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日本新聞 4533号記事

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日本新聞 4533号記事

4533号1面記事

 関東大震災朝鮮人虐殺から100年、政府は責任認め謝罪を

 関東大震災の混乱に乗じて6000余名の朝鮮人、700名以上の中国人虐殺。政府は真相究明し、虐殺を扇動した責任を認め被害者・遺族に謝罪を

  9月1日、関東大震災から100年となった。関東大震災は未曾有の大震災であっただけではなく、朝鮮人や日本の社会主義者を大虐殺したむごい歴史がある。はっきりした数がわからない中で、民間の調査で、少なくとも朝鮮人6000人以上、中国人700人以上、朝鮮人と間違われた日本人の犠牲者も多かったという。単なる震災で終わらせられない、この闇を直視し、二度と繰り返してはならないと、全国各地で集会が行われた。
 9月1日、銀座ブロッサムでの「関東大震災100年 朝鮮人虐殺犠牲者追悼と責任追及の集会では、朝鮮大学校の学生たちによる朗読劇が行われ、関東大震災時にどのようにして朝鮮人虐殺が展開されたのか、証言に基づいた史実が語られた。朝鮮人虐殺の事実を知ったおじさんが「日本人だって話せばわかるはずだ」と出かけた直後、おじさんの生首を掲げて「エイエイオー!」と叫ぶ自警団の姿を見た子どもの証言は、心に突き刺さった。
 集会では、最後に、政府への要請書を読み上げた。要請事項は次の通り。

1、日本政府は、関東大震災時の朝鮮人虐殺犠牲者に対して、その責任を認め謝罪すること
2、日本政府は、関東大震災時の朝鮮人虐殺の根本的原因が朝鮮半島の植民地支配にあったことを認め、確固たる姿勢を以てその清算を行うこと
3、日本政府は、関東大震災時の朝鮮人虐殺に関して、その実態を明らかにすること
4、日本政府は、政府内に止まらず公的機関に存在する関係書類の調査を行うこと
5、日本政府は、これまで聞き取り調査を行った市民および研究者を入れて真相究明のためのプロジェクトチームを立ち上げること

 要請書を真摯に受け止め、政府は真相究明とともに、虐殺の責任を認め、犠牲者と遺族に謝罪すべきである。

  虐殺を認め、北東アジアの未来へと向かおう

   2日には、荒川河川敷で追悼イベントが行われ、600人の方がかけつけた。
   また、連合会館では、「国際シンポジウム 関東大震災朝鮮人虐殺の責任と課題」が開催された。
   主催者を代表して、元法務相の平岡秀夫弁護士は、「松野官房長官は“政府内において、虐殺の事実関係を記録する資料はみつからない”と言った。全くひどい。22歳で広島で被爆し、13年前に亡くなった父は大震災の翌日に生まれた。今、朝鮮人虐殺に直接関わった日本人はいない。しかし日本人として責任がある。責任を果たせない、日本が北東アジアに対する将来の展望が示せないのは、政治の貧困だ。苦悩と怒りは、虐殺された人、その遺族、そして今の朝鮮の若者たちに続いている。過去の清算をきちんと行わなければならない」と訴えた。
  明治学院大学講師の鄭栄桓さんは、小池都知事の追悼文拒否を批判した。工藤美代子著作「関東大震災『朝鮮人虐殺』の真実」これが虐殺否定論の根拠になっている。
  “朝鮮人は摂政宮を暗殺しようとまで画策”したから、“虐殺ではなく、国家の自衛権行使だ”と、朝鮮人暴動はあったという主張であり、事実に基づかない。「虐殺否定論の最大の問題は、被害者を加害者に変えてしまうこと。被害者の名誉が何重にも侵害されている。
  朝鮮大学校講師の鄭永寿さんは、次の事実を指摘した。
  1923年12月5日付の「独立新聞」には犠牲者数は6661名だと公表された。その後の「在日本東京朝鮮人大会」では、流言蜚語の出所は日本政府当局であり、伝播者も日本政府当局だと声明書を決議している。
  鄭永寿さんは、「100年間の無責任を終わらせるためには、真相を調査・発表すること。そして今も無償化から朝鮮学校を排除するなど差別を行っていることで、排外主義が跋扈している。関東大震災時の虐殺主導の構図の繰り返しだ。日本社会における多民族排外主義の克服を」と訴えた。
  最後に、鄭栄桓さんの「日本政府は世論を甘く見ている。日本社会の問題だ」という言葉が突き刺さってくる思いがした。
  今も続く朝鮮差別、その中で苦しむ在日朝鮮人の人々。この問題を解決しない限り、私達日本人も解放されないし、前に進めない。
  大虐殺から100年を機に、排外主義に反対し、アジアの平和・友好・連帯を克ち取る運動を展開しよう。     (沢)

 

 

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