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2026.03.18
日本新聞
東電福島第一原発 事故から15年 原発ゼロ求め再稼働抗議集会
4665号1面記事
東電福島第一原発事故から15年
原発ゼロ求め再稼働抗議集会
3月11日、再稼働ストップ叫び、経産省、日本原電、東電に抗議の申
し立て。原発事故に学ばず、人命無視・儲け第一の政府と電力会社
東日本大震災、東電福島第一原発事故から15年の3月11日、経産省前、日本原電本店前、東電本店前で抗議集会が行われた。
原発再稼働推進の経産省に抗議
経産省前のテントが強制撤去されたのは2016年。それ以後も経産省前歩道で座り込み抗議活動が続けられ、毎月経産省に脱原発を訴える抗議・申し入れ書を提出している。
ロックボーカリスト朴保さんの“こんな社会でいいのか”と訴える歌声で集会は始められた。
テント広場の強制撤去をめぐる裁判で尽力した大口昭彦弁護士は、「ことさら被害を隠ぺいする福島県の発表でも、いまだに福島県外に避難している人は2万5000人以上、事故の結果亡くなった人は約2500人。高市氏は当時“原発事故で亡くなった人は一人もいない”と言った。絶対忘れてはいけない。経産省前の座り込みは闘いの重要な拠点だ。15年続けるのは容易なことではない。この闘いに連帯する」と訴えた。
作家の落合恵子さんは「私は最近、よく取材を受ける。『がんと生き切る』という本を出したから。がんになったっていうことは書くが、私の考え方、姿勢については書かない。がんは私の一部。3月11日は心に刻む日、もう一つ、狭山事件の石川一雄さんが亡くなったのも3月11日。どちらも国家の犯罪、許すことはできない」
今も座り込み抗議活動を続けている報告もされた。諦めないで闘い続ける姿に学ぶことは多い。
東海第二原発再稼働進める日本原電に抗議
東海第二原発運転差し止め訴訟原告団共同代表の大石光伸さんは、「日本原電が基準地震動を低く提示し、それを必死に隠している。そして原子力規制委員会が日本原電の言いなりになっている」と事実を詳しく説明した。
参加者は経産省を抗議のヒューマンチェーンで取り囲み、再稼働反対を訴えるシュプレヒコールがこだました。
原発事故東京訴訟の原告である鴨下さんと息子の全生(まつき)さんも参加し、思いを訴えた。
「15年前、福島県いわき市から子ども達と東京に避難した。福島に残った夫はがんになり、一昨年は腸を大きく切り、昨年は肺に転移したがんを切った。夫のがんは10年以上前にできたもの。福島のおびただしい汚染を思わずにはいられない。社会をゆがめる原発を2度と動かしてほしくない。被害をなかったことにしたくない。声をあげていきましょう」
原発再稼働に反対の音楽集団も、音楽で訴えた。マアルハートバンドは「君と僕の未来」で“原発はいらない!”と力強い歌声を響かせ、参加者も声を合わせた。
日本原電に東海第二原発再稼働反対の署名も提出した。
東電は柏崎原発再稼働を断念せよ
東電は福島第一原発事故の収束の見通しがまだ立たないのに、柏崎刈羽原発を再稼働している。しかも何度もトラブルを起こしているのに、原子力規制委員会はそのたび、ゴーサインを出している。
たんぽぽ舎の山崎久隆さんは「福島第一原発の事故現場は15年前のまんま、変わっていない。建屋の一番深いところでは10シーベルト、14シーベルトで、人が入ったら即死、ロボットも故障してしまう。それなのに2051年には廃炉完了という、あり得ないロードマップ。現場の労働者の被ばくは何も明らかにされない。今後想定される千島海溝沿いの巨大地震・津波が直撃するのは六ヶ所再処理工場。稼働したら大変な事態が起こる。地震と津波の日本列島に原発などやめるべき」と警告を発した。
東電は原発事故の処理も終わっていないのに、柏崎刈羽原発再稼働を強行し、日本原電の東海第二再稼働に約2200億円もの支援金を決めている。原発事故の被害者に補償すべきだ。
原発はいらない!政府と電力会社の原発再稼働に断固抗議する。 (沢)
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2026.03.11
日本新聞
東電福島第一原発事故から15年 さようなら原発集会に8500人
4664号1面記事
東電福島第一原発事故から15年
さようなら原発集会に8500人
「原発再稼働を加速させる」高市政権に反対し、若者達の発言相次ぐ。原発事故を教訓にしない国と電力会社。15年を機に命を守る国に!
