ところが、文科省は、学校の安全基準を年間20ミリシーベルトとしたために、福島県民から猛烈な批判と攻撃を受け、あたかも撤回するかのようにしたが、結局現状は何も変わっていないのである。
 本来ならば、政府は、0.6μシーベルトを超えたら全ての地域に「管理区域」を設定し、住民を管理しなければならないはずである。ところが、「ただちに健康に影響はない」として、最も放射線量の影響を受ける子どもや妊婦さえ守られることなく、放置されているのである。子どもや妊婦は疎開させるべきである。ところが何一つ動かない。まさに棄民政策である。しかも国の認定した年間20ミリシーベルトには、食物や、土埃などによる内部被ばくは含まれていないのである。
 核の平和利用などありえず、原爆のように、原発も一度事故が起きると、容赦なく放射性物質がまきちらされ、人の命も、そして大地も海も空も汚染され、取り返しがつかないのである。安全な原発などない。原発事故で、生活も故郷も奪われ、再び故郷に戻ることがない人たち、家族が分断された人たち、今までの生業が破壊された人たち、自殺に追い詰められた人たち、自力で避難せざるを得ない人たち。原発事故は福島県のみならず、広域に影響を及ぼした。被災地の生活を、人生をどう取り戻してくれるのか。福島は今も戦争状態なのである。しかし、原発事故を起こしたものは未だに責任を取っていないのである。これは、事故ではなく、明らかに事件なのに、その張本人である東電も、原発推進の政府も何一つ責任を取らない。ただただ、国民からの増税、電気料金の値上げで押し切ろうとするから何も変わらないのである。
 被災者の怒りや苦しさ、悲しみを無視し、政府は再稼働、原発輸出に狂奔しているが、それは、第二の福島をまた作ることになる。企業の儲け優先、核武装へと野田政権は突進している。それはまさに亡国への道である。
 
 
ストレステストで安全は担保できない
 
 もともと使用済み燃料の最終処理さえできないのだから原発はトイレのないマンションと言われ、動かすこと自体無理なのである。新しい古いにかかわらず、安全な原発など存在しない。福島原発事故で、「日本の原発は安全」、「事故を起こす可能性は全く低い」と安全神話を振りまいてきたが、それは完全に崩壊した。しかし、崩壊したにもかかわらず、「ストレステスト」に再稼働の基準をあてはめ、安全神話にもならないものを、再び「安全」などとたぶらかそうとしているのである。
 政府は、福島事故後も再稼働させるために、ヨーロッパのストレステスト(耐性試験)を導入した。しかし、このストレステストは、耐震設計とか地震に対する指針という安全設計など不確実な部分をやり直すということでなく、コンピューターでどこまで耐えられるかを試してみるというだけである。EUではストレステストを再稼働の条件としている訳ではなく、改善のために活用している。また、ストレステストについては1年以上もかけて行い、その評価結果を各国の安全規制当局が検証し合う。しかし、それでも、EUの専門家も、ストレステストで安全性が保障されるものではないと語る。
 日本ではそのストレステストも時間がかかるため、1次評価と2次評価に分けた。そして政府は再稼働の条件として1次評価を基に判断するとしたのである。1次評価はメルトダウン防止策までとし、2次評価は万が一メルトダウンした後の、放射能大量放出の対策としている。1次と2次に評価を分けること自体おかしいので、内閣府の原子力安全委員会の斑目委員長でさえ、「安全性を高めるための資料として1次評価では、不十分」と言っている。更に「安全委は再稼働の判断はしない。首相らが認めることに異論はない」として、首相に丸投げし、責任のない発言をしている。
 このストレステストは、電力会社が行うが、その電力会社から請け負うのは原子炉メーカーの日立、東芝、三菱重工である。原子炉メーカーが自ら製造した原子炉に文句は付けない。そして電力会社からきたストレステストの報告書を経済産業省の原子力安全・保安院が審査する。しかも、この保安院の審査をサポートするのが、原子力安全基盤機構(JNES)だが、同機構は電力会社作成の資料を丸写しした「要領書」をもとに原発検査をしていた前歴を持つ。
 ストレステストについても、保安院は、「各地の原発の安全性については、これまで行った緊急安全対策で十分に確保されている。ストレステストはあくまでも住民の安心感につなげるためだ」としている。したがって財界やアメリカの要請を受けた政府は、初めから再稼働ありきである。そして、保安院の評価に対して、専門家メンバーの原子力安全委員会が確認することになっている。この専門家意見聴取会でも、学者が原子炉メーカーや電力会社などから献金をもらっており、企業の代弁者となっているので、審査体制となっていない。
