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2026.02.25
日本新聞
えん罪・再審法の改正求める署名開始!
4662号1面記事
えん罪・再審法の改正求める署名開始!
「大署名運動キックオフ市民集会」開催。証拠全面開示、検察官の不服申し立て禁止を明示した議員連盟案の国会早期提出・成立に全力を
2月12日に法務相に答申された法制審の再審法見直し答申は、冤罪被害者を救済する再審法の趣旨と全く反する改悪そのものとなった。
法務省がこの改悪案を国会に提出して成立させる前に、何としても超党派議員の「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」(以後、議員連盟)の案を復活させ、国会に提出してもらわなければならない。その世論を作り上げようと、2月20日、署名活動を提起する「大署名運動キックオフ市民集会」が開催された。
世話人代表の鎌田慧さんは「若い頃、日本は良くなる、民主主義が浸透して自由に幸せになっていくと考えていた。今は若い人の希望がなえてしまう社会状況だ。再審法については、狭山事件の石川さんは、再審請求を3回やっても結局一度も通らず、証拠調べもろくにやらない。誤っても謝らないのが権力なのか。今日は92歳の袴田ひで子さんが静岡から駆けつけている。皆さん、これから署名運動を始めます。よろしくお願いします」と呼びかけた。
再審法をめぐる現状
日弁連再審法改正推進議長の鴨志田祐美弁護士から、再審法を巡る状況が詳しく報告された。
——法務省の刑事局は幹部がみな検察官、それが事務局。その人達が考えた案を国会に提出する。衆院の突然の解散で、国会で継続審議中だった議員連盟の再審法改正案は廃案になってしまった。
大変な状況だが、この再審法改正に対して、朝日新聞や東京新聞だけでなく、産経新聞や日経新聞まで社説で、法務省の答申を批判している。このままでいいとは思っていない。その世論を盛り上げるのが大事だ。
そして議員連盟の案を法制審案の提出より前に、3月中には再提出してもらわなければならない—
鴨志田さんは法制審答申の問題点、議員連盟案の正当性について指摘した。
《証拠開示》
議員連盟案…再審請求人が求めた証拠を裁判所は検察官に開示させる
法制審案…裁判所は必要だと思った時に、検察官に証拠を出せと命じる。それを再審請求人は見れない。また、開示されても支援者に見せたらダメ、マスコミに提供したらダメとなり、罰則まである。静岡一家4人殺害事件で再審無罪を勝ち取った「5点の衣類」のカラー写真も見れなくなる
《再審開始決定に対する不服申し立て》
議員連盟案…検察官抗告の全面禁止
法制審案…改正なし
以上を見ても、法制審答申は、えん罪を生み出さないためのものではなく、更にえん罪を生み出す改悪そのものである。検察官の抗告を全面禁止する議員連盟案を復活させ、再審法改正を勝ち取らなければならない。
冤罪被害者の訴え
静岡一家4人殺害事件の被害者の袴田巖さんを支えてきた姉のひで子さんは「弟は殺人死刑囚として47年7か月拘置所に収監された。真実を求めて58年闘い、無罪を勝ち取った。冤罪で苦しんでいる人はたくさんいる。巖だけ助かればいいとは思っていない。議員立法に期待している」と訴えた。
女子中学生殺人事件のえん罪被害者の前川彰司さんは「検察の不服申し立てで、一度開いた再審の扉が閉じてしまう。たくさんの方の支援で無罪を勝ち取れた。この福井事件について警察幹部が“こんなことはあり得ない。恥ずかしい”と言っている。再審法改正の気運、流れを作って、再審法改正につなげたい」と語った。
狭山差別裁判を石川一雄さんと闘い続けてきた石川早智子さんは「会場に満杯に駆けつけてくれて嬉しい、元気をもらった。夫・石川一雄は狭山事件の犯人とされ、62年無実を訴え続けてきた。昨年3月11日、帰らぬ人となった。47年以上も裁判のやり直しを求め、3回目の再審請求中だった。3回目の再審請求から亡くなるまで19年、その間裁判官は10人も変わった。関連性のある証拠だけ開示するというが、証拠に関連性があるかどうかは検察官が決めることではない。弁護団や裁判官、そして本人が決めること。昨年4月4日、妻の私が第4次再審請求した。私は79歳、何としても無罪を勝ち取り、夫に笑顔で報告したい。一日も早く、議員立法による再審法改正を実現してほしい」と、石川さん亡き後の悲しみを乗り越えて、思いを語ってくれた。
