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2026.05.13
日本新聞
憲法大集会、改憲・戦争反対の5万人の声響く
4673号1面
憲法大集会、改憲・戦争反対の5万人の声響く
5月3日、有明防災公園に5万人結集。戦争への道ひた走る高市政権への危機感高まる。改憲・軍事大国化へ歯止めかける運動の前進を
憲法記念日の5月3日、有明防災公園で憲法大集会が開催された。高市政権の、戦争へ前のめりの政策への危機感の表れである。平和憲法を闇に葬ろうとする改憲の動きも加速させている。結集した5万人の市民の、“平和憲法9条を守り決して戦争を繰り返さない”という強い思いに貫かれた憲法大集会となった。
主催者を代表して憲法共同センター共同代表の秋山正臣さんは「この集会に先行して行ったクラウドファンディングで1158万円のご寄付が寄せられた。憲法を生かし、平和、命、暮し、人権を守っていこうではありませんか。国会では改憲派が多数を占める状況だ。過去にも改憲がねらわれたが、改憲を許さなかったのは市民運動があったからこそだ。
今年は憲法が施行されてから79年となる。“改憲許さない”の声を草の根から、地域から、職場からあげていこう。それが戦争をさせないことにつながる」と呼びかけた。
人権・排外主義問題に取り組んでいる一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃さんは力強く訴えた。
「虐待や性搾取の中にいる少女を支える活動をしている。戦争が起こる時、女性たちを癒しとして性奴隷にした。今でも性売買は個人の責任として扱われている。売る側だけが責められる。なぜ戦争で性暴力が起きるのか。女性が尊厳のある一人として扱われない社会がつくられるからだ。戦争によって突然作られるのではない。今も行き場を失った少女たちに声をかけるのは、性搾取を目的とした人や業者だ。
私たちは15年間、それに抗う活動を続けてきた。そのため、殺害予告やレイプ予告など、あらゆる妨害を受け続けている。私達が攻撃を受けた時、それが差別だと気づくことができた人はわずかです。そのことが排外主義を掲げる人たちに力を与えた。女性への攻撃を強めた議員が今、外国人差別を扇動している。
Colaboが攻撃を受けた時学んだのは、拠点が借り物であるといつでも潰しに来られるということだった。そこで女性人権センター建設プロジェクトを立ち上げた。日本一性搾取が深刻な街・新宿歌舞伎町に差別に抗う拠点をつくる。
これからもつながり、私たちがいることを示し続けよう」
戦争演習が行われている沖縄の島々
「沖縄の風」参議院議員の伊波洋一さんは戦争の危機にさらされている沖縄の現状を語った。
「沖縄ではこの10年で島々に陸自ミサイル基地が造られ、毎年何回も戦争演習が行われてきた。今年1月29日、4回目の、宮古島、多良間、石垣、竹富町、与那国の沖縄先島5市町村の令和7年度沖縄県国民保護共同図上訓練が行われた。自宅や施設、病院などから介助や輸送が必要な要配慮者(5市町村1万1778人)をそれぞれの島の空港や港から、那覇を介して各県の空港や港を経て避難先に避難させる図上訓練だ。なぜ、全住民が縦横高さ計100センチのバッグ一つで避難しなければならないのか。日米外務防衛閣僚会議で、台湾有事日米共同作戦計画の作成に合意し、奄美群島と宮古島以西の先島5市町村を日米の攻撃拠点として造り直すことを決定したからだ。住民がいるところに攻撃拠点を造るのは国際法違反だから、全住民を避難させようとしている。沖縄の現状から、全国で真剣に考えていこう」
リレートークで、原発事故被害者団体連絡会共同代表の武藤類子さんは、世界で起きている戦争の現状からも日本中の原発を止めなければならないと訴えた。最後に私たちは何ができるかと呼びかけ、「破壊ではなく育てること、犠牲ではなく思いやりを持つこと、嘘ではなく誠実に生きること、理不尽ではなく共感できること、強く速く大きなものだけを追い求めるのではなく、小さくて弱い者たちに学ぶ。そんな価値観をコツコツと広めていくことが大切。戦争への道を止め、核兵器や原発をなくすために力を合わせていこう」と訴えた。
