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2024.04.03

日本新聞

日本新聞 4563号記事 次期戦闘機の輸出は明らかに憲法違反

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日英伊共同開発の次期戦闘機の輸出を閣議決定で認める無法。
民間空港・港を整備し自衛隊が利用。兵器ローン10年に延長で軍事費膨張

3月26日、政府はイギリス、イタリアと共同開発する次期戦闘機を、日本から他の国への輸出を解禁する方針を閣議決定した。またしても閣議決定である。
 日本は武器輸出を原則禁止してきた。武器輸出は戦争する側に立つことであり、死の商人と化すことである。日本は不戦の憲法9条をもっている。戦争しない、戦力を持たないと明記している。武器輸出解禁は、明らかに憲法違反である。日本という国の本質に関わるこれほど重要なことを、与党の数人の閣僚のみで決められることではない。国会はもちろん、徹底した公開討論を行い、国民投票にかけるべきことである。何でも閣議決定で安易に政府の思惑を通す、これでは全く民意は反映されない。このようにして戦争に向かっていくことをおおいに警戒しなければならない。
 3月28日には、自衛隊の武器を最大10年の長期契約でまとめ買いする時限法を恒久化する改悪法が、参院本会議で自公、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立となった。これまでの「5年の失効規定」を削除する。時限法であれば、購入方法が適切かどうか、5年の失効期限前に国会審議でチェックできたが、上限10年の恒久化で、政府はチェックされずに簡単に武器調達ができる。雪だるま式に膨張している兵器ローンが、ますます急増することが予測されるのである。

 未来を拓くのは軍事ではなく平和外交

 政府は有事の際に自衛隊や海上保安庁が使用するために整備する「特定利用空港・港湾」に、北海道から沖縄まで7道県の計16か所を指定する方針を発表した。九州・沖縄が7か所と多い。これは南西諸島軍事要塞化とタイアップしている。沖縄県では12か所が候補とされたが、県は同意しなかった。そのため、県が管理する施設は含まれず、国の管理する那覇空港、石垣空港の2か所となった。
 しかし、3月29日、政府は沖縄県・先島諸島の5市町村にシェルターを整備する方針を発表した。シェルターは「特定臨時避難施設」が正式名称だという。ミサイル攻撃などから住民を守るためとしているが、一体どのような状況下でミサイル攻撃を受けるというのか。
 沖縄県の玉城知事は、「対話による平和構築こそが本来、日本が取るべき外交の正しい手段だ。基地の計画ありき、シェルターの建設ありきではなく、平和であるための取り組みをどうするのか、政府に説明を求めたい」と語っている。
 もし、ミサイル攻撃された場合、シェルターで住民の命を守れるのか。なぜ、日本が攻撃されることを想定しなければならないのか。日本が中国や朝鮮に敵対しなければ、攻撃などされない。中国と敵対しているアメリカと手を組んで、アメリカの戦略下で動くことで、攻撃される危険性が生まれる。米軍が南西諸島からミサイルを撃って動き回ってハワイやグアムに立ち去る。自衛隊がそれを引き継ぐ時、島は戦場となってしまう。その時、軍隊が住民を守りはしないことを、かつての沖縄戦で、4人に1人の犠牲を強いられた沖縄の人々は知っている。軍隊は住民を守らない。
 玉城知事が言うように、基地を造ったりシェルターを造っても住民を守ることは出来ない。琉球王国が示したように、争いではなく対話で平和をかち取ることである。日本はアジアの一員として、アジアの国々と力を合わせ、共に発展していく道を歩むことが未来を拓くことである。   (沢)