署名運動で世論を盛り上げ、再審法改正を勝ち取ろう
たくさんの呼びかけ人から、再審法改正を成し遂げよう、そのためには署名運動で改正の世論をつくりあげようと、話された。
その一人である講談師の神田香織さんは「高市さんは福島の事故の後に“事故で亡くなった人は一人もいない”と平然と言った。私も福島出身者として怒りがおさまらない。今回のメチャクチャな選挙でさらに怒りがヒートアップしている。今から16年前に鎌田さんから電話がかかってきて、“石川一雄さんの講談をやってくれないか”と。二つ返事でオーケーした。講談師、見てきたような嘘を言う、と言うが、講談師のつく嘘は人を幸せにする。政治家のつく嘘は人を不幸にする。幸せになってもらう講談をどんどん語っていきたい」と希望を与えるお話をしてくれた。
えん罪被害者を救済する議員連盟案の成立をめざし、署名運動を全国で展開していこう。作られた世論ではなく、運動することで、えん罪被害者を救済する世論を築きあげよう。 (沢)
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2026.02.18
日本新聞
えん罪被害者救済にならない 法制審 再審制度 見直し答申
4661号1面記事
えん罪被害者救済にならない法制審 再審制度見直し答申
全面的証拠開示・検察官の不服申し立て禁止認めず現状より後退の内容。超党派の議員連盟による再審法改正案の再提出、成立を求む
法制審議会は2月12日の総会で、「刑事再審手続に関する要綱(骨子)を、反対4棄権1を含む多数決で採択し、法務大臣に答申した。2日の再審法改正部会でも反対3を含む多数決で採択を強行したものであった。つまり、問題大ありの答申なのである。
改正ではなく改悪
再審法はこれまで75年も何も見直されてこなかった。しかし、死刑囚の袴田巖さんが再審無罪となったことで、再審法の問題点がクローズアップされた。
袴田さんは冤罪を晴らすまで、実に58年もかかっている。袴田さんは犯行を否認し続け、刑務所への差し入れに法律書を要求し、「俺は無実なんだから必ず無罪になる」と法律を勉強していた。しかし死刑確定以来、毎朝、自分の房の前で足音が止まらないか(止まったら死刑執行の日だから)、死の恐怖に怯えながらの日々を送った。そのため拘禁症を患い、無罪をかち取った今も袴田さんの日常は戻っていない。
袴田さんの姉のひで子さんは弟のえん罪を晴らすために闘い続けた。しかし再審請求をして裁判所が再審を決定しても、検察が不服申し立てをして再審が取り消される。高齢の袴田さんの人生は限られている。検察の不服申し立てで、いたずらに時間が費やされたことは許されることではない。
再審法が冤罪を晴らすためのものならば、検察官の不服申し立ては禁止されなければならない。
そして全ての証拠が開示されなければならない。
この2点は改正法に明記されなければならない。ところが、法制審の再審法見直し答申では、検察官の不服申し立ての禁止がない。これではこれまでと同様、冤罪被害者は再審開始まで気の遠くなるような時間を費やし、再審にこぎつける前に亡くなってしまう無念なことが起きる。狭山事件の石川一雄さんは不当逮捕から62年の昨年3月11日、第3次再審請求中に無念にも亡くなった。このようなことがないように、再審法見直しに、裁判所によるじん速な再審決定、検察官の不服申し立て禁止は不可欠である。
そして証拠開示の問題である。法制審の答申では
「再審の請求の理由に関連すると認められる証拠」とし、相当と認めるものに限定している。これでは、弁護人が関連性、必要性、弊害性を具体的に主張しない限り、証拠開示が認められないことが起こり得る。そして、裁判所が証拠の提出を命じない限り、再審請求人と弁護人は直接、証拠を見られないことになる。証拠は原則開示されるべきで、これでは検察による証拠ねつ造を許すことになりかねない。
また、答申は開示された証拠の「目的外使用」を罰則付きで禁止している。再審請求人が違反すれば1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される。例えば袴田事件の「5点の衣類」(検察がねつ造)のカラー写真も使えなくなる。これについて新聞協会は「国民の知る権利にこたえられない」と反対の見解を示している。