 ストレステストは次の過程を踏むようになっているが、この過程では原発に反対だと思っている7割から8割の住民の意思が生かされない。
@ストレステスト1次評価(電力会社実施)
A(経産省)原子力安全・保安院評価
B(内閣府)原子力安全委員会確認
C国際原子力機関(IAEA)確認
D地元自治体合意
E首相・3閣僚(官房長官・経産相。原発担当相)再稼働可否判断
 保安院は昨年7月各電力会社にストレステストを始めるように指示した。そのテスト結果に対して、保安院が問題ないかチェックし、更に専門家メンバーの原子力安全委員会が確認することになっている。すでに、保安院は20基分の1次評価を受理している。
 これに対して、保安院は関西電力の大飯原発3,4号機と四国電力の伊方原発3号機に「妥当」の判断を出している。しかし、今年の1月18日、大飯原発3,4号機について「妥当」と保安院が表明したが、それは、傍聴者を締め出し、さらに、反対派の2人の委員が欠席する中で行われたもので、保安院の「妥当」は、反対意見を封殺して作り上げたものである。
 このように反対派を排除し、強引に「妥当」宣言せざるを得ないということは、安全が優先されるのではなく、とにかく再稼働ありきであることの証明である。しかも政府は暫定安全基準を持ち出し、地元の合意よりも政治判断を優先させるとしており、とにもかくにも再稼働ありきで、再び福島の事故が起こりうるという危険をはらんでいる。そのような強引な手法で一体だれが責任を取れるというのであろうか。「私の責任で判断する」というが、取れもしないものを平気で言うのは国民をペテンにかけることである。「ストレステスト」という「安全神話」にもならないものに再び踊らされてはならない。
 
 
安全性を全く無視した大飯原発再稼働
 
 6月14日大飯町の時岡町長が再稼働に同意し、県議会は知事に一任し、県の原子力安全専門委員会は妥当とした。それを受けて西川知事も6月16日同意し、野田首相ら4閣僚が検討し、同日再稼働を早々と決定した。しかし、これは県民の総意ではなく、6月17日、福井県では、県内外から2200人が結集して再稼働の撤回を求める抗議集会が開催された。
 この大飯原発の再稼働を政府は強行判断したが、これは非常に安全性を無視したものである。野田政権は4月、暫定の安全基準なるものを作った。新しい原子力規制庁ができていないので、暫定的なものだというがそれだとしても、安全が担保されていないものは稼働できないはずである。安全に暫定などあるはずもないが安全基準は下記のようになっている。
@地震・津波による全電源喪失を防ぐ対策の実施
A地震・津波が来ても燃料損失に至らないと国が確認
B免震事務棟設置や防波堤のかさ上げなど中長期的対策の実施計画
となっている。
 政府の暫定的安全基準によると実施計画がありさえすればいいというもので、時間がかかる対策については、現時点で実施していなくても再稼働できるというもので、これは安全を無視した暴挙である。これでは国民の命は守れない。しかし、政府は「特別な監視体制」を敷くから大丈夫だというのである。それは経産省の副大臣や、政務官が大飯原発を「監視」するというが、専門家でないものはチェックの役割を果たせない。福島事故では経産省の副大臣が水素爆発で、現場から抜け出し福島市に移っていた。全く「監視」体制が機能しないことは明白である。
 大飯原発を動かす関西電力(関電)は、この大飯原発についての1次評価で、「想定を超える地震や津波に対して安全上重要な施設・機器などは十分な裕度を有している」とし、福島第一原発事故の後実施した「緊急安全対策」の結果、「安全裕度は地震に対して700ガル(ガルは揺れの加速度を表す単位)の1.8倍の1260ガル相当まであり、津波に対しては設計上の高さ2.85mの約4倍11.4mまで向上した」としている。また、「すべての交流電源が喪失場合でも、炉心冷却ができなくなるまでの時間は、緊急安全対策前の5時間から16日後までと大幅に伸びた」としている。
 これに対して、原子力安全・保安院は「妥当」としたものであり、安全委員会も「確認」したとなった。しかし、このチェック機関は、機能していないことは明白である。やらせ説明会を主導していた保安院、そして放射能拡散予測データーを隠して、避難時に何の役にも立たせなかった原子力安全委員会。そして県の原子力安全委員会もまた、専門家会議同様、電力関連から1500万円の寄付を受けたと騒がれており、安全のための審査ではなく、初めから再稼働ありきの結論なのである。
