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2026.02.11
日本新聞
衆院選、軍備増強の自民が3分の2超
4660号1面記事
衆院選、軍備増強の自民が3分の2超
裏金問題、旧統一教会との追及を避け選挙に打って出た自民。マスコミは総力で「高市人気」を大宣伝。戦争につながる改憲阻止
衆院選の結果は、自民が316議席で3分の2を超えた。維新は36議席で、自民・維新で352議席となった。中道は前回167議席から49議席と惨敗した。
高市政権のもくろみ
衆院は改選後わずか1年3カ月しか経っておらず、今、選挙を行う必要は全くない。前回の衆院選は740億円以上の経費をかけている。
では何のための選挙だったのか。「旧統一教会が、2021年の衆院選で自民議員290人を応援した、高市首相の名前もあった」と昨年末に韓国紙で報じられた。今後の国会審議で、裏金問題、旧統一教会と自民党との癒着問題が問われることは必至だった。そこで打って出たのが今回の衆院選であった。
度重なる物価高で食費を切り詰めてようやく暮らしているのに、選挙で700億円も800億円も税金を使う選挙はやるべきではない。しかも北海道、東北だけではなく、北陸、山陰も大雪。雪で商店街のアーケードがつぶれたり、死傷者が出ていて、選挙どころではない地域が多かった。
それでも「高市人気」が高いうちに選挙をやって、自民単独過半数をねらったのだ。そしてマスコミは連日、「ふわっとした高市人気」などと総力で援護射撃した。マスコミの犯罪的な役割は看過できない。
改憲の動きに歯止めをかけよう
衆院465議席のうち、自民・維新が352議席、野党が113議席となった。高市首相のねらいは単独過半数を超えて、次々提出法案を通したいというものだった。単独3分の2を超えた今、それが可能になった。過半数を超えていない参院で否決された法案も、衆院で再可決できるのである。
また、憲法改正の発議は、「憲法改正原案」を国会に提出し、衆参両院の憲法審査会で審査、衆参各本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決、この流れで発議。その後、国民投票で有効投票の過半数で決定。
自民党が考えているのは、憲法9条の形骸化である。憲法9条に自衛隊を組み込めば、その前の不戦や戦力不保持より、後に決めたものが優位になる。今も憲法の解釈改憲で、集団的自衛権(相手は攻撃してこなくても危険だと判断すれば攻撃できる)を容認している。邪魔な憲法9条を葬り去ろうとしているのである。軍事費を大幅に増やして、南西諸島を始め全国に基地を建設し、戦争の準備を進めている。憲法9条を無力化し、戦争を合法化しようとしている高市政権に、一層の警戒心を強め、その本質を見極めていかなくてはならない。
高市首相は積極財政などと言って、あたかも私たちの生活を良くしてくれるような印象を振りまいている。しかし、選挙中の演説にも明らかなように、高市首相の目は大企業の儲けに向いており、市民の生活など眼中にない。1月31日の川崎市での街頭演説で「(外国為替資金特別会計)の運用が今ホクホク状態だ。輸出産業にとっては大チャンス」と語り、物価高で苦しんでいる市民を顧みない発言だ。アメリカではニューヨークのマムダニ市長など、「1%のための政治ではなく99%のための政治」を訴え、市民が生きられる政策を打ち出す勢力が台頭してきている。高市首相はまさに「1%のための政治」を主張し、企業の儲け拡大を手放しで喜んでいるのだ。
総選挙で勝っても、高市首相の、台湾を日本の植民地とみなす「存立危機事態発言」を消すことはできない。発言を撤回し、中国に謝罪し、首相をやめるしか解決の道はない。
戦争を合法化する憲法改悪を断固阻止する運動を、強めていく必要がある。また、沖縄選挙区がすべて自民議員になったことで、辺野古新基地建設に拍車がかかることにも警戒し、阻止していかなくてはならない。 (沢)
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2026.02.04
日本新聞
昨年の小中高生の自殺過去最多に
4659号1面記事
昨年の小中高生の自殺過去最多に
不登校も増加の一途、教師の自殺・精神疾患も増えている。子どもの心をはぐくむ場とは程遠い学校現場、心の通う場への改革は急務
2025年の小中高生の自殺は532人で、統計のある1980年以降最多となった。日本では、10代20代で亡くなった人の死因で最も多いのが自殺だという。このような国はG7の中でも日本だけである。10代20代の若い層が、生きる希望を見いだせずに自ら命を絶っている。この深刻な事態について今、真剣に考えていかなくてはならない。
コロナ前の2019年と2025年を比較すると、自殺者数は中学生で2倍に、高校生で2.2倍に急増している。コロナで学校も休校になり閉塞感から抜け出すことも出来ず、将来に絶望する。あるいはしばらくぶりに学校に行って、いじめや差別などを受け、絶望する。一番残念なことは、苦しい時に相談できる友達がいないことである。解決の糸口も見いだせず、死に追い込まれてしまう。
不登校の児童生徒も増えている。2024年の小中高生の不登校は42万1752人にのぼる。小学生13万7704人、中学生21万6266人、高校生6万7782人。42万人もの子どもが学校に行っていないのである。最近目につく学校側の姿勢は「無理して学校に来なくていい」「学校が合わなかったら転校すればいい」だ。なぜ学校に来ないのか、何が問題なのか、学校に問題はないのか一切考えようとしない。この結果、不登校は毎年増え続けている。