法制審の再審法見直し答申は冤罪被害者の救済のためのものではなく、更なる被害者を生み出す改悪そのものである。
法制審の「見直し答申」に、袴田ひで子さんが「こんな法律だったら今までと一緒だ。こんなことがいつまでも続いていいのか」と憤りを示した。この言葉は実に重い。
「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」が国会に提出した「議連法案」には、すべての証拠開示、検察による不服申し立ての禁止が明記されている。1月の衆院解散で廃案になったが、これを早急に再提出し、成立させるように求める。 (沢)
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2026.02.11
日本新聞
衆院選、軍備増強の自民が3分の2超
4660号1面記事
衆院選、軍備増強の自民が3分の2超
裏金問題、旧統一教会との追及を避け選挙に打って出た自民。マスコミは総力で「高市人気」を大宣伝。戦争につながる改憲阻止
衆院選の結果は、自民が316議席で3分の2を超えた。維新は36議席で、自民・維新で352議席となった。中道は前回167議席から49議席と惨敗した。
高市政権のもくろみ
衆院は改選後わずか1年3カ月しか経っておらず、今、選挙を行う必要は全くない。前回の衆院選は740億円以上の経費をかけている。
では何のための選挙だったのか。「旧統一教会が、2021年の衆院選で自民議員290人を応援した、高市首相の名前もあった」と昨年末に韓国紙で報じられた。今後の国会審議で、裏金問題、旧統一教会と自民党との癒着問題が問われることは必至だった。そこで打って出たのが今回の衆院選であった。
度重なる物価高で食費を切り詰めてようやく暮らしているのに、選挙で700億円も800億円も税金を使う選挙はやるべきではない。しかも北海道、東北だけではなく、北陸、山陰も大雪。雪で商店街のアーケードがつぶれたり、死傷者が出ていて、選挙どころではない地域が多かった。
それでも「高市人気」が高いうちに選挙をやって、自民単独過半数をねらったのだ。そしてマスコミは連日、「ふわっとした高市人気」などと総力で援護射撃した。マスコミの犯罪的な役割は看過できない。
改憲の動きに歯止めをかけよう
衆院465議席のうち、自民・維新が352議席、野党が113議席となった。高市首相のねらいは単独過半数を超えて、次々提出法案を通したいというものだった。単独3分の2を超えた今、それが可能になった。過半数を超えていない参院で否決された法案も、衆院で再可決できるのである。
また、憲法改正の発議は、「憲法改正原案」を国会に提出し、衆参両院の憲法審査会で審査、衆参各本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決、この流れで発議。その後、国民投票で有効投票の過半数で決定。
自民党が考えているのは、憲法9条の形骸化である。憲法9条に自衛隊を組み込めば、その前の不戦や戦力不保持より、後に決めたものが優位になる。今も憲法の解釈改憲で、集団的自衛権(相手は攻撃してこなくても危険だと判断すれば攻撃できる)を容認している。邪魔な憲法9条を葬り去ろうとしているのである。軍事費を大幅に増やして、南西諸島を始め全国に基地を建設し、戦争の準備を進めている。憲法9条を無力化し、戦争を合法化しようとしている高市政権に、一層の警戒心を強め、その本質を見極めていかなくてはならない。
高市首相は積極財政などと言って、あたかも私たちの生活を良くしてくれるような印象を振りまいている。しかし、選挙中の演説にも明らかなように、高市首相の目は大企業の儲けに向いており、市民の生活など眼中にない。1月31日の川崎市での街頭演説で「(外国為替資金特別会計)の運用が今ホクホク状態だ。輸出産業にとっては大チャンス」と語り、物価高で苦しんでいる市民を顧みない発言だ。アメリカではニューヨークのマムダニ市長など、「1%のための政治ではなく99%のための政治」を訴え、市民が生きられる政策を打ち出す勢力が台頭してきている。高市首相はまさに「1%のための政治」を主張し、企業の儲け拡大を手放しで喜んでいるのだ。