最後に海渡双葉弁護士からスパイ防止法について話された。
「自民と維新の連立政権合意書にもスパイ防止法は登場する。来年の国会に提出されると言われている。アメリカでは第一次世界大戦中に“徴兵制反対”と宣伝したことがスパイ防止法で有罪になった。憲法守れ、戦争反対と言うとスパイだと言われる時が来てしまうかもしれない。外国代理人登録法では、海外の個人や団体と連携することで外国代理人とされ、報告義務を課す。
スパイ防止法は明らかに戦争準備の法律。スパイ防止法反対を共にやっていこう」と呼びかけた。
強風をものともせず、参加者は「改憲反対!」「戦争反対!」を訴えた。 (沢)
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2026.05.06
日本新聞
朝鮮学校にも高校無償化を適用せよ
4672号1面
朝鮮学校にも高校無償化を適用せよ
2010年の高校授業料無償化実施から16年目。いまだに無償化から排除され続ける朝鮮学校。政府は朝鮮学校生の声に応え差別政策やめよ
高校授業料無償化は2010年民主党政権のもとで実施された。しかし、政治問題を理由に朝鮮学校への適用は不当にも凍結された。2013年第二次安倍政権時に対象から除外が決定された。全国で朝鮮学校への無償化適用を求める裁判が行われたが、ことごとく敗訴という不当判決が下された。朝鮮学校の生徒や保護者は毎週金曜日、文科省前で無償化適用を求めて「金曜行動」を行い続けてきた。
今国会で「改正高校無償化制度」が成立した。これは高校無償化拡充と外国人学校無償化の廃止及び別途支援策を盛り込んだもので、外国人学校生徒への別途支援策も不安定なものとなってしまった。朝鮮学校については、別途支援策からも除外という、全くひどい決定である。このような改悪に対して、4月23日、「全国朝鮮学園連絡会」「全国朝鮮学校保護者会連絡会」「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」「日本と朝鮮を結ぶ全国ネットワーク」「朝鮮学校への公的助成を求める国会議員有志の会」の主催で、抗議行動、院内集会、記者会見が行われた。
差別のない当たり前の政治に
参議院議員会館前での抗議行動では、朝鮮高校生、大学生から次々怒りの声が上げられた。
「私達は15年間各地で、高校無償化から朝鮮学校だけを排除する日本政府に対して、反対運動を行ってきました。なぜ朝鮮学校を除外し続けたのか。この問いに対する答えの代わりに日本政府は、この4月から外国人学校に通う高校生全員を無償化から除外した。朝鮮学校だけじゃないよ、と言わんばかりに。
日本政府は高校無償化新制度を改め、朝鮮学校に学ぶ権利を保障しろ!全ての外国人学校に高校無償化制度を適用せよ!」
「私は朝鮮舞踊部に所属しています。朝鮮学校の部活の中でも、特に民族性があふれる素晴らしい部活が朝鮮舞踊部です。“衣装、すごくきれいだね”“素晴らしかったよ”と言われて、自分の民族性を認められたようでうれしかった。自分の民族に誇りを持って、堂々と生きることは、悪いことなのでしょうか。次の世代、また次の世代の子ども達が笑顔で朝鮮民族の誇りを持って羽ばたいていけるようにしたい」
「あなたたちは見えているのか。お金もない中で、財政的補助も受けられず、高い授業料を払い、アイデンティティーを守り抜くために、子ども達を朝鮮学校に通わせる保護者達の姿が。人間の尊厳の問題だ。すべての在日外国人学校への差別を撤廃せよ!」
院内集会で元文科相事務次官の前川喜平さんは、基調発言で、「今回、外国人学校をすべて無償化から排除したが、他の学校は予算上、措置する。結局、朝鮮学校だけ除外。子どもの権利条約、国際教育条約にも反する。過去の侵略の歴史、人権の過去を学ぶのが大事。負の歴史に向き合い、政治を変えていきたい」と語った。
神奈川高級学校3年男子生徒の「両親は必死に働き、税金も払っている。朝鮮学校の授業料は高くなっているが、それでも朝鮮学校に通わせてくれている。無償化適用で少しでも楽をさせたい」という発言が響いた。
