News

お知らせ

2026.02.04

日本新聞

昨年の小中高生の自殺過去最多に

SHARE

4659号1面記事
昨年の小中高生の自殺過去最多に

不登校も増加の一途、教師の自殺・精神疾患も増えている。子どもの心をはぐくむ場とは程遠い学校現場、心の通う場への改革は急務

 2025年の小中高生の自殺は532人で、統計のある1980年以降最多となった。日本では、10代20代で亡くなった人の死因で最も多いのが自殺だという。このような国はG7の中でも日本だけである。10代20代の若い層が、生きる希望を見いだせずに自ら命を絶っている。この深刻な事態について今、真剣に考えていかなくてはならない。
 コロナ前の2019年と2025年を比較すると、自殺者数は中学生で2倍に、高校生で2.2倍に急増している。コロナで学校も休校になり閉塞感から抜け出すことも出来ず、将来に絶望する。あるいはしばらくぶりに学校に行って、いじめや差別などを受け、絶望する。一番残念なことは、苦しい時に相談できる友達がいないことである。解決の糸口も見いだせず、死に追い込まれてしまう。
 不登校の児童生徒も増えている。2024年の小中高生の不登校は42万1752人にのぼる。小学生13万7704人、中学生21万6266人、高校生6万7782人。42万人もの子どもが学校に行っていないのである。最近目につく学校側の姿勢は「無理して学校に来なくていい」「学校が合わなかったら転校すればいい」だ。なぜ学校に来ないのか、何が問題なのか、学校に問題はないのか一切考えようとしない。この結果、不登校は毎年増え続けている。
 一方で教師も苦しんでいる。
 2024年に精神疾患で休職の教員は7087人で過去最多となった。6割以上が女性で、30代が最も多く、20代も増えている。休職者の45%が教員になってから2年未満だという。そして、休職者の2割が退職している。教師自身も闇の中に追い込まれている。

 心をよみがえらせる教育現場への改革を

 学校に行かないことや転校することで問題は解決しない。子どもは集団の中で育つ。日々、いろんな矛盾がありながら、話し合って解決していく。自分のやったことや言った言葉が、相手を傷つけてしまうものだったと気づいて、成長していく。それが今の教育現場ではなくされている。
 子どもは苦しいことや悲しい思いをした時に、それを発信している。しかし、教師がそれを受け止めることができない。教師の過重労働が問題になっている。指導案やさまざまな書類提出に追われ、家に帰ってからも仕事せざるを得ない。また、保護者からのクレームへの対応で、若い教師がノイローゼになってしまうケースもある。「大学で教員免許を取ったけど、モンスターペアレントの問題があるから教師にはならなかった」と言う若者もいる。ベテラン教師が、新任教師を助けもせず、「ちゃんとやれ!」と言うばかりで、若い教師が元気をなくして辞めてしまったという実例もある。
 教師が追い詰められた状態では、子ども達が発信している思いに気づくことも出来ない。クラスの中のいじめや暴力にも気づけず、子どもが自殺してしまうケースも多い。
 ある小学校の校長は「若い先生が保護者からのクレームに“すみません”と謝っている。私は“自分が悪いと思ったら謝れ。そうでないなら謝るな。その時は私も出ていくから”と言っている」と話していた。校長先生がこうしてサポートしてくれるなら、いわゆるモンスターペアレントを恐れて小さくなることもない。
 学校は社会の縮図である。子どもたちの中にある差別と真っ向から立ち向かい、解決していく中で、子どもたちの友情、教師に対する信頼も生まれる。子どもたちを差別から解放する教育への改革が求められる。それが、子ども達が自ら命を絶つ、この闇を切り拓くことである。  (沢)