総選挙で勝っても、高市首相の、台湾を日本の植民地とみなす「存立危機事態発言」を消すことはできない。発言を撤回し、中国に謝罪し、首相をやめるしか解決の道はない。
戦争を合法化する憲法改悪を断固阻止する運動を、強めていく必要がある。また、沖縄選挙区がすべて自民議員になったことで、辺野古新基地建設に拍車がかかることにも警戒し、阻止していかなくてはならない。 (沢)
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2026.02.04
日本新聞
昨年の小中高生の自殺過去最多に
4659号1面記事
昨年の小中高生の自殺過去最多に
不登校も増加の一途、教師の自殺・精神疾患も増えている。子どもの心をはぐくむ場とは程遠い学校現場、心の通う場への改革は急務
2025年の小中高生の自殺は532人で、統計のある1980年以降最多となった。日本では、10代20代で亡くなった人の死因で最も多いのが自殺だという。このような国はG7の中でも日本だけである。10代20代の若い層が、生きる希望を見いだせずに自ら命を絶っている。この深刻な事態について今、真剣に考えていかなくてはならない。
コロナ前の2019年と2025年を比較すると、自殺者数は中学生で2倍に、高校生で2.2倍に急増している。コロナで学校も休校になり閉塞感から抜け出すことも出来ず、将来に絶望する。あるいはしばらくぶりに学校に行って、いじめや差別などを受け、絶望する。一番残念なことは、苦しい時に相談できる友達がいないことである。解決の糸口も見いだせず、死に追い込まれてしまう。
不登校の児童生徒も増えている。2024年の小中高生の不登校は42万1752人にのぼる。小学生13万7704人、中学生21万6266人、高校生6万7782人。42万人もの子どもが学校に行っていないのである。最近目につく学校側の姿勢は「無理して学校に来なくていい」「学校が合わなかったら転校すればいい」だ。なぜ学校に来ないのか、何が問題なのか、学校に問題はないのか一切考えようとしない。この結果、不登校は毎年増え続けている。
一方で教師も苦しんでいる。
2024年に精神疾患で休職の教員は7087人で過去最多となった。6割以上が女性で、30代が最も多く、20代も増えている。休職者の45%が教員になってから2年未満だという。そして、休職者の2割が退職している。教師自身も闇の中に追い込まれている。
心をよみがえらせる教育現場への改革を
学校に行かないことや転校することで問題は解決しない。子どもは集団の中で育つ。日々、いろんな矛盾がありながら、話し合って解決していく。自分のやったことや言った言葉が、相手を傷つけてしまうものだったと気づいて、成長していく。それが今の教育現場ではなくされている。
子どもは苦しいことや悲しい思いをした時に、それを発信している。しかし、教師がそれを受け止めることができない。教師の過重労働が問題になっている。指導案やさまざまな書類提出に追われ、家に帰ってからも仕事せざるを得ない。また、保護者からのクレームへの対応で、若い教師がノイローゼになってしまうケースもある。「大学で教員免許を取ったけど、モンスターペアレントの問題があるから教師にはならなかった」と言う若者もいる。ベテラン教師が、新任教師を助けもせず、「ちゃんとやれ!」と言うばかりで、若い教師が元気をなくして辞めてしまったという実例もある。
教師が追い詰められた状態では、子ども達が発信している思いに気づくことも出来ない。クラスの中のいじめや暴力にも気づけず、子どもが自殺してしまうケースも多い。
ある小学校の校長は「若い先生が保護者からのクレームに“すみません”と謝っている。私は“自分が悪いと思ったら謝れ。そうでないなら謝るな。その時は私も出ていくから”と言っている」と話していた。校長先生がこうしてサポートしてくれるなら、いわゆるモンスターペアレントを恐れて小さくなることもない。
学校は社会の縮図である。子どもたちの中にある差別と真っ向から立ち向かい、解決していく中で、子どもたちの友情、教師に対する信頼も生まれる。子どもたちを差別から解放する教育への改革が求められる。それが、子ども達が自ら命を絶つ、この闇を切り拓くことである。 (沢)