東京朝鮮中高級学校高級部3年女子生徒の「学校の外で朝鮮語を話していた時、後ろ指を指されたり、“チョンしかいない”と舌打ちされたり、命の危機さえ感じた。朝鮮学校は朝鮮人として誇りを持って生きることを教えてくれた。差別のない未来を作るまであきらめない」という言葉は重い。差別の問題と向き合うことなしに、私達も人間になれないと痛感した。
政府は朝鮮学校への差別政策をやめよ。 (沢)
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2026.04.29
日本新聞
殺傷武器輸出は明らかに憲法違反
4671号1面
殺傷武器輸出は明らかに憲法違反
政府、非殺傷「5類型」撤廃。国の根幹に関わる方針転換を閣議で決める暴挙。戦車砲弾破裂で自衛隊員4人死傷。戦争放棄の9条厳守
高市政権は4月21日、「防衛装備移転三原則」と運用指針を大幅に改定した。殺傷・破壊能力のある武器の輸出を全面的に解禁した。紛争当事国への輸出も可能にした。輸出先は日本と秘密保護などに関する「防衛装備品・技術移転協定」を締結する17カ国。これは条約ではないから国会の承認は必要なく、政府の判断で追加できる、としている。つまり殺傷武器を輸出できる国を今後どんどん増やしていく可能性があるということだ。そして武器輸出自体も、国家安全保障会議(NSC)で審査し、決定後に国会に通知するというもので、国会審議の対象としていない。何の歯止め策もない。現に戦闘が行われていると判断される国への輸出は原則不可、としながら「戦闘中の米軍がインド太平洋地域で態勢を維持するため、日本の装備品を必要としている場合」は輸出可能とした。実に矛盾している。米軍の意のままに動こうとする高市政権の本質が示されている。
武器輸出全面解禁という、国の根幹に関わる重要事項を、国会で審議することもなく、閣議とNSCという政権内部で決めてしまうのは認められることではない。民主主義のかけらも存在しない。
日本は1976年、三木内閣が武器全面輸出禁止に踏み切り、当時の宮澤喜一外相は「わが国は兵器を輸出して金を稼ぐほど落ちぶれていない」と語ったという。
そのような精神は高市政権には存在しない。
戦争に向かい変貌してきた日本
敗戦後、日本は憲法9条で不戦、戦力不保持を明記した。武器の輸出は原則禁止、専守防衛の堅持を掲げた。
ところが“戦争の抑止力として日本も軍備増強が必要”という論がふりまかれ、戦争法が次々決められてきた。
2003年
武力攻撃事態法
攻撃された時だけでなく、攻撃が予測される時にまで拡大
2014年
解釈改憲を閣議決定
集団的自衛権の一部容認
2015年9月19日
安保関連法成立
こうしてなし崩し的に憲法違反が強行され、不戦の憲法9条が形骸化されている。高市政権発足後は軍備増強、米国追随に拍車がかけられている。軍事費はGDP1%枠内維持が葬り去られ、今では2%、アメリカは3.5%を要求してきている。2026年度は11兆円を超える。物価高騰で食にも事欠く貧困層が増えている中、何のための軍事費倍増なのか。
このように「抑止力」をかたっての戦争への道が強化されようとしている中で、大事故が起きた。4月21日、大分県の陸自演習場で、戦車内の砲弾が破裂し、自衛隊員3人が死亡、女性隊員1人が重傷となった。戦車は10式戦車で三菱重工や日本製鋼所が製造し、陸自は約120両所有しているという。今回、破裂した砲弾はダイキンが作ったもの。軍事増強に伴って、日本の軍需産業への国家支援など叫ばれ、企業は大きな利益を手にしている。
日出生台での24日~26日までの演習は中止すると発表された。それで済む問題ではない。実戦さながらの訓練が全国の演習場で実施されているのである。事故の再発を防ぐことはできるのか。自衛隊関係者は3日間の訓練中止に関して「数日間訓練ができないだけでも、練度(習熟度、熟練度)向上に及ぼす影響は大きい」と言い放っている。これが、4人が死傷という大事故を受けての発言なのかと耳を疑う。数日間、訓練しないだけでも練度が落ちる、一体どのような訓練が行われているのか。戦争の準備が着々と行われている危機感を感じる。
