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日本新聞 4555号記事

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日本新聞 4555号記事

4555号1面記事

朝鮮学校の子ども達に教育の保障を

 補助金カット、授業料無償化からの排除…朝鮮学校への差別政策を改めるべき。民族の文化と誇りを学び明るく育つ朝鮮学校の子ども達

  2010年、高校授業料無償化が行われたが、朝鮮学校は除外された。朝鮮学校が各種学校扱いだから、というものであったが、他の外国人学校は無償化が適用され、朝鮮学校だけ除外という、露骨な差別である。2019年からの幼保無償化からも、朝鮮学校は除外された。

  すべてのこどもに差別のない未来を手渡すために

  このような状況の中、2月2日、きゅりあん大会議室において、「すべてのこどもに差別のない未来を手渡すために」と題して、「こども基本法」「東京都こども基本条例」から学ぶ交流集会が、「すべてのこどもに差別のない未来を・東京南部の会」の主催で行われた。
 長谷川和男さんは「朝鮮学校『無償化』排除に反対する会連絡会」の共同代表であり、日本全国の朝鮮学校を訪れた方である。長谷川さんは全国行脚で実際に目にした朝鮮学校のことを話してくれた。
 「朝鮮学校は独立採算だ。先生方の給料も少ししか出せない。ご飯は保護者が持ってきてくれる。オモニ(お母さん)達は学校の財政を作るために、キムチや小物などを作って売っている。そんな苦しい中でも、東日本大震災の時には支援物資を届け、支援を受けた宮城の朝鮮学校では、地域の日本の人たちにおにぎりを作って配った。
 日本の学校では、いじめ、不登校、自殺が多いが、朝鮮学校の子どもたちは、小さな子を大事にしている。教育目標は“一人はみんなのために みんなは一人のために”である。そのスローガンが生きている。子どもの自主性、主体性が育まれている。日本の文科省・地方自治体は朝鮮学校から学ぶべきだ」
 「国連・子どもの権利委員会対日審査」に参加した宋恵淑さんは、3人の子どもを朝鮮学校に通わせている。宋さんは、「朝鮮学校にないもの」について話した。
「・コロナ禍における各種支援が朝鮮学校には適用されない。
・第3子は保育料が無料になるが、朝鮮学校は各種学校だからカウントされないという不条理。
・東京都私立外国人学校教育運営費補助金が、2010年から朝鮮学校だけ支給停止に。
 『子どもの権利条約』には、命を守られ成長できること、意見を表明し参加できること、子どもにとって最もよいこと、差別のないことの4つの理念が掲げられている。東京都では2021年4月には『東京都こども基本条例』が定められた。ところが朝鮮学校は常に排除され続けている。
 国連・子どもの権利委員会日本政府審査では、日本政府に対し、朝鮮学校のこども達への差別的取り扱い是正を求める勧告が4度もなされた。
 朝鮮学校にないものを求めるのは、決して過度ではない。当たり前の権利を求めているだけだ」
 東京朝鮮第六幼初級学校の金炳虎校長は「2010年~2023年まで、朝鮮学校には1円も補助金が支給されていない。朝鮮学校=北朝鮮、だから制裁の対象?北も南も同じ祖国であり、朝鮮学校は朝鮮民族の学校だ。給食もない。オモニ会が実費で給食を作ってくれたり、友の会の方々が作ってくれている」と実情を訴えた。
 オモニ会会長の鄭さんは、「東京朝鮮第二初級学校の先生時代に、朝鮮学校への入学を勧めると、朝鮮学校の制服を着ていると危ない、学費が高い、卒業しても権利がないと言われた。政府による差別だ。日本の学校で差別され、朝鮮学校に編入してきて“楽しい!”と喜ぶ子どもがいる」と、差別政策への憤りを語った。
 朝鮮学校の高校生、大学生が文科省前で、「無償化」からの排除に抗議して訴えている。当然の要求である。すべてのこども達に、等しく教育を受ける権利がある。
 政府は朝鮮学校への差別政策をただちにやめるべきである。            (沢)

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