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2026.04.29
日本新聞
殺傷武器輸出は明らかに憲法違反
4671号1面
殺傷武器輸出は明らかに憲法違反
政府、非殺傷「5類型」撤廃。国の根幹に関わる方針転換を閣議で決める暴挙。戦車砲弾破裂で自衛隊員4人死傷。戦争放棄の9条厳守
高市政権は4月21日、「防衛装備移転三原則」と運用指針を大幅に改定した。殺傷・破壊能力のある武器の輸出を全面的に解禁した。紛争当事国への輸出も可能にした。輸出先は日本と秘密保護などに関する「防衛装備品・技術移転協定」を締結する17カ国。これは条約ではないから国会の承認は必要なく、政府の判断で追加できる、としている。つまり殺傷武器を輸出できる国を今後どんどん増やしていく可能性があるということだ。そして武器輸出自体も、国家安全保障会議(NSC)で審査し、決定後に国会に通知するというもので、国会審議の対象としていない。何の歯止め策もない。現に戦闘が行われていると判断される国への輸出は原則不可、としながら「戦闘中の米軍がインド太平洋地域で態勢を維持するため、日本の装備品を必要としている場合」は輸出可能とした。実に矛盾している。米軍の意のままに動こうとする高市政権の本質が示されている。
武器輸出全面解禁という、国の根幹に関わる重要事項を、国会で審議することもなく、閣議とNSCという政権内部で決めてしまうのは認められることではない。民主主義のかけらも存在しない。
日本は1976年、三木内閣が武器全面輸出禁止に踏み切り、当時の宮澤喜一外相は「わが国は兵器を輸出して金を稼ぐほど落ちぶれていない」と語ったという。
そのような精神は高市政権には存在しない。
戦争に向かい変貌してきた日本
敗戦後、日本は憲法9条で不戦、戦力不保持を明記した。武器の輸出は原則禁止、専守防衛の堅持を掲げた。
ところが“戦争の抑止力として日本も軍備増強が必要”という論がふりまかれ、戦争法が次々決められてきた。
2003年
武力攻撃事態法
攻撃された時だけでなく、攻撃が予測される時にまで拡大
2014年
解釈改憲を閣議決定
集団的自衛権の一部容認
2015年9月19日
安保関連法成立
こうしてなし崩し的に憲法違反が強行され、不戦の憲法9条が形骸化されている。高市政権発足後は軍備増強、米国追随に拍車がかけられている。軍事費はGDP1%枠内維持が葬り去られ、今では2%、アメリカは3.5%を要求してきている。2026年度は11兆円を超える。物価高騰で食にも事欠く貧困層が増えている中、何のための軍事費倍増なのか。
このように「抑止力」をかたっての戦争への道が強化されようとしている中で、大事故が起きた。4月21日、大分県の陸自演習場で、戦車内の砲弾が破裂し、自衛隊員3人が死亡、女性隊員1人が重傷となった。戦車は10式戦車で三菱重工や日本製鋼所が製造し、陸自は約120両所有しているという。今回、破裂した砲弾はダイキンが作ったもの。軍事増強に伴って、日本の軍需産業への国家支援など叫ばれ、企業は大きな利益を手にしている。
日出生台での24日~26日までの演習は中止すると発表された。それで済む問題ではない。実戦さながらの訓練が全国の演習場で実施されているのである。事故の再発を防ぐことはできるのか。自衛隊関係者は3日間の訓練中止に関して「数日間訓練ができないだけでも、練度(習熟度、熟練度)向上に及ぼす影響は大きい」と言い放っている。これが、4人が死傷という大事故を受けての発言なのかと耳を疑う。数日間、訓練しないだけでも練度が落ちる、一体どのような訓練が行われているのか。戦争の準備が着々と行われている危機感を感じる。
死の商人の道を突き進む日本の企業、命の危機にさらされる自衛隊員、そして日本の若者達。
イランの小学生がアメリカによって殺されたように、戦争にひとかけらの正義もない。戦争に加担する武器輸出に断固反対し、全面解禁の撤回を要求する。 (沢)