死の商人の道を突き進む日本の企業、命の危機にさらされる自衛隊員、そして日本の若者達。
イランの小学生がアメリカによって殺されたように、戦争にひとかけらの正義もない。戦争に加担する武器輸出に断固反対し、全面解禁の撤回を要求する。 (沢)
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2026.04.22
日本新聞
柏崎原発再稼働で再エネ発電制限
4670号1面
柏崎原発再稼働で再エネ発電制限
核燃料プール満杯間近、核のゴミの最終処分場決まらず。原発再稼働をやめ、再生可能エネルギーへの徹底転換をエネルギー基本方針に
4月16日、東電柏崎刈羽原発6号機が営業運転を開始した。東電は6号機の営業運転で、年1000億円の収支改善を見込んでいるという。
柏崎刈羽原発の再稼働には住民の反対も強い。再稼働にあたっても様々なトラブルを繰り返してきた。1月21日、再稼働後まもなく制御棒に関する警報が鳴り、原子炉を停止。3月12日には発電機から地面に漏電を示す警報が鳴り、発電と送電を停止。しかし、度重なるトラブルにもかかわらず、原子力規制委員会は再稼働のゴーサインを出し、住民の反対の中、再稼働が強行された。
柏崎刈羽原発は、事故を起こした福島第一原発と同じ、東電の原発である。しかも、福島と同じ沸騰水型原子炉である。福島第一原発事故から15年、今も事故の収束の目途も立たない。被害者への補償もいまだに終わってはいない。避難指示が解除された地域(実際は放射線量はまだまだ高い)に戻ってこない避難者の支援を一方的に打ち切る。同時に若い家族の移住に優遇措置を講じている。局地的に一時的に除染しても、放射性物質を遮断することはできず、まさにだましのやり方だ。その事故当事者の東電が事故収束もできていないのに再稼働、それを認める原子力規制委、再稼働に前のめりの政府。実に犯罪的である。
原発再稼働を軸にしたエネルギー政策に終始する政府
原発事故を起こして、世界に放射能汚染をふりまいた日本なのに、政府は「最大限の原発活用」へと舵を切った。原発が安全だという根拠は何もないのに。そして、あろうことか、柏崎刈羽原発の首都圏への送電に伴って、東電は再生可能エネルギーの出力を制御した。制御したのは3月1日には184万キロワット、4月16日までに計11日間制御を実施。4月12日には463万キロワットに上った。
つまり、電力は再エネで十分まかなっているのだ。原発を稼働する必要性は全くないのに、再エネをストップさせてまで原発を再稼働して儲けるというのが東電の考え方である。事故に対する反省も教訓も何もない。大津波を予測しながら、金がかかるからと防潮堤も造らず、大事故を招いた東電という会社の体質は何も変わっていない。そして政府もまた、安全より企業の儲け第一の政治を変えようとしない。
原発の問題は山積みである
再稼働を次々強行しているため、使用済み核燃料は増えるばかりである。熱を持ち、放射線量も高い核燃料を冷やす国内17カ所の原発にあるすべての燃料プールの核燃料は、保存可能量の78%に達しているという。東電福島第一、関電大飯原発では90%、関電高浜、美浜、九電、玄海、東電柏崎刈羽各原発では80%を超えている。満杯になって運転できなくなるのは目前である。
六ヶ所再処理工場は27回も完成延期を繰り返している。稼働のメドは立たない。
原発を稼働すれば核のゴミも増える。最終処分地を早急に決めなければならない。政府は南鳥島に焦点を当てた。小笠原村の渋谷正昭村長は「国の責任で決めるべきだ」と容認し、村民の声を聞く姿勢はない。島の狭さ、海底構造の問題で地上施設も地下施設も建設が困難であることや、環境への影響、核のゴミの長距離輸送の困難さなどあり、不可能である。
原発を動かすメリットはなく、放射性物質拡散による汚染と被害を招くだけである。政府は持続可能なエネルギー政策を真剣に考え、原発からの脱却へと大きく舵を切るべきである。 (沢)