(1)1次評価では、事故に至った時、電源が足りない、水が足りないという時、外部電源を使うなどの対策に終始している。原発本体を補修、強化するのではない。政府の暫定の安全基準でも外部電源で賄うことで良しとしている。ところがこの大飯原発の若狭湾は入り組んだ海岸線で、船の出入りも難しい。住民が避難する時でも一本道しかないので、避難路をどう確保するかは課題であるが、その避難路も打ち出されていない。保安院は「道路が遮断されるかもしれない、その時は船とかヘリコプターでやりますよ」というが、それが緊急を要する時の対策になるのかということである。電源車の配置、消防車・ポンプ車・消火ホースの配備はもちろん必要であるが、それだけで対処しきれるのか問題であり、冷却機能がなければ、福島事故の二の舞である
(2)格納容器の破壊を防ぐベント設備もない。ヨーロッパでは、チェルノブイリ事故後、放射性物質をろ過するフィルター付きのベントを設置した。それが2015年度までに設置するので良しとしたのである。また、事故対策にあたる免震事務棟の設置もない。それも3年先である。事故が起きた時は中央制御室の会議室に充てるというお粗末さだ。福島事故の時は中央制御室は放射能汚染されて、通常の1000倍にもなっていた。また、防潮堤のかさ上げもしていない。これらすべてが2〜3年後に先送りされている。
(3)活断層を無視したストレステスト
 今回のストレステストは、2006年以降行われてきた耐震基準と同じものである。原子力委員会が阪神大震災後「耐震設計審査指針」の改定に基づいて、原発の耐震安全性の評価を計算し直したものである。これによると、おおむね日本の原発はマグニチュード6.5程度、現在でも6.8程度の地震への耐震性しか想定していない。福島原発事故では、震源地はマグニチュード9.0だったが、福島第一原発ではマグニチュード7.9だった。
 この福島原発事故を受けて、シミュレーションするのであれば、当然東日本大震災並みで行うと思うが、実際は2006年以降の「耐震バックチェック」で行っている。それでは以前安全審査が通ったものであり、全ての原発が「妥当に」になる仕組みになる。
 この「耐震バックチェック」では、福島第一原発は370ガルまでの地震に耐えられる設計だが、現状のままでも「600ガルまで十分耐えられる」と評価されたもので、全くいい加減なものである。東日本大震災では福島第一原発の最大の揺れは448ガルだった。したがって、600ガルの4分の3だったので、「想定外」ではなかった。東電は、地震は想定外ではなかったが津波が想定外だったと言い張っている。しかし、この地震によって送電線を支える原発西側の鉄塔が倒れ、その結果自動停止した原発に送電できなくなり、1〜3号機の冷却機能がストップしたのである。
 つまり、2006年の「耐震バックチェック」では耐えられないものを耐えると判断していたのである。それを再び採用してもまた同じことになる。
 しかも、大飯原発の付近では、活断層FoB−FoA−熊川断層の3連動問題が大きな焦点となっている。関電のストレステストでは現行の約36qであるFoB-FoA断層の2連動時の基準値震動700ガルとしたのに対して、約63qにもなる3連動で760ガルとした。これに対して保安院は「妥当」とした。
 しかし、専門家の地質学者はこの断層が3連動して、マグニチュード8クラスの巨大地震になると、基準値震動は1000ガルを超える可能性もあり、保安院はあまりにも過小評価していると指摘している。しかも、大飯原発では、一つ一つの断層が動くとして700ガルを前提としているのである。
 ストレステストのクルフエッジ(崖っぷち、Ssの1.8倍=1280ガル)を見ると、あたかも、耐震安全評価の基準で、1000ガル以上あるのでいいと思うってしまうが、そうではなく、フリフエッジは炉心溶融一歩手前の「基準」であり、700ガルの1.8倍の1260ガル以内だから安全というのは極めて危険な判断であるといわれている。これもペテンである。
 したがって、大飯原発3.4号機の制御棒挿入時間の評価についても、現行の2連動の場合でも評価基準値が゙2.2秒と評価値が2.16秒の間の余裕がわずか2%しかなく、3連動した場合、制御棒挿入時間が評価基準値を超えてしまうと言われている。これでは運転できない。
(4)電力不足を使った再稼働はペテン
 関電は4割を原発に頼っているが、電気不足はこの夏、去年並みだと5.5%、猛暑だと18.4%不足だと発表した。しかし、去年のピーク時は8月の猛暑の2日間、4時間と3時間不足したに過ぎない。したがって、節電する、あるいは他管内から融通してもらう。もしくは揚水電力を活用すればできることである。