3月7日、代々木公園で「とめよう原発!3.7全国集会」が開催された。寒風吹きすさぶ中、8500人が結集した。
主催者を代表してルポライターの鎌田慧さんは「今、世界は人殺しを何とも思わない時代になっている。高市首相は“原発再稼働に向けて官民あげて取り組む”と言っている。先の選挙ではこういう人を承認してしまっている。私たちの力がまだまだ足りなかった。これからいろんな人たちと手をつないで運動を広げていこう」と呼びかけた。
超党派議員連盟「原発ゼロ・再エネ100の会」の阿部知子さんは「浪江に行ったが、人がいない。人の生活を奪い、歴史を奪い、根こそぎ奪い尽くした原発。事故が避けられない原発を終わらせるしかない。そして、ウクライナの状況を見ても、原発にいつ被害が及ぶかという危険。原発は絶対にやめなければならない。IAEAが査察をして“イランに核兵器がある証拠はない”と言った。でもアメリカとイスラエルは攻撃した。イラクはどうだったか。原発を私たちの世代で終わらせよう」と訴えた。
福島原発事故の国の責任は明らか
メインスピーチは盛岡大学学長の長谷川公一さん。
「福島原発事故は東電と日本政府が引き起こした犯罪だ。
昨年9月19日に仙台高裁で開かれた『ふるさとを返せ津島訴訟』控訴審で証言した。事故の引き金になったのは大津波だが、シビアアクシデント対策がしっかりしていれば過酷事故には至らなかった。2001年9月11日の同時多発テロを契機に、保安院の幹部職員13人がアメリカの原子力規制委員会に招かれて、新しいシビアアクシデント対策について詳しい説明を受けた。しかし彼らはそれを電力会社に一切伝えず、対策を先送りした。最高裁は2022年6月17日の判決で国の責任を否定した。しかし、シビアアクシデント対策が不備だったから、福島原発事故は大惨事になったのだ。
今、世界は無人機やドローンが原発を直撃する新たな恐怖の時代が到来している。日本のすべての原発は攻撃に無防備だ。
福島を忘れないことは、平和と安全、命と暮しを守ること。福島だけではなく日本社会全体、東アジアの、さらには地球の、将来世代の命と暮しを守ることです」
原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)共同代表の武藤類子さんは切々と語った。
「2011年の原発事故直後、日本中の市民が官邸前に集まり、原発はいらないとコールを続けた。しかしたった15年で、原発の最大限活用が決められ、再稼働が進められている。特に東電の柏崎刈羽原発の再稼働には深く憤りを感じる。6号機の再稼働が容認され、原子炉を動かそうとしたら制御棒のトラブル、それを対処療法だけで強引にまた再稼働。さらに、中部電力の浜岡原発の地震動のデータねつ造事件は衝撃的だった。電力会社にも、規制する側にも、安全を守る能力も、倫理観も責任感もない。
事故後、年間1ミリシーベルトの基準は20ミリシーベルトに引き上げられ、子どもたちの被ばくを招いた。放射性物質の入ったごみの焼却基準は1キログラムあたり100ベクレルから8000ベクレルに引き上げられた。福島の小児甲状腺がんは417人。
今、私たちは原発事故がもたらすものをしっかりと見つめ、嘘と理不尽と暴力に満ちた歴史を一刻も早く閉じなければならない」
若者達の発言に未来を見る
「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」の佐々木かんなさんから、柏崎刈羽原発再稼働は県民の意思を全く無視して進められていることが話された。「14万筆以上の県民投票を求める署名も無視、10代20代が蚊帳の外に置かれている、“原発の是非は、未来の社会は県民の私たちが決める”と言える若者を増やす」と、元気な発言だった。
「全港湾小名浜支部青年部」執行委員の高木謙さんは、キャラバン隊の団長を務め、全国の仲間と津島原告団の被災した家を見て意見交換をしたり、茨城県各自治体に東海第二原発の再稼働を中止するように要請行動を行ったという。「事実を学び若い世代につないでいくことが、未来を変える力になる!」と張り切って語っていた。
「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」学生ボランティアの佐藤光士郎さんは、「裁判を闘っている原告達が、生きることに正面から向き合って、この不条理な世の中を変えていこうと立ち上がっていることに学ばされる」と話した。
