日本新聞
衆院選、軍備増強の自民が3分の2超
4660号1面記事
衆院選、軍備増強の自民が3分の2超
裏金問題、旧統一教会との追及を避け選挙に打って出た自民。マスコミは総力で「高市人気」を大宣伝。戦争につながる改憲阻止
衆院選の結果は、自民が316議席で3分の2を超えた。維新は36議席で、自民・維新で352議席となった。中道は前回167議席から49議席と惨敗した。
高市政権のもくろみ
衆院は改選後わずか1年3カ月しか経っておらず、今、選挙を行う必要は全くない。前回の衆院選は740億円以上の経費をかけている。
では何のための選挙だったのか。「旧統一教会が、2021年の衆院選で自民議員290人を応援した、高市首相の名前もあった」と昨年末に韓国紙で報じられた。今後の国会審議で、裏金問題、旧統一教会と自民党との癒着問題が問われることは必至だった。そこで打って出たのが今回の衆院選であった。
度重なる物価高で食費を切り詰めてようやく暮らしているのに、選挙で700億円も800億円も税金を使う選挙はやるべきではない。しかも北海道、東北だけではなく、北陸、山陰も大雪。雪で商店街のアーケードがつぶれたり、死傷者が出ていて、選挙どころではない地域が多かった。
それでも「高市人気」が高いうちに選挙をやって、自民単独過半数をねらったのだ。そしてマスコミは連日、「ふわっとした高市人気」などと総力で援護射撃した。マスコミの犯罪的な役割は看過できない。
改憲の動きに歯止めをかけよう
衆院465議席のうち、自民・維新が352議席、野党が113議席となった。高市首相のねらいは単独過半数を超えて、次々提出法案を通したいというものだった。単独3分の2を超えた今、それが可能になった。過半数を超えていない参院で否決された法案も、衆院で再可決できるのである。
また、憲法改正の発議は、「憲法改正原案」を国会に提出し、衆参両院の憲法審査会で審査、衆参各本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決、この流れで発議。その後、国民投票で有効投票の過半数で決定。
自民党が考えているのは、憲法9条の形骸化である。憲法9条に自衛隊を組み込めば、その前の不戦や戦力不保持より、後に決めたものが優位になる。今も憲法の解釈改憲で、集団的自衛権(相手は攻撃してこなくても危険だと判断すれば攻撃できる)を容認している。邪魔な憲法9条を葬り去ろうとしているのである。軍事費を大幅に増やして、南西諸島を始め全国に基地を建設し、戦争の準備を進めている。憲法9条を無力化し、戦争を合法化しようとしている高市政権に、一層の警戒心を強め、その本質を見極めていかなくてはならない。
高市首相は積極財政などと言って、あたかも私たちの生活を良くしてくれるような印象を振りまいている。しかし、選挙中の演説にも明らかなように、高市首相の目は大企業の儲けに向いており、市民の生活など眼中にない。1月31日の川崎市での街頭演説で「(外国為替資金特別会計)の運用が今ホクホク状態だ。輸出産業にとっては大チャンス」と語り、物価高で苦しんでいる市民を顧みない発言だ。アメリカではニューヨークのマムダニ市長など、「1%のための政治ではなく99%のための政治」を訴え、市民が生きられる政策を打ち出す勢力が台頭してきている。高市首相はまさに「1%のための政治」を主張し、企業の儲け拡大を手放しで喜んでいるのだ。
総選挙で勝っても、高市首相の、台湾を日本の植民地とみなす「存立危機事態発言」を消すことはできない。発言を撤回し、中国に謝罪し、首相をやめるしか解決の道はない。
戦争を合法化する憲法改悪を断固阻止する運動を、強めていく必要がある。また、沖縄選挙区がすべて自民議員になったことで、辺野古新基地建設に拍車がかかることにも警戒し、阻止していかなくてはならない。 (沢)