日本新聞
柏崎原発、原発再稼働容認に抗議
4650号1面記事
柏崎原発、原発再稼働容認に抗議
新潟県知事に続き北海道知事も原発再稼働容認。政府の「原発最大限
活用」方針が根本問題。住民の声を聞かない地元合意は成り立たない
北海道の鈴木知事が北海道電力泊原発3号機について、11月28日の道議会で「原発の活用は、当面取り得る現実的な選択」と再稼働を容認した。
道の他に原発立地・周辺4町村のうち、岩内町長も同日、再稼働同意を表明した。泊村、共和町、神恵内村はすでに同意を表明している。これを受けて鈴木知事は「地元の判断を重く受け止めた」と言っている。
しかし、これが地元の判断だろうか。首長の同意がイコール地元の判断と言えるのか。知事は12月の定例会で審議して決めたいとしている。
11月28日、道庁前には市民約90人がかけつけ、「泊原発、再稼働させないぞ」「鈴木知事は道民の声を聞け」と再稼働に反対した。
北海道電力は、3号機稼働で家庭の電気料が1か月1000円下がり、1、2号機も動けば更に値下げできると言っている。2030年前半には3基すべてを稼働させるのが目標だとしている。しかし、北海道は自然が豊かで、太陽光、風力発電の導入が進んでおり、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は4割で、全国で最多である。今後、道内で電気を使いきれなくなるため、本州に電気を送る海底送電線をつくる計画まであるという。北電は2019年にLNG(液化天然ガス)火力の石狩湾新港発電所1号機も稼働させている。2033年までに2、3号機も稼働させる計画だ。
つまり、原発を動かさなければならない根拠は全くないのである。
新潟でも市民は再稼働に反対
新潟県の花角県知事が東電柏崎刈羽原発再稼働を容認したのが11月21日。東電が事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型原発で、再稼働は断じて認められないしろものだ。花角知事は「12月の県議会で信任か不信任かの判断を仰ぎたい」と言っている。信を問うなら、県知事選に出るべきなのに、県議会に「信を問う」やり方への批判の声が上がっている。
11月25日、約1200人の市民が新潟県庁と県議会庁舎を取り囲む「人間の鎖」を実施。市民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」の呼びかけによる行動だ。同団体は県民投票で再稼働の是非を問うべきだと訴えてきた。福島事故の被害者であり、被害者団体連絡会共同代表の武藤類子さんもかけつけ、「2011年に東電が起こした原発事故は収束していない。帰還困難区域、避難者、生活再建できない住民が今も存在する。花角知事は福島を視察に来たが、何を見たのか。福島の被害者のような目に新潟県民を遭わせないでほしい」と訴えた。
最優先されているのが県民の命や安全ではなく、背後に利権がうごめいているのが見え隠れする。最も問題なのは国の姿勢である。原発の危険性は何も変わっていないのに、エネルギー政策で「最大限、原発を活用」としたことだ。電力各社はそれに力を得て、再稼働の計画を進めている。
福島第一原発は今も緊急事態宣言が発令されたままだ。事故の収束のガイドラインも立てられないでいる。毎日4000人以上の作業員が、廃炉のために危険な被ばく作業に従事している。事故により甲状腺がんを発症した子どもは、400人をはるかに超えている。いまだに事故との因果関係は認められていないため、何の補償もない。福島の事故の原因究明もなされないまま、再稼働に前のめりの政府。
核と人類は共存できない。それが福島の事故から学ぶべきことである。命を最優先に考え、原発再稼働ではなく、原発からの撤退こそが急務である。 (沢)