代々木公園にはたくさんのブースが並び、15年間闘い続けてきた姿があった。政府は今、原発再稼働、増設へと動いている。東電福島第一原発事故から何の教訓も得ようとしない。福島の人たちの苦しみを全く見ようともしない。しかし、若者達が登壇して、原発をなくそうと発言した姿にこそ未来がある。命を何より大事にする声をあげ、広げていこう。 (沢)
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2026.03.04
日本新聞
自維が武器輸出原則解禁の提言案発表
4663号1面記事
自維が武器輸出原則解禁の提言案発表
限定なき武器輸出、戦闘中の国への武器輸出、共同開発国以外への武器輸出と全面解禁。日本の軍需企業が死の商人となる改悪に抗議
2月26日、自民党と維新の会による武器輸出に関する政府への提言案がとりまとめられた。重要な点は次の3点である。
1、5類型の撤廃…原則として非殺傷の救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限られてきた5類型を撤廃
2、第三国への輸出拡大…共同開発国への武器輸出のみならず、それ以外の国への輸出も解禁
3、武力紛争中の国への武器輸出…武力紛争の当事国へも条件付きで輸出可能に
この提言を踏まえ、政府は3月にも「防衛装備移転三原則」運用指針の見直しを決定する方向だという。驚くべきことに、運用指針見直しは政府内の手続きだけで完了し、法改正の必要はないというのだ。国の方針を180度転換するほどの大きな変更なのに、政府の一存で決められること自体、間違っている。
まず1の「5類型の撤廃」だが、原則武器輸出禁止を守ってきた日本が、殺傷能力のある武器の輸出を認めることで、憲法9条違反は明らかである。
そして2点目の第三国への武器輸出拡大は、「防衛装備品・技術移転協定」締結国に限定するというが、それでもイギリス、インド、フィリピンなど17カ国に及ぶ。
3点目の武力紛争中の国へも武器を輸出するに至っては、まさに戦争加担である。
今、政府はアメリカからの兵器爆買いと並行して、日本の軍需産業にも多大な支援をし、武器製造に力を入れている。武器輸出は、日本の軍需産業が世界各国に武器を売りつけて儲けることである。つまり、日本の企業が死の商人と化すことに他ならない。実に危険な道へ踏み出そうとしている。
軍事大国への道歩む日本の変遷
武器輸出規制をめぐる日本の変遷は次の通りである。
1967年…佐藤栄作首相が「武器輸出三原則」表明(共産圏、国連決議で禁じられた国、国際紛争当事国、その恐れがある国への武器輸出禁止)
1976年…三木武夫首相が三原則の対象地域外も武器輸出「慎む」と、事実上全面禁止に
1983年…中曽根康弘内閣は、米国向けの武器技術供与を認める
2011年…野田佳彦内閣は共同開発・生産の武器輸出容認
2014年…第2次安倍内閣は防衛装備移転三原則と運用指針策定、武器輸出認める
こうして武器輸出を認め、戦争に加担する国へとしてきたのである。
高市政権の安全保障に関する政策に、今後の日本が進もうとする危険な道が示されている。
・敵基地攻撃能力を有する長射程ミサイルを熊本県と静岡県に配備
・「防衛装備移転三原則」運用指針の「5類型」撤廃
・「国家情報局」創設のための法整備
・「スパイ防止法」制定に向けた有識者会議設置
・「安保3文書」を前倒し改定し、防衛費の更なる増額、非核三原則の見直し
これらを一気に今年中に行おうとしているのだ。歯止めなき軍事大国化である。
3月末までに、政府が敵基地攻撃能力を有するスタンド・オフ・ミサイルを初めて配備しようとしている陸上自衛隊・駐屯地(熊本市)では、2月23日、1200人が基地周辺を取り囲み「平和の輪」をつないだ。配備計画が明らかになったのは昨年8月。住民は説明を求めてきた。昨年12月には住民説明会の請願を出したが、熊本県議会は不採択にした。木原官房長官も「実施する予定はない」と言い放つ。駐屯地から半径2キロの範囲には小中学校20校がある。ミサイル配備は抑止力ではなく、危険を作り出すことである。
不戦、戦力不保持を明記した憲法9条が、戦後の日本を守ってきた。武器輸出を全面的に認める危険な動きに断固抗議する。高市政権がやろうとしていることを見定め、歯止めをかけなくてはならない。 (沢)