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2025.12.31
日本新聞
政府は新基地建設を中止すべき
4654号1面記事
政府は新基地建設を中止すべき
軟弱地盤地帯に土砂投入強行、砂杭工事も再開。無謀な工事はすぐさま止めるべき。新基地造り「普天間も使用続行」と米軍幹部が明言
11月28日、政府は辺野古東側の大浦湾に埋め立てのための土砂投入を始めた。そして12月19日には、6月に中止していた砂くい打設工事を再開した。
大浦湾側にはマヨネーズ状の軟弱地盤が広がる。軟弱地盤は水深70メートル、最も深い所では水深90メートルに及ぶ。日本では水深70メートルの地盤改良をやったことはないし、水深90メートルの地盤改良工事は日本の地盤改良工法では不可能である。このため、政府は地盤改良を水深70メートルまでにするという。では20メートル軟弱地盤がそのまま残るところもあり、砂杭を打っても、それがズブズブ沈んでしまう可能性もある。これでは地盤改良にならず、非常に危険だ。
自然の宝庫・大浦湾の破壊は許されない
大浦湾は自然の宝庫である。ジュゴンなどの絶滅危惧種262種を含む5300種もの生物が生息する生物多様性の典型とも言える海だ。世界的にも「保護すべき海域」に指定されている。その豊かな海に土砂を投入し、砂くいを打ち込むのは、海を殺す行為である。破壊された生態系は容易には元に戻らない。サンゴが生き生き生息でき、ジュゴンが悠々と泳ぐ海を壊してはならない。
軟弱地盤に基地建設の無謀
2003年、基地を視察した米国防長官は「世界一危険な米軍基地だ」と言った。それもそのはず、普天間基地は住宅密集地域のど真ん中に存在する。近くには小学校や保育所など、子ども達の遊び場、学び舎がある。いつ何が起きるかわからない危険と隣り合わせに置かれている。
「普天間基地の一日も早い危険性の除去」を名目に、辺野古新基地建設が強行されている。しかし、辺野古は普天間の代替えにはならない。普天間の滑走路は2800メートル、辺野古は1200メートルしかない。つまり、辺野古は垂直離着陸のオスプレイ専用飛行場だ。辺野古が代替にならないことは米軍幹部の「辺野古ができても普天間を引き続き使いたい」という言葉にも示されている。
大浦湾の軟弱地盤改良には7万1000本もの砂杭を打ち込むという。現在までに打ち込んだ砂杭はわずか2900本。政府は辺野古新基地完成メドは早くても2037年と言っている。オスプレイの運用は2055年までとされており、辺野古新基地が完成したとしても何年も使わずに全く無用になるのは明らか。政府は辺野古建設費を約9300億円としている。ところが現在、埋め立ては16%しか進んでいないのに、工費は57%も使っている。総工費は9300億円の倍以上になる見込みだ。
沖縄県は辺野古新基地について、
•膨大な費用がかかる
•普天間の危険性の除去につながらない
•完成しても安定的な運用に懸念
•国の予算執行としての合理性を欠いていると指摘している。
日本全土のわずか0.6%の面積の沖縄に、在日米軍基地の7割が集中している。これがそもそも理不尽だ。1972年の本土復帰から2024年末までの米軍による犯罪は6308件。そのうち殺人・不同意性交などの凶悪犯罪は594件、航空機関連事故は930件。沖縄県民は日本に復帰してからも、いつ何が起きるかわからない不安な日々を送らされているのだ。
沖縄戦で沖縄を捨て石にしたのは過去のことではなく、今も変わっていない。そして今、沖縄だけではなく南西諸島の島々にミサイル基地を造り、島民が戦争に巻き込まれる惨事を引き起こそうとしている。
二度と戦争を繰り返してはならない。辺野古新基地建設は早急にやめるべきである。 (沢)
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2025.12.24
