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日本新聞 4449号記事

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日本新聞 4449号記事

沖縄を再び戦場とする軍備強化に抗議

南西諸島の要塞化、敵基地攻撃能力保有は不戦・戦力不保持の憲法9条に違反。軍備増強は抑止力ではなく戦争に直結。平和外交の道を

 

 1月7日、日米安全保障協議委員会(2プラス2)が開かれ、南西諸島での自衛隊強化と日米の施設共同使用増加を共同発表に盛り込んだ。地域も具体的な共同作戦も明示されてはいない。岸田首相は「相手がいることなので」と説明しないでにごしている。

 2プラス2に先立ち、米軍は昨年12月24日に、台湾有事の際の自衛隊との共同作戦の原案をまとめたと発表した。台湾有事の際の対峙する相手は中国である。アメリカは自国を戦場にはせず、南西諸島(九州南端から台湾北東端にいたる海域に連なる弧状列島の総称)に自衛隊基地を置き、戦場にしようとしている。

 2016年与那国島に監視警戒部隊設置、2019年奄美大島に、2019年宮古島、2022年度石垣島にミサイル部隊設置・計画。

 現在、鹿児島県種子島沖合・西之表市の馬毛島に米空母艦載機の陸上離発着陸訓練移転と陸海空自衛隊の一大訓練基地化が進められている。1月12日に防衛省は西之表市の八板市長に「馬毛島への整備計画を決定した」と伝えた。八板市長はこれまでも「不同意」を訴えてきた。「いったん立ち止まってほしい」と言う八板市長の訴えを無視し続けてきて、今回の「決定」である。地元の意向無視で米軍の戦略下で自衛隊が武器を使用する危険な事態が、すぐそこまできているのである。

 

 沖縄を再び戦場にしてはならない

 

 沖縄選出の参議院議員・伊波洋一さんは、「新しい米戦略構想は、第一列島線(九州―沖縄―台湾―フィリピン)沿いに展開する米軍と自衛隊からなるミサイル部隊と、第二列島線(本州―グアム―パプアニューギニア)沿いに退避する米海軍・空母機動隊の2段構えの布陣。台湾有事の際には南西諸島配備の自衛隊が米軍とともに第一列島線に展開し、通過しようとする中国艦艇をミサイル攻撃で封じ込める。第二列島線に構える米軍部隊は、中国のミサイルが届かない地点から自国軍や同盟軍を支援するという構図。自衛隊もやられ、戦場となる南西諸島の住民も逃げ惑うことになる」と指摘した。

 岸田首相は「日米安保体制を新たな段階にしなければならない。敵基地攻撃能力の保有も含めて、あらゆることを考えなくてはならない」と言うが、これが具体化したものなのかと空恐ろしくなる。

 改憲勢力が増えたことで改憲論議も加速しているが、戦争放棄・戦力不保持の憲法9条を葬り去ろうという意図が見える。

 日本がやっている、

・対艦ミサイルの射程を現状の200㎞から1000~2000㎞に延ばす

・戦闘機から発射する長射程のミサイルの輸入

・ 護衛艦「いずも」「かが」の空母化

・空母艦載機となるF35Bステルス戦闘機の購入

など、すべて憲法9条に違反する。

 台湾有事の際の日米共同作戦計画に対して、沖縄平和運動センター顧問の山城博治さんや沖縄県の研究者らは計画案に抗議し、超党派の「南西諸島を絶対に戦場にさせない県民の会」を立ち上げ、賛同者を募っている。

 沖縄は日本で唯一、地上戦を余儀なくされた。本土を守るためにと「捨て石」にされたのである。沖縄県民の4人に1人が命を奪われるという大きな犠牲を強いられた。血塗られた歴史を繰り返してはならない。沖縄を再び戦場にしてはならない。    (沢)

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