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日本新聞 4447号記事

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日本新聞 4447号記事

政府は汚染水の海洋投棄方針を撤回すべき

地球規模で環境を破壊しながら尚も原発再稼働進める日本政府。国内外から、日本の放射性汚染水海洋投棄反対、国際法違反と抗議の声

昨年12月28日の閣議で、政府は東電福島第一原発の放射能汚染水処分の行動計画を決定した。つまり海洋投棄の具体化である。

 これに対して中国政府はその日に撤回を要求した。中国外務省の趙立堅報道官は「中国は日本が一方的に放射能汚染水放出計画を発表したことに重大な懸念を表す」と述べ、次の指摘をした。

  • 日本は安全措置の手段を総動員せず、関連情報を全面的に公開していない
  • 日本は周辺国や国際機関と十分に協議していない
  • 日本が国内、海外で認められていない状況で、一方的に決定したことに決然と反対する
  • 日本は周辺国を含む国際社会の懸念に誠実に対応して、汚染水放出決定を早急に撤回し、すべての準備を中断すべきだ

 これらはどれももっともな指摘である。

 

 国内外からの批判

 

 昨年4月13日、政府は汚染水の海洋投棄を認めた。発表と同時に、国内外から非難の声が上がった。福島県漁連は立て直しに必死になってきたのに、汚染水の海洋投棄ですべてが踏みにじられるため、断固反対を表明している。また、国内でもパブコメで寄せられた意見の7割は海洋投棄反対であった。つまり意見を出せと言いながら、その意見を反映させる気はさらさらないのである。“民主的な”装いをこらすためにすぎない。

 国際的にも大きな批判が巻き起こっている。

韓国…駐韓日本大使を外交通商部に呼んで強く抗議。日本からの輸入食品の放射能検査を徹底的に行い、国際海洋法裁判所への提訴も検討する。

朝鮮…人類の生存を脅かす許せない犯罪と批判。

太平洋諸国フォーラム(オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、ヴァヌアツ等)…日本政府に汚染水海洋放出計画を再考するよう促す声明を発表。

ロシア…日本が情報を公開し、他国の漁業などの経済活動に困難を生み出さないことを希望。日本が提供した公的情報は不十分だ。

フィリピン…地球は一つの生態システムであり、各国は互いに関連している。環境を汚染するものは代価を払うべき。すべての国家が原則を順守すべきだ。

 世界各国が非難している中で、唯一賛成しているのはアメリカである。しかし、アメリカは海洋投棄に賛成しながら、2011年3月に日本産製品の輸入を禁止する輸入禁止令を発令し、昨年3月4日に継続行使したままである。輸入禁止地域は福島、青森、群馬、茨城など14か所、農水産物100種余りを対象としている。海洋投棄を評価することと、輸入禁止は全く合わないことだ。

 実際、海洋投棄は危険極まりない。政府や東電は「処理水」と呼び、あたかも放射性物質が処理されたように宣伝する。しかし、トリチウムを始め、処理されていない放射性物質が残っているのである。特にトリチウムは多核種除去設備(ALPS)で取り除くことができない。トリチウム水として人体に取り込まれやすく、造血作用、生殖器に異常をきたす。また、ALPSで62核種が基準値以下になるとしたが、84%が基準を満たしていない。

 現在でも日本のイワナ、スズキ、クロソイ、ヤマメなどから基準値をはるかに超える放射性物質が検出されている。

 政府は更なる環境破壊を引き起こす汚染水の海洋投棄の計画を即刻撤回すべきである。そして、原発から撤退の方針を打ち出すべきだ。  (沢)

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