日本新聞
朝鮮学校無償化除外抗議行動600回
4653号1面記事
朝鮮学校無償化除外抗議行動600回
高校無償化から15年、その間続け
た金曜行動が600回目に。1000人以上
が文科省前に結集。「差別に反対し勝つまで闘い続ける」の声響く
12月19日、文科省前で、朝鮮学校無償化除外抗議の第600回金曜行動がおこなわれた。1000名を超える朝鮮学校生、在日朝鮮人の皆さん、そして朝鮮差別に反対する日本人が結集した。
高校授業料無償化が決められたのは2010年。2013年、第二次安倍政権発足から1年後、朝鮮学校は無償化から正式に除外された。全くひどい話である。その後決められた2019年10月からの幼保無償化からも、朝鮮学校のこども達は除外された。
この理不尽に対して、朝鮮大学校の学生たちの呼びかけで、2013年5月31日から、毎週金曜日に抗議行動を続けている。今回が実に600回目の金曜行動である。朝鮮学校からもたくさんの生徒たちがかけつけていた。600回も抗議し続けて尚、日本政府は朝鮮学校除外を一向に改めようとしない。すべての子どもが等しく教育を受ける権利を有する、憲法にも明記されているこの権利を朝鮮学校のこども達にも認めるべきなのは当然である。
歴史を教えず差別する日本
日本になぜ朝鮮の人々がいるのか、それを知らない日本人が多い。日本はアジアの国々を侵略し、朝鮮半島を植民地支配した。日本に強制連行され強制労働させられたり、土地も奪われ、母国で生きられなくなって日本に来た人もいる。戦争にかり出された人もいる。
そして戦後、祖国に帰ることも出来ず、日本で暮らしているのである。日本に住む朝鮮人、韓国人の人々を、日本政府は責任をもって補償しなければならない。日本政府は文化や朝鮮の言葉をも認めず、植民地支配以来、ずっと虐げ続けているのである。補助金もカットされ、朝鮮学校に子どもを通わせる親の負担は大きい。しかし、民族の文化や言葉を子ども達に伝えたい、誇り高い人間に育てたいと朝鮮学校に通わせているのである。日本では真実の歴史、特に加害の歴史を教えないため、朝鮮学校のこども達を差別する心無い言葉が投げつけられる事態になっている。差別政策に反対する連帯の輪を広げていきたい。
差別に堂々と抗議する朝鮮学校生の誇らしい姿
朝鮮学校の高校生、朝鮮学校の学生、卒業生が次々訴えた。
「朝鮮学校では母国語である朝鮮語を学び、朝鮮の歴史や文化を学びます。私はまだ一度も朝鮮に行ったことはないけど、朝鮮人として誇りを持って生きていくために学んでいます。日本社会において、差別的な発言や行動は後を絶ちません。日本政府が朝鮮学校を無償化から除外し差別をより深刻なものにしていると感じてなりません。私は朝鮮人である自分を誇りに思っています。朝鮮学校にも無償化を適用せよ!」
「第二次安倍政権の時、朝鮮学校の無償化からの排除が決められた。安倍首相は美しい国日本、希望の国日本と言った。朝鮮学校を無償化から除外して、民族の尊厳を否定することが、美しい国日本のあり方なのか。子どもたちの未来を奪うのが果たして希望の国日本のあり方なのか。勝利をつかみ取るその日に向かって、最後まで闘い続けます」
「私が前回、この場で発言したのは6年前、当時大学生だった。高校を卒業してから10年、私は結婚し、今年、父になった。この10年、金曜行動に参加しながら、金曜行動は勝つまでやる行動なんだと思っています。日本政府は我々が疲弊して、この問題を忘れてしまうことを願っている。これからもしんどくても笑って、金曜行動を続けましょう」
実に頼もしく誇り高い青年達だ。朝鮮学校は見事に民族の後継ぎを育てていると実感する。正しい歴史を教え、友好連帯の心を育ててこそ、日本の若者も実際を見る人間に育つ。それがアジアの平和につながる。
朝鮮学校のこども達と連帯することは、私たち一人一人が人間として生きていく生き方である。
(沢)
