日本新聞
政府は新基地建設を中止すべき
4654号1面記事
政府は新基地建設を中止すべき
軟弱地盤地帯に土砂投入強行、砂杭工事も再開。無謀な工事はすぐさま止めるべき。新基地造り「普天間も使用続行」と米軍幹部が明言
11月28日、政府は辺野古東側の大浦湾に埋め立てのための土砂投入を始めた。そして12月19日には、6月に中止していた砂くい打設工事を再開した。
大浦湾側にはマヨネーズ状の軟弱地盤が広がる。軟弱地盤は水深70メートル、最も深い所では水深90メートルに及ぶ。日本では水深70メートルの地盤改良をやったことはないし、水深90メートルの地盤改良工事は日本の地盤改良工法では不可能である。このため、政府は地盤改良を水深70メートルまでにするという。では20メートル軟弱地盤がそのまま残るところもあり、砂杭を打っても、それがズブズブ沈んでしまう可能性もある。これでは地盤改良にならず、非常に危険だ。
自然の宝庫・大浦湾の破壊は許されない
大浦湾は自然の宝庫である。ジュゴンなどの絶滅危惧種262種を含む5300種もの生物が生息する生物多様性の典型とも言える海だ。世界的にも「保護すべき海域」に指定されている。その豊かな海に土砂を投入し、砂くいを打ち込むのは、海を殺す行為である。破壊された生態系は容易には元に戻らない。サンゴが生き生き生息でき、ジュゴンが悠々と泳ぐ海を壊してはならない。
軟弱地盤に基地建設の無謀
2003年、基地を視察した米国防長官は「世界一危険な米軍基地だ」と言った。それもそのはず、普天間基地は住宅密集地域のど真ん中に存在する。近くには小学校や保育所など、子ども達の遊び場、学び舎がある。いつ何が起きるかわからない危険と隣り合わせに置かれている。
「普天間基地の一日も早い危険性の除去」を名目に、辺野古新基地建設が強行されている。しかし、辺野古は普天間の代替えにはならない。普天間の滑走路は2800メートル、辺野古は1200メートルしかない。つまり、辺野古は垂直離着陸のオスプレイ専用飛行場だ。辺野古が代替にならないことは米軍幹部の「辺野古ができても普天間を引き続き使いたい」という言葉にも示されている。
大浦湾の軟弱地盤改良には7万1000本もの砂杭を打ち込むという。現在までに打ち込んだ砂杭はわずか2900本。政府は辺野古新基地完成メドは早くても2037年と言っている。オスプレイの運用は2055年までとされており、辺野古新基地が完成したとしても何年も使わずに全く無用になるのは明らか。政府は辺野古建設費を約9300億円としている。ところが現在、埋め立ては16%しか進んでいないのに、工費は57%も使っている。総工費は9300億円の倍以上になる見込みだ。
沖縄県は辺野古新基地について、
•膨大な費用がかかる
•普天間の危険性の除去につながらない
•完成しても安定的な運用に懸念
•国の予算執行としての合理性を欠いていると指摘している。
日本全土のわずか0.6%の面積の沖縄に、在日米軍基地の7割が集中している。これがそもそも理不尽だ。1972年の本土復帰から2024年末までの米軍による犯罪は6308件。そのうち殺人・不同意性交などの凶悪犯罪は594件、航空機関連事故は930件。沖縄県民は日本に復帰してからも、いつ何が起きるかわからない不安な日々を送らされているのだ。
沖縄戦で沖縄を捨て石にしたのは過去のことではなく、今も変わっていない。そして今、沖縄だけではなく南西諸島の島々にミサイル基地を造り、島民が戦争に巻き込まれる惨事を引き起こそうとしている。
二度と戦争を繰り返してはならない。辺野古新基地建設は早急にやめるべきである。 (沢)