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2025.01.01

日本新聞

原発も基地もノー、平和・命を守ろう

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4602号1面記事
原発も基地もノー、平和・命を守ろう

45年で軍事費は4倍、農林水産予算は60%に大幅減。ミサイル基地
は抑止力にならず、有事を引き起こす。反戦、命を守る政治に転換


 2024年の衆議院議員選挙は与党が惨敗し、過半数233議席に対して215議席と、大幅減となった。自公政権に嫌気がさして、政治を変えたいという有権者の思いは、最大野党立憲民主党に投じられ、立憲民主党は50議席増やして148議席となった。問題はここから野党が一致して、悪政を許さない政治のかじ取りができるかである。しかし、選挙直後からそれは期待できないことだと思われる事態となった。
 選挙中、“手取りを増やす”と公約した国民民主党は28議席獲得し、選挙後、「103万円の壁を検討するなら、与党と是々非々でやっていく」と与党にすり寄った。「103万円の壁を178万円に」と言いながら、与党側が「検討する」と言っただけで、2024年度の補正予算案に賛成した。自公と国民民主で過半数になるのだ。それに保守系の党や、日本維新の会など野党とは名ばかりの勢力が組めば、これまでどおりの悪政がまかり通ってしまう。
 国民民主が本当に暮しを良くしたいと思うなら、消費税を撤廃すべきだ。最も生活が苦しい世帯を苦しめているのは消費税である。少なくとも、食料品や生活必需品への課税を0にすべきだが、それは言わない。結局、与党の方針通りに手を貸す役割を果たしている。

2025年予算案に見る
  命を守らない悪政

 昨年12月27日、政府は2025年予算案を閣議決定した。予算総額は約115兆5000億円で過去最大を更新。4分の1を国債に頼る借金財政、破たん財政だ。
 歳出を見ると、社会保障費が38兆2778億円、少子高齢化社会で社会保障費が増えるのは避けられない。次に防衛費8兆6691億円、これが問題である。防衛のためになぜこれほどの莫大な予算が必要なのか。防衛ではないからである。攻撃用の戦闘機やミサイルを法外の値段で購入し、ミサイル基地も日本各地、特に南西諸島に集中して建設。シェルターまで建設し、今にも日本が外国に攻撃されることを想定しての避難訓練。実際、日本が攻撃される危険性は考えられない。日本が基地を造り砲弾を向けて威嚇することが、有事を引き起こす。
 国債費は28兆2179億円で過去最大。これでは、借金が雪だるま式に膨れ上がるだけである。歳入を見直さなければならない。
 歳入を見ると、まず国債を28兆6490億円発行している。こんなことを続けていては、財政破たんはいつまでも解決されない。
 税収が78兆4400億円で過去最大だというが、税収のトップは消費税で24兆9080億円だ。食費も削って生きている低所得者からも、否応なく取る消費税が増えているからと喜べることではない。
 法人税は19兆2450億円。これも前年より増えている。1991年のバブル全盛期の時で16兆5951億円である。今、円安で企業の業績は大幅に上がっているのだ。特に輸出企業は、日本の製品の価格を安く設定して販売できるために、競争力が高まって、売り上げを伸ばしている。企業が貯め込んでいる内部留保金は、2023年度末で600兆円を超え、過去最高を更新した。
 企業への優遇税制をやめ、正当に課税すれば、大幅に税収を増やすことができる。もちろん内部留保金にも課税すべきである。
 防衛費8兆6691億円と比較して、最低賃金引き上げ関連予算15億円、子育て世帯支援予算792億円、進学支援予算180億円はあまりにも少ない。生活のため、子どものための予算を増やすべきである。
 そして農林水産予算は1980年には3兆5800億円だったものが、44年経った2024年には2兆2706億円と減っているのだ。一方、防衛費は、1980年の2兆2300億円から2024年には7兆9400億円と、どんどん増やされてきた。
 その結果、米や野菜を作る農家が毎年減っている。農林水産予算が大幅に減らされていることからも、農家の窮状が見える。
 いくらアメリカのガラクタ兵器があっても、生きていかれない。日本の農家は食料を自給自足できるだけの能力があるのに、食料自給率はわずか38%。このままでは日本の未来は真っ暗である。
 野党は年明けの予算審議で徹底追及し、予算を組み直させなければならない。
 戦争ではなく平和を、アジアの国々と平和への連帯を築く政治への転換が急務である。そのために声をあげ、行動しよう。
         (沢)