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2025.12.17
日本新聞
軍事費拡大の巨額補正予算案衆院通過
4652号1面記事
軍事費拡大の巨額補正予算案衆院通過
国民民主も公明も賛成、野党とは名ばかりの実態。物価対策かたるが限定的な一時しのぎ。米軍需産業潤す軍事費増で暮しは守れない
11日、衆院本会議で2025年度補正予算案が可決された。
高市首相は補正予算案を物価高に対する対策としているが、物価高対策としても問題大ありである。そして何より、今年度中に軍事費をGDP比2%達成という、トランプ米大統領との約束を果たすために防衛費1.7兆円を盛り込んでいる。
そもそも補正予算とは、本予算を組んだ後の不測の事態(大規模な自然災害、ウイルス拡大など)のための予算だ。18兆3034億円もの補正予算など、そもそもあり得ない。これでは予算などではなく、余りにもいい加減だ。
野党はこのような補正予算を許してはならない。一致して阻止すべく、審議しなければならない。ところが、この補正予算案に国民民主党も連立を離脱したばかりの公明党も、賛成しているのだ。公明党は政府案に反対して、立憲民主党と組み替え動議を提出した。それが否決されると、政府案に賛成と、実に矛盾している。これに対して立憲の野田代表は「公明党と組み替え動議を共同提出できたのは大きな一歩」と手放しで喜んでいる。全く奇妙な構図だ。自民・維新対立憲・公明の二大政党制を予測する論もある。国民民主は自民・維新と組みたいのだが、連合の吉野会長に反対されたので、次は立憲・公明と組むか。いずれにせよ、野党が一丸となって自民・維新連立政権の打ち出す納得できない政策を阻止するという構図とは程遠い。
国会審議は、この物価高で苦しんでいる状況を変える実効あるものでなければならない。
一時しのぎのアリバイ対策
補正予算案の物価高対策は、
・高校生以下の子ども一人
あたり2万円給付
・来年1月から3月の3カ
月間、電気・ガス支援
・おこめ券活用などの重点
支援地方交付金
子育て支援は確かに大切なことである。この物価高で子どもを育てるのは実に大変なことだ。次代の日本を担う子どもを大切にすることは大賛成だ。しかし、子どものいない低所得世帯は対象外である。高齢者は医療費値上げなどで、ますます生活苦に追い込まれる。また、3カ月限定の電気・ガス支援は全くの一時しのぎで、その後どうなるか不安だという声も聞く。米高騰の解決は、おこめ券でも備蓄米放出でも輸入米増でもなく、日本の農家に米を増産させ、所得補償すべきである。同時に、消費者が安心して買える米の価格を政府は保障すべきだ。
消費税をやめてほしい、せめて食料品や日用品はまずは5%に引き下げしてほしいという訴えは全く無視されている。
物価高対策になっていないというのが実際である。
最大の問題は軍備拡大
補正予算案の最大の問題は、防衛力・外交力の強化に1.7兆円も組んでいることだ。トランプ米大統領に、防衛費のGDP比2%達成を2年前倒しで今年度中に達成すると言った約束を果たすための予算だ。緊急でもなければ必要でもない。補正予算に組む妥当性は全くない。物価高に苦しむ自国民より米軍需産業の利益優先の高市政権に期待はできない。
造船業再生基金1200億円、人工知能(AI)や半導体にかける1895億円、これらも軍事目的への転用の可能性は否めない。本予算で使い残している「宇宙戦略基金」にまで補正予算で積み増そうとしている。
歳入の6割にあたる11兆6960億円が新規国債という。それが命と暮しを守るために使われるのならわかるが、軍備増強のため、戦争に向かうことは認められない。
審議は参院に移された。戦争まっしぐらの今補正予算案を阻止するために、真剣に審議を重ね、生きていける予算案を引き出すことが野党のやるべきことである。
(沢)
