日本新聞
自維が武器輸出原則解禁の提言案発表
4663号1面記事
自維が武器輸出原則解禁の提言案発表
限定なき武器輸出、戦闘中の国への武器輸出、共同開発国以外への武器輸出と全面解禁。日本の軍需企業が死の商人となる改悪に抗議
2月26日、自民党と維新の会による武器輸出に関する政府への提言案がとりまとめられた。重要な点は次の3点である。
1、5類型の撤廃…原則として非殺傷の救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限られてきた5類型を撤廃
2、第三国への輸出拡大…共同開発国への武器輸出のみならず、それ以外の国への輸出も解禁
3、武力紛争中の国への武器輸出…武力紛争の当事国へも条件付きで輸出可能に
この提言を踏まえ、政府は3月にも「防衛装備移転三原則」運用指針の見直しを決定する方向だという。驚くべきことに、運用指針見直しは政府内の手続きだけで完了し、法改正の必要はないというのだ。国の方針を180度転換するほどの大きな変更なのに、政府の一存で決められること自体、間違っている。
まず1の「5類型の撤廃」だが、原則武器輸出禁止を守ってきた日本が、殺傷能力のある武器の輸出を認めることで、憲法9条違反は明らかである。
そして2点目の第三国への武器輸出拡大は、「防衛装備品・技術移転協定」締結国に限定するというが、それでもイギリス、インド、フィリピンなど17カ国に及ぶ。
3点目の武力紛争中の国へも武器を輸出するに至っては、まさに戦争加担である。
今、政府はアメリカからの兵器爆買いと並行して、日本の軍需産業にも多大な支援をし、武器製造に力を入れている。武器輸出は、日本の軍需産業が世界各国に武器を売りつけて儲けることである。つまり、日本の企業が死の商人と化すことに他ならない。実に危険な道へ踏み出そうとしている。
軍事大国への道歩む日本の変遷
武器輸出規制をめぐる日本の変遷は次の通りである。
1967年…佐藤栄作首相が「武器輸出三原則」表明(共産圏、国連決議で禁じられた国、国際紛争当事国、その恐れがある国への武器輸出禁止)
1976年…三木武夫首相が三原則の対象地域外も武器輸出「慎む」と、事実上全面禁止に
1983年…中曽根康弘内閣は、米国向けの武器技術供与を認める
2011年…野田佳彦内閣は共同開発・生産の武器輸出容認
2014年…第2次安倍内閣は防衛装備移転三原則と運用指針策定、武器輸出認める
こうして武器輸出を認め、戦争に加担する国へとしてきたのである。
高市政権の安全保障に関する政策に、今後の日本が進もうとする危険な道が示されている。
・敵基地攻撃能力を有する長射程ミサイルを熊本県と静岡県に配備
・「防衛装備移転三原則」運用指針の「5類型」撤廃
・「国家情報局」創設のための法整備
・「スパイ防止法」制定に向けた有識者会議設置
・「安保3文書」を前倒し改定し、防衛費の更なる増額、非核三原則の見直し
これらを一気に今年中に行おうとしているのだ。歯止めなき軍事大国化である。
3月末までに、政府が敵基地攻撃能力を有するスタンド・オフ・ミサイルを初めて配備しようとしている陸上自衛隊・駐屯地(熊本市)では、2月23日、1200人が基地周辺を取り囲み「平和の輪」をつないだ。配備計画が明らかになったのは昨年8月。住民は説明を求めてきた。昨年12月には住民説明会の請願を出したが、熊本県議会は不採択にした。木原官房長官も「実施する予定はない」と言い放つ。駐屯地から半径2キロの範囲には小中学校20校がある。ミサイル配備は抑止力ではなく、危険を作り出すことである。
不戦、戦力不保持を明記した憲法9条が、戦後の日本を守ってきた。武器輸出を全面的に認める危険な動きに断固抗議する。高市政権がやろうとしていることを見定め、歯止めをかけなくてはならない。 (沢)