 ところが、電力不足大宣伝で、経済的打撃であたかも日本が撃沈するかのような宣伝である。しかし、大飯原発が1基再稼働するだけで、関電は電気料金をなんと1日で5億円、1ケ月で150億円、1年で1800億円も手にすることができるという。これでは止められない。原発を動かせば動かすほど電力会社は儲ける仕組みになっている。その儲けた金で交付金をばらまき、原発漬けにするということである。
 そして、政府は核武装のために国家を上げて原発推進をしているのである。国民の生命や財産、生活圏が奪われようと痛くもかゆくもないところから、原発再稼働がまた怪物のように動き出すのである。
(5)県民の総意でもない再稼働
 福井県には14基の原発がある。原発交付金で金縛りに合い、原発に頼らざるを得ない仕組みが作られてきたが、この再稼働は県民の総意ではない。7市のうち敦賀市は「早期の再稼働」を議会で決めたが、越前市では「拙速な再稼働に反対する意見書」を採択した。また小浜市は、小浜原発誘致が持ち上がった1970年代から一貫して原発反対を貫き住民が署名活動などしてきて活動してきたが、大飯原発1.2号機、3.4号機の増設にも反対し、今も再稼働反対のために闘っている。小浜市は大飯原発から10キロ圏内であり、もし事故が起きたら被害は深刻である。地元と言われるおおい町の町民は20%にすぎないが、おおい町の町長の同意だけが取り入れられ、人口を多く抱える小浜市の声は無視されている。事故が起きれば10キロ圏内だけにとどまらない。避難経路も明らかにされていない中、県内の7市が再稼働に反対している。
 また、滋賀県の琵琶湖は関西圏の水瓶と言われ、飲料水を供給している。大阪府は99%、滋賀県は82%、京都府は68%、兵庫県は49%琵琶湖に依存している。それが汚染されたら、住民の被害は甚大である。
 そして、京都府の大部分が国際原子力機関(IAEA)の基準で、「ヨウ素剤の服用」が必要となる、放射線被ばく等価線量50ミリシーベルトを超える地域になる。放射性物質は福島原発事故で、日本だけでなく世界にも拡散したが、地元とは、単におおい町、福井県にとどまらない。まさに地元とは、全国であり、国民の総意がなければ、再稼働は認められない。国民の声を聞くべきである。
 チェルノブイリ事故後、子どもの甲状腺癌が多発した。普通は人口100万人当たりに0・5人前後と極めてまれな病気であったが、事故後ロシアでは、10万人に対して12人と240倍の増加を示した。特にチェルノブイリから150キロ以内のゴメリ州では、甲状腺癌が多発した。ヨウ素摂取の少ない国ではあるが、その原因は汚染されたミルクを飲んでいたことやヨード剤が配布されていなかったことだと言われている。ゴメリ州は高濃度汚染地区であったが、比較的内部被ばくが少ないと言われていたミンスク市でも異常に高い頻度で甲状腺癌が発生した。
 ところが、ポーランドでは、チェルノブイリ事故後も甲状腺癌が増えなかった。それは、日本と同じくヨウ素欠乏が少ない国でもあるが、事故4日目には90%の小児にヨードを配布し、国内の牛乳を禁止して、すべて輸入粉ミルクに変えたという。政府の対応の違いで大きく子どもの命が左右されたのである。
 今回福島事故では、ヨード剤を飲ませたのは、三春町のみだった。福島に原発10基がたってもその対処は大変お粗末なもので、住民は何一つ守られていない。今、その反省もなく、事故に対する対策もないまま再稼働させることは許されないことである。
 そしてチェルノブイリ事故後、1000キロ離れたドイツや西ヨーロッパでは、先天性奇形、新生児の死亡、ダウン症の増加がみられ、また男児と女児のせ出生時の比率も変化しているという。内部被ばくは広範囲に、しかも26年後の今もその影響を受けて続けている。今後福島の子ども達や県民、広範囲の人々が、チェルノブイリ事故と同じ様な健康被害が心配されることは明白である。命が大事にされない社会に未来はない。儲けや核武装のために政府や、電力会社は再稼働、原発輸出に狂奔しているが、子子孫孫その影響を受ける核は人類とは相いれないものである。人類と共存できない核は廃絶する以外ないのである。
 消費税増税、米軍基地強化、米軍と一体になった軍事演習など戦争への道は走る政府は、国民の声を無視して、原発の再稼働も強行突破した。この暴挙を許さず、再稼働阻止、戦争への道を阻むために今国民が手をつなぐときである。





 
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