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2026.04.22
日本新聞
柏崎原発再稼働で再エネ発電制限
4670号1面
柏崎原発再稼働で再エネ発電制限
核燃料プール満杯間近、核のゴミの最終処分場決まらず。原発再稼働をやめ、再生可能エネルギーへの徹底転換をエネルギー基本方針に
4月16日、東電柏崎刈羽原発6号機が営業運転を開始した。東電は6号機の営業運転で、年1000億円の収支改善を見込んでいるという。
柏崎刈羽原発の再稼働には住民の反対も強い。再稼働にあたっても様々なトラブルを繰り返してきた。1月21日、再稼働後まもなく制御棒に関する警報が鳴り、原子炉を停止。3月12日には発電機から地面に漏電を示す警報が鳴り、発電と送電を停止。しかし、度重なるトラブルにもかかわらず、原子力規制委員会は再稼働のゴーサインを出し、住民の反対の中、再稼働が強行された。
柏崎刈羽原発は、事故を起こした福島第一原発と同じ、東電の原発である。しかも、福島と同じ沸騰水型原子炉である。福島第一原発事故から15年、今も事故の収束の目途も立たない。被害者への補償もいまだに終わってはいない。避難指示が解除された地域(実際は放射線量はまだまだ高い)に戻ってこない避難者の支援を一方的に打ち切る。同時に若い家族の移住に優遇措置を講じている。局地的に一時的に除染しても、放射性物質を遮断することはできず、まさにだましのやり方だ。その事故当事者の東電が事故収束もできていないのに再稼働、それを認める原子力規制委、再稼働に前のめりの政府。実に犯罪的である。
原発再稼働を軸にしたエネルギー政策に終始する政府
原発事故を起こして、世界に放射能汚染をふりまいた日本なのに、政府は「最大限の原発活用」へと舵を切った。原発が安全だという根拠は何もないのに。そして、あろうことか、柏崎刈羽原発の首都圏への送電に伴って、東電は再生可能エネルギーの出力を制御した。制御したのは3月1日には184万キロワット、4月16日までに計11日間制御を実施。4月12日には463万キロワットに上った。
つまり、電力は再エネで十分まかなっているのだ。原発を稼働する必要性は全くないのに、再エネをストップさせてまで原発を再稼働して儲けるというのが東電の考え方である。事故に対する反省も教訓も何もない。大津波を予測しながら、金がかかるからと防潮堤も造らず、大事故を招いた東電という会社の体質は何も変わっていない。そして政府もまた、安全より企業の儲け第一の政治を変えようとしない。
原発の問題は山積みである
再稼働を次々強行しているため、使用済み核燃料は増えるばかりである。熱を持ち、放射線量も高い核燃料を冷やす国内17カ所の原発にあるすべての燃料プールの核燃料は、保存可能量の78%に達しているという。東電福島第一、関電大飯原発では90%、関電高浜、美浜、九電、玄海、東電柏崎刈羽各原発では80%を超えている。満杯になって運転できなくなるのは目前である。
六ヶ所再処理工場は27回も完成延期を繰り返している。稼働のメドは立たない。
原発を稼働すれば核のゴミも増える。最終処分地を早急に決めなければならない。政府は南鳥島に焦点を当てた。小笠原村の渋谷正昭村長は「国の責任で決めるべきだ」と容認し、村民の声を聞く姿勢はない。島の狭さ、海底構造の問題で地上施設も地下施設も建設が困難であることや、環境への影響、核のゴミの長距離輸送の困難さなどあり、不可能である。
原発を動かすメリットはなく、放射性物質拡散による汚染と被害を招くだけである。政府は持続可能なエネルギー政策を真剣に考え、原発からの脱却へと大きく舵を切るべきである。 (沢)
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2026.04.15
日本新聞
