日本新聞
日本新聞 4540号記事 米軍と自衛隊が南西諸島に共同軍事施設を検討
「台湾有事」を宣伝し、日米合同軍の実現がねらい。軍事費も更に増額し、戦争準備進める日米。戦争ではなく平和で安心な暮らしが願い
世界がきな臭くなっている。ウクライナもパレスチナも戦争の真っただ中だ。何より大切なのは、停戦である。犠牲にストップをかけることだ。ところがなかなか停戦が実現しない。
日本はどうか。今、物価は値上げ値上げで、生活は苦しくなる一方だ。政府がやるべきことは、疲弊して苦しんでいる人々の生活を具体的に保障することだ。
ところが実際やっていることは、軍備増強、米軍との合同軍事演習である。そのために莫大な金が浪費されている。
今、「台湾有事」をアメリカが喧伝し、日本はアメリカの意向第一で南西諸島の軍事要塞化を進めている。米軍と自衛隊は対中国を意識して、沖縄県や南西諸島に、物資や装備品の備蓄・補修施設を整備する検討に入るという。既存の米軍・自衛隊基地内に整備して、米軍と自衛隊が共同使用するというのである。日米軍の一体化が進められていくのだ。
米軍は世界各地に装備品や食料、水、医薬品などを備蓄し、装備品を補修もできる施設を設けている。いつ、どこで戦争が起きても対応できる態勢を組んでいるのである。西太平洋では、相模総合補給しょう(相模原市)、米軍港湾施設の横浜ノースドック、キャンプ・キャロル(韓国)、米領グアムなど。東南アジアやオセアニアにも新たに整備。オーストラリアとフィリピンで整備に着手、シンガポールとタイ、パプアニューギニアとも協議。南西諸島に日米が共同使用する備蓄・補修施設を整備することで、日米合同軍が具体的に動き出す態勢ができる。つまり、日本がアメリカの世界戦力の下で、米軍の一部隊のように動かされるわけである。非常に危険な計画である。
軍事大国化に歯止めかけ、平和憲法を守ろう
政府は2023年から5年間で軍事費を総額43兆円に増やす計画を立て、すぐに予算に計上し、軍備増強を進めている。この間の兵器ローンが16兆円を超えているため、実際は約60兆円の軍事費である。現在世界10位の軍事費が、第3位の軍事大国にのし上がるのである。
そして今、某商業紙によると、軍事費が43兆円をはるかに上回る勢いで、予定より増えているというのだ。イージス・システム搭載艦はすでに2005億円も増額、今後も新型護衛艦FFM、輸送ヘリCH47、ステルス戦闘機F35Aなど次々値上げが報告されている。
一体誰が日本の軍事大国化を望んでいるのか。少なくとも私たちは何も聞かれてはいない。食料品や光熱費、ガソリン代など、値上げはとどまるところを知らず、生活は苦しくなっていく一方である。その中で決められていくのは軍備増強。軍事要塞化。一体誰のための政治なのか。
軍事費増も軍事基地建設も、どれもこれも憲法違反である。日本は二度と戦争しない、戦力を持たないという憲法9条を制定した。平和を守る日本国憲法は、世界の平和を求める国の模範となった。軍隊を持たないコスタリカも、憲法9条を手本としている。
ところが当の日本は、憲法9条を形骸化させ、葬り去ろうとしている。解釈改憲と称して、自国が攻撃されなくても、同盟国が危険になれば攻撃できる集団的自衛権の行使が可能と閣議決定。国会での審議もしない。そして、攻撃されなくても危険だと感じれば攻撃できる敵基地攻撃能力の保持も決めた。まさに戦争まっしぐらである。
軍備増強など必要ない。アジアの国々と力を合わせ、平和を築いていくことが未来への道である。 (沢)