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2025.12.10
日本新聞
外国人排斥ではなく共生のための政策を
4651号1面記事
外国人排斥ではなく共生のための政策を
「排外主義と一線を画す」と言いながら排外主義一色の外国人政策。外国人労働者、外国人観光客で成り立つ日本で必要なのは共生の道
参院選で参政党などの右派勢力が外国人排斥を叫び、自民党の中でも右寄りの高市首相誕生で、排外主義がますます強化されようとしている。
昨年末時点で日本には約376万人の外国人がいる。外国人の観光客は昨年3687万人。いずれも過去最多である。
日本の人口は年々減少し、昨年の減少は90万人にのぼる。こうした現状から、外国人労働者がいることで、日本は成立していると言える。また、観光客によって、日本の経済も成り立っている。外国人労働者確保のために政府は「技能実習生」制度を導入し、外国人の受け入れを拡大した。しかし、「技能実習」とは名ばかりで、日本語習得については無策で酷使。「技能実習生」の中には失踪する者も出、自殺に追い込まれる人もいた。2027年度から「育成就労制度」に移行するというが、外国人蔑視の本質は変わらない。
12月4日、「外国人材の受け入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」の初会合が開かれ、外国人政策を2026年1月にまとめるとした。高市首相は自らの外国人政策について「排外主義とは一線を画す」と枕詞のように言うが、在留資格審査の厳正な運用など強制送還につながるものである。共生の視点は全くない。
スケープゴートという言葉がある。不満や憎悪を他にそらすために罪をかぶせられる対象のことである。今、物価高、低賃金などで生活が苦しい。それを外国人のせいにする宣伝が行われる。“外国人がルールを守らない”とゴミ出しを例に出す。これについてはポスターで例示することで解決した例が各所である。知らないからやらないことを、秩序を守らない輩であるように宣伝し、怒りの矛先が外国人に向くようにする。参院選で参政党は「外国人は優遇されている。生活保護は支給すべきでない」と全く根拠のないことを公言した。厚労省は「優遇の事実はない」と反論している。
高市政権の外国人排外策を阻止しなければならない。
川口市が外国人取り締まりセンター設置へ動く
川口市には1990年代から、トルコでの迫害や紛争から逃れてきたクルド人2000〜3000人が暮らしていた。市民とクルド人は平穏に生活していた。
ところが2023年の入管法改悪に伴い、川口のクルド人コミュニティがヘイトスピーチの対象とされ、口汚いヘイト攻撃が激化した。川崎で2019年12月に全国初でヘイトスピーチに最高50万円の罰金を科す条例が可決されたことで、ヘイト団体が川口に拠点を移したと思われる。
そして今年1月に戸田市議に当選した日本大和党の河合悠祐議員がヘイトの急先鋒になり、排外主義を強めている。「外国人の犯罪が増えて治安が悪くなる」「外国人は簡単に生保がもらえる」など言いたい放題にデマを振りまいている。
4日、川口市長、地元県議、市議らが「川口市外国人政策センター(仮称)」設置に向けた支援を国に要望した。入管庁や警察との連携強化、入管法違反に対する取り締まり強化などを強調している。クルド人を安全を脅かす存在と決めつけ、強制送還などに拍車をかけるものだ。
日本の難民認定率は昨年で2.2%と諸外国に比べて極端に低い。難民に認定されず国外退去を拒む人は約3000人である。難民として認めず不法滞在者へと追い込んでいるのだ。現在、「不法滞在者ゼロプラン」で強制送還が行われている。
少子高齢化の日本で外国人の存在は必要である。政府は外国人排斥ではなく、共生社会を築く政策を打ち出すべきである。外国人への差別、人権無視の政策を阻止しなければならない。 (沢)