全国160カ所で「平和憲法守ろう!」の声
4669号1面記事
全国160カ所で「平和憲法守ろう!」の声
政府、殺傷能力のある武器輸出案提示。戦争放棄、戦力不保持の9条をかなぐり捨て参戦の道筋。戦争反対の世論に耳を傾ける政治へ
国会前をはじめ、全国で改憲反対、戦争反対の集会が行われている。
4月8日には全国47都道府県160カ所で一斉に、「平和憲法を守ろう!」「戦争反対!」を訴える集会が開かれた。SNSでの呼びかけに応えてかけつけた人、若者の姿も多い。「高市政権なら戦争もやりかねない」「憲法9条は守らなければ」という思いでかけつけている。
政府、「武器輸出ルール緩和案」提示
6日、政府は「武器輸出ルール緩和案」を自民党に提示した。この改定案は、現在、輸出が可能とされている非殺傷の5類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)を撤廃し、殺傷・破壊能力のある武器輸出を解禁するものだ。武器輸出の際限なき拡大につながる。アメリカをはじめ、日本と「防衛装備品・技術移転協定」を締結している国にはどんどん武器を輸出できるようにする。これは実質、日本が参戦することに他ならない。
5類型の撤廃は、自民党と日本維新の会の連立政権合意書に明記されているのだから、この連立政権自体が戦争に向かうものである。武器輸出については、国家安全保障会議(NSC)が案件ごとに輸出を認め、国会には事後に通知するという。NSCのメンバーは、議長が高市首相、議員は総務大臣、外務大臣、財務大臣、防衛大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、内閣官房長官、国家公安委員会委員長である。これではどこにも歯止めはない。民意は全く反映されない。
平和憲法を投げ捨て、日本は戦争する国、武器を売って儲ける国に変質する道筋を作ろうという意図が明らかである。
改憲に前のめりの衆院憲法審査会
9日、今国会初の衆院憲法審査会が開かれた。2月の衆院選により、委員構成は50人中38人が与党である。構成は自民、維新、中道、国民民主、参政、みらい、共産の7会派となった。改憲反対は共産党だけで、中道は「(改憲を)に進めるべきではない」と態度をあいまいにしている。国民民主、参政なども加え、改憲賛成勢力は9割に迫る状況だ。
9日の憲法審査会では、憲法「改正」の条文案を作る「条文起草委員会」の設置を、与党や一部の野党が主張した。改憲論議が前のめりに進められている。憲法を変える手続きは、まず、憲法改正発議に衆参両院で3分の2以上の賛成が必要、その後、国民投票で過半数の賛成が必要だ。衆院は自民だけで3分の2を超えている。参院は与党で過半数を満たしていないが、改憲賛成の政党を加え、3分の2を満たす可能性があると政府は見込んでいる。
政府がねらっている改憲の最も大きな問題点は、9条に自衛隊を明記しようとしている点である。9条には、戦争放棄、戦力不保持が明記されている。長い戦争でアジアの国々を侵略し、多大な犠牲を強いた経験から、日本は戦争放棄と戦力を持たないことを誓った。しかし今、自衛隊は武力攻撃能力に拍車をかけている。9条がその歯止めになっているが、政府は解釈改憲などの手段を使って、軍事力拡大に多大な税金を投入している。
改憲で9条に自衛隊を明記すれば、戦争放棄、戦力不保持は形骸化されてしまうのである。「後法優先の原則」がある。新しい法律(後法)が古い法律(前法)よりも優先されるという原則である。つまり、自衛隊という軍隊を明記するということは、戦力を持たないということも、戦争しないということも、闇に葬られてしまうのだ。
何としても改憲を阻止しなければならない。今、全国で改憲反対の意思表示が行われている。憲法審査会はこの世論をくみ取らなければならない。改憲の暴挙をストップさせるため、平和憲法を守ろうという意思表示を全国で繰り広げていこう。
(沢)