日本新聞
外国人排斥ではなく共生のための政策を
4651号1面記事
外国人排斥ではなく共生のための政策を
「排外主義と一線を画す」と言いながら排外主義一色の外国人政策。外国人労働者、外国人観光客で成り立つ日本で必要なのは共生の道
参院選で参政党などの右派勢力が外国人排斥を叫び、自民党の中でも右寄りの高市首相誕生で、排外主義がますます強化されようとしている。
昨年末時点で日本には約376万人の外国人がいる。外国人の観光客は昨年3687万人。いずれも過去最多である。
日本の人口は年々減少し、昨年の減少は90万人にのぼる。こうした現状から、外国人労働者がいることで、日本は成立していると言える。また、観光客によって、日本の経済も成り立っている。外国人労働者確保のために政府は「技能実習生」制度を導入し、外国人の受け入れを拡大した。しかし、「技能実習」とは名ばかりで、日本語習得については無策で酷使。「技能実習生」の中には失踪する者も出、自殺に追い込まれる人もいた。2027年度から「育成就労制度」に移行するというが、外国人蔑視の本質は変わらない。
12月4日、「外国人材の受け入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」の初会合が開かれ、外国人政策を2026年1月にまとめるとした。高市首相は自らの外国人政策について「排外主義とは一線を画す」と枕詞のように言うが、在留資格審査の厳正な運用など強制送還につながるものである。共生の視点は全くない。
スケープゴートという言葉がある。不満や憎悪を他にそらすために罪をかぶせられる対象のことである。今、物価高、低賃金などで生活が苦しい。それを外国人のせいにする宣伝が行われる。“外国人がルールを守らない”とゴミ出しを例に出す。これについてはポスターで例示することで解決した例が各所である。知らないからやらないことを、秩序を守らない輩であるように宣伝し、怒りの矛先が外国人に向くようにする。参院選で参政党は「外国人は優遇されている。生活保護は支給すべきでない」と全く根拠のないことを公言した。厚労省は「優遇の事実はない」と反論している。
高市政権の外国人排外策を阻止しなければならない。
川口市が外国人取り締まりセンター設置へ動く
川口市には1990年代から、トルコでの迫害や紛争から逃れてきたクルド人2000〜3000人が暮らしていた。市民とクルド人は平穏に生活していた。
ところが2023年の入管法改悪に伴い、川口のクルド人コミュニティがヘイトスピーチの対象とされ、口汚いヘイト攻撃が激化した。川崎で2019年12月に全国初でヘイトスピーチに最高50万円の罰金を科す条例が可決されたことで、ヘイト団体が川口に拠点を移したと思われる。
そして今年1月に戸田市議に当選した日本大和党の河合悠祐議員がヘイトの急先鋒になり、排外主義を強めている。「外国人の犯罪が増えて治安が悪くなる」「外国人は簡単に生保がもらえる」など言いたい放題にデマを振りまいている。
4日、川口市長、地元県議、市議らが「川口市外国人政策センター(仮称)」設置に向けた支援を国に要望した。入管庁や警察との連携強化、入管法違反に対する取り締まり強化などを強調している。クルド人を安全を脅かす存在と決めつけ、強制送還などに拍車をかけるものだ。
日本の難民認定率は昨年で2.2%と諸外国に比べて極端に低い。難民に認定されず国外退去を拒む人は約3000人である。難民として認めず不法滞在者へと追い込んでいるのだ。現在、「不法滞在者ゼロプラン」で強制送還が行われている。
少子高齢化の日本で外国人の存在は必要である。政府は外国人排斥ではなく、共生社会を築く政策を打ち出すべきである。外国人への差別、人権無視の政策を阻止しなければならない。 (沢)