日本新聞
長射程弾の九州配備は戦争準備
4614号1面記事
長射程弾の九州配備は戦争準備
日本を守るためではなく、戦争に突入するための大軍拡。中国をはじ
めとしたアジアの国々との友好・連帯こそが日本の取るべき進路
政府が長射程ミサイルの先行配備先を九州とする検討に入ったと、3月15日、発表した。
これに対して、3月21日、「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」など10団体が、配備計画の撤回を求める石破首相宛ての要望書を陸上自衛隊に手渡した。
全国130の弾薬庫計画があるが、これは長射程ミサイルの貯蔵が目的で、北海道、青森、京都、大分、鹿児島、沖縄などに計画されている。全国が戦場にされる計画なのである。
長射程ミサイルは、射程1000キロ~3000キロで、現在、開発が進められている。東京から北京まで2104キロ、平壌まで1143キロ、朝鮮共和国や中国沿岸部が射程内に入るのだ。
政府は“台湾有事に備えて日本を守るため”と言うが、果たしてそうだろうか。ミサイル基地を南西諸島に次々構築し、長射程ミサイルを配備することが戦争抑止になるか。ミサイルの射程に入る朝鮮や中国が日本に対して警戒心を強めるのは当然である。事実、朝鮮共和国はすぐさま非難声明を出している。抑止どころか、“日本が攻撃態勢に入った”と認定されることになる。
もともと「台湾有事」はアメリカが言い出したことである。アメリカは日本を心配して言ったことではない。すでに経済的にも、国際社会における影響力においても、中国はアメリカより優位に立っている。それを阻止するために「台湾有事」を煽り立てているのだ。しかも、犠牲にするのはアメリカの青年達ではなく、日本の青年達にする作戦である。
そしてミサイル基地が構築されている南西諸島の住民達も犠牲にされる。政府の「避難計画」を見ると、棄民政策が明らかにされている。
沖縄県全域を「要避難地域」とし、先島諸島5市町村の住民約12万人、観光客約1万人を最短6日間で航空機・船舶で九州・山口県に避難させ、沖縄島の130万人は「屋内退避」としている。6日間の避難も非現実的ではあるが、もし「有事」に航空機や船舶で住民を避難させれば、攻撃される可能性も高い。沖縄島の「屋内退避」は避難させないということだ。
伊豆諸島・新島で長射程ミサイルの発射試験の事実
長射程ミサイルの配備が発表される前に、伊豆諸島の新島の自衛隊ミサイル試験場で、長射程ミサイルの試射が行われていたのである。2024年10月から11月にかけて、5回にわたっての発射試験である。このことにマスコミは口をつぐんでいる。
また、米軍と一体で行われる「自衛隊統合演習」は、自衛隊約3万人、車両約3500両、艦艇約20隻、航空機約210機、米太平洋艦隊・陸軍・空軍・海兵隊約1万人の大規模軍事訓練となっている。これは明らかに周辺諸国に対する挑発行為であり、「有事」を引き起こすものである。
今、日本に住む人々の暮らしは実にひっ迫している。ガソリン、日用品をはじめ、何から何までどんどん値上げされ、賃金は何も上がらない。職の保障すらない。給食が唯一の食事だという子ども達もいる。このような中で必要なのは、軍事費ではない。生活支援であり、生きられる施策である。生活必需品への消費税撤廃はすぐさま行わなければならない。
政府は、戦争しない、飢えさせない政策を打ち出すのが最優先である。 (沢)