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2023.08.16

日本新聞

日本新聞 4530号記事 平和を発信する沖縄に学び反戦を

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「台湾有事」宣伝し戦争に向かう動きに反対。「沖縄を東アジアの平和のハブとする」と訴える沖縄県民に学び、戦争を防ぐ平和・友好の道を

 日本の敗戦から78年、戦死した親や兄弟をしのぶ声が新聞紙上やテレビやラジオから流れてくる。どんなに月日が流れても親しい人を失った悲しみは消えない。ましてや戦争という不条理な状況の中で命を奪われた無念は、解決できるものではない。
 ところが78年経った今、日本政府は戦争へと向かう道をひた走っているのだ。岸田首相はG7の広島サミットで、「今日のウクライナは明日の東アジア」と言った。ロシアが中国、ウクライナが台湾として、「台湾有事」を避けられないものと言っているのである。
 果たしてそうだろうか。1978年に日中平和友好条約が結ばれ、「一つの中国」、台湾は中国内部の問題だと確認した。それなのに日本は今、中国の内政に干渉し、アメリカが声高に叫ぶ「台湾有事」を吹聴する。「台湾有事」つまり、中国が台湾を攻める事態になったら南西諸島も危ない、だから南西諸島に基地を造らなければならない、軍事費を増やし軍備増強しなければならない、というのである。
 これは正しいだろうか。台湾では8割以上が「現状維持」を意思表示し、独立派は増えていない。アメリカがこの独立派を刺激し、独立派が武力を使う強硬手段に出れば、中国がこれを制しにかかる。米軍が南西諸島からミサイルを撃って、独立派を支援する。南西諸島が戦場と化す。これが「台湾有事」である。つまり、アメリカや日本が事を起こさなければ「台湾有事」は起こらないのだ。
 「台湾有事に備えて軍備増強」ではなく、戦争を防ぐことを考える時なのである。

 平和への道を歩む時

 ソ連邦解体後、アメリカはアメリカの世界一極支配体制を築こうとした。そのためにはロシアと中国が邪魔になる。そこでウクライナのNATO加盟問題、ウクライナ東部住民弾圧問題でロシアを挑発した。そしてロシアはウクライナに侵攻した。アメリカ主導のNATOはウクライナに武器を供与して、戦争を長引かせている。
 次は中国を挑発してアジアで戦争を起こそうとしている。かつては“貧困のアジア・アフリカ”と言われたが、人口においても経済力においても、アジアやアフリカの国々はどんどん成長している。(日本を除いては)
 2022年の名目国内総生産は、1位がアメリカ、2位が中国、3位が日本、中国は日本の4倍である。アメリカのゴールドマンサックスの統計によると、50年後の1位は中国、2位はインド、3位はアメリカ、続いてインドネシア、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、ブラジルだという。その時、日本は12位に転落しているというのだ。
 今のうちに中国に打撃を与えておいて力をはぎ取りたいというのが、アメリカのもくろみである。日本はアメリカの戦略下で、滅びの道に進むのか。 
 琉球王国は戦争しない平和の歴史を築いていた。中国とは500年以上の友好の歴史をもつ。これに対して日本は明治維新後、特に、領土拡張を進めた。武力で琉球を併合し、朝鮮半島を植民地にし、中国大陸、アジアの国々を侵略した。
 沖縄県民は琉球王国の時と同じ、万国津梁=平和の架け橋になろうという考え方を変えてはいない。そして日本は今も侵略戦争時と同様、戦争へと向かっている。
 今大事なのは、戦争に備えるのではなく、戦争を起こさないことである。「台湾有事」宣伝に惑わされず、平和を克ち取る反戦の行動をしよう。       (沢)