日本新聞
排外主義ではなく共生、不戦貫こう
4655号1面記事
排外主義ではなく共生、不戦貫こう
閣議決定された2026年度予算案に見る、軍備増強で戦争への準備進める危険な政治。暮らしと命守る政治への転換求め反戦運動の前進を
2026年の幕が開けた。新しい年、希望の幕開けと言いたいところだが、実際は程遠い。昨年7月の参院選では、“日本人ファースト”と外国人排斥を叫ぶ参政党などの勢力が議席を増やした。そして10月には自民党の中でも右、タカ派と言われる高市首相率いる政権が誕生した。
昨年12月26日、2026年度予算案が閣議決定された。この予算案が高市政権の本質を示している。
一般会計の歳出総額は122兆3092億円と過去最多である。新規国債発行額は29兆5840億円、普通国債残高は2026年度末で1145兆円に達する見込みだという。「責任ある積極財政」と言うが、これほどの借金財政に一体どうやって責任を持つというのか。
政府は税収が83兆7350億円と前年から5兆9160億円増える見通しだという。企業の業績好調による法人税増と、物価高による消費税の大幅な伸びによるものだという。つまり物価高で値上げしたものが多く、それに伴って消費税も多く取られているのだ。消費税収は26兆6880億円で過去最高となった。貧しいものから消費税を搾り取っておいて、“税収が増えた”と喜ぶ政府。過去最高の消費税額は過去最大の収奪を意味している。今後、消費税引き上げもやりかねない政権である。
天井知らずの軍事費は戦争への道
特筆すべきは軍事費大幅増である。2026年の当初予算で軍事費は9兆353億円にのぼっている。うなぎのぼりである。これほどの軍事予算を何に使うのか。
なんと敵基地攻撃能力のために、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ防衛能力」を強化するとして、9773億円をあてている。約1兆円の巨額である。地上から敵艦艇をねらう対艦誘導弾、音速の5倍(マッハ5)以上で飛ぶ極超音速誘導弾等々。その他にも沿岸防衛強化のために、大量のドローン取得などを予定しているという。どれもこれも防衛ではない。攻撃のための軍備増強である。
敵とは誰のことか。沿岸防衛と言うが、襲ってくるのは誰か。
高市首相のように「『台湾有事』は存立危機事態」などと挑発し、南西諸島にミサイル基地を建設するから、警戒されるのである。「台湾有事」はアメリカが、中国と日本や韓国が戦うようにする戦略である。それに乗って、日本の若者が無惨に命を散らさせられる先の戦争の二の舞を踏むことは、絶対にしなければならない。
外国人排斥ではなく共生の道へ
12月26日、政府は外国人に対するビザを現行の5倍(1回限りの入国で1万5000円、複数回入国で3万円を軸)に引き上げる方針を示した。これから金額を正式に決めるという。外国人、特に日本に居住している外国人にとっては大きな負担だ。
これだけではなく、高市政権はこの1月中にも基本的な方向性を取りまとめるとしている。「在留資格のあり方や帰化の厳格化」「医療費の不払いと入国審査との連動」など、在留資格取り消し条件を拡大し、帰化条件を厳しくする、医療費を払えない経済状況を配慮せず、在留資格取り消しなど、外国人を追放することに的を絞った改悪を決めようとしているのだ。
日本の少子高齢化は深刻で、日本人の人口は年々ペースを速めて減少している。昨年は一昨年にくらべて約90万人の減少である。このような中で、日本は外国人労働者がいなければ成り立たないのが現実である。外国人の人権を尊重し、共に生きていける社会にしていくのが筋なのに、外国人を差別し迫害するのは間違っている。
少子高齢化はなぜ加速しているのか。安心して子どもを育てられる環境にないからだ。日々、必死に働いても苦しい生活の中で、結婚し子どもを産み育てることはままならない。政府が命や暮らしを守る政策を行わないからだ。政府は子育て支援を行うと言うが、そのために高齢者からも費用を徴収する、これはおかしい。子育て支援という名目で、他の人の負担を増やすのでは元も子もない。国の予算で保障すべきだ。軍事費増をやめれば十分可能なことである。
政治の理不尽に目を向けさせないために、まるで外国人が敵であるかのように思わせる宣伝がまかり通っている。共通の「敵」を作って日々の生活の苦しさの原因がそこにあるように思わせる。私たちはその宣伝から抜け出さなければならない。
日本の農家に米や野菜を作ることを保障し、日本に住む人々の食を備蓄も含めて確保する、それが政府の第一にやるべきことだ。ところが日本の農家を保障せず、企業による輸出する大規模農業、AIやドローンなどの農業を推進する政府。
政治を変えなければならない。2026年、政治の理不尽に声をあげる年にしていこう。 (沢)