一方で教師も苦しんでいる。
2024年に精神疾患で休職の教員は7087人で過去最多となった。6割以上が女性で、30代が最も多く、20代も増えている。休職者の45%が教員になってから2年未満だという。そして、休職者の2割が退職している。教師自身も闇の中に追い込まれている。
心をよみがえらせる教育現場への改革を
学校に行かないことや転校することで問題は解決しない。子どもは集団の中で育つ。日々、いろんな矛盾がありながら、話し合って解決していく。自分のやったことや言った言葉が、相手を傷つけてしまうものだったと気づいて、成長していく。それが今の教育現場ではなくされている。
子どもは苦しいことや悲しい思いをした時に、それを発信している。しかし、教師がそれを受け止めることができない。教師の過重労働が問題になっている。指導案やさまざまな書類提出に追われ、家に帰ってからも仕事せざるを得ない。また、保護者からのクレームへの対応で、若い教師がノイローゼになってしまうケースもある。「大学で教員免許を取ったけど、モンスターペアレントの問題があるから教師にはならなかった」と言う若者もいる。ベテラン教師が、新任教師を助けもせず、「ちゃんとやれ!」と言うばかりで、若い教師が元気をなくして辞めてしまったという実例もある。
教師が追い詰められた状態では、子ども達が発信している思いに気づくことも出来ない。クラスの中のいじめや暴力にも気づけず、子どもが自殺してしまうケースも多い。
ある小学校の校長は「若い先生が保護者からのクレームに“すみません”と謝っている。私は“自分が悪いと思ったら謝れ。そうでないなら謝るな。その時は私も出ていくから”と言っている」と話していた。校長先生がこうしてサポートしてくれるなら、いわゆるモンスターペアレントを恐れて小さくなることもない。
学校は社会の縮図である。子どもたちの中にある差別と真っ向から立ち向かい、解決していく中で、子どもたちの友情、教師に対する信頼も生まれる。子どもたちを差別から解放する教育への改革が求められる。それが、子ども達が自ら命を絶つ、この闇を切り拓くことである。 (沢)
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2026.01.21
日本新聞
浜岡原発不正で規制委が審査中止決定
4657号1面記事
浜岡原発不正で規制委が審査中止決定
南海トラフ巨大地震の震源域・浜岡原発で「基準地震動」データ不正。「安全二の次儲け第一」の電力会社、福島の事故後も変わらず
中部電力が浜岡原発3、4号機の再稼働に向けての安全審査で、「基準地震動」のデータに不正(過小評価)があったことを発表したのが1月5日。これを受けて、原子力規制委は1月14日、審査の中止を決定した。
中部電力の林社長は7日に浜岡原発を訪れ、社員に問題の状況を説明した。ところが周辺自治体には立ち寄らず帰っていたのだ。誠意を持って、地元に経過報告する姿勢は全くない。その後、住民からの非難を受けて、14日にようやく牧之原市を訪れた。杉本市長は「これまで築いてきた信頼関係を覆す事態。我々の方から説明を要請しなければ来ない。何の報告もなく、市民も非常に不安に感じている」と抗議した。
今回の不正の中味には重大な問題が含まれている。浜岡原発は南海トラフ巨大地震のまさに震源地に存在する。マグニチュード9クラスの地震が想定されている。他の原発よりはるかに厳しい地震・津波対策でなければならない。にもかかわらず、実際より低くデータをごまかしていたのである。再稼働自体、審査するまでもなく、やってはならないことである。ましてや、これを動かそうとしている中部電力がデータをごまかし、安全二の次で再稼働に前のめりでは、実に危険極まりない。
そしてこれは中部電力に限ったことではない。基準地震動の設定は、東電福島第一原発事故以前はほとんどの原発で1000ガルを下回るものだった。実際の地震では2000ガル、あるいはそれ以上が観測されている。民間の住宅でも4000〜5000ガルが基準である。
今回の不正は、電力会社が住民の安全など全く考えていないことを露呈したものである。
浜岡原発データ不正は第二の原発事故を予告
16日、中部電力の林社長は電事連会長を辞任した。辞任すれば事足りる問題ではない。
電事連は大手電力10社からなる。その会長の会社で、地震を過小評価し都合の良いデータを採用するという卑劣なやり方だ。住民の安全など眼中になく、とにかく早く再稼働して利潤を上げたい、その一心なのだ。それが中部電力に限らず、電力会社の体質であることは否めない。
今、柏崎刈羽原発、東海第二原発、泊原発と再稼働に向けての作業が進められている。
柏崎刈羽原発は事故を起こした東電福島第一原発と同じ沸騰水型である。しかも電力会社も同じ東電である。大津波の予測に備えて防潮堤など整備していれば、事故は防がれた可能性がある。経費がかかるからとそれをやらなかった責任は大きい。その後も数々の不正があり、東電の体質が変わった根拠はない。それなのに再稼働を認めた原子力規制委も問われる。17日には、制御棒の警報装置が鳴らない不具合が起きている。
東海第二原発も福島第一原発と同じ沸騰水型。しかも首都圏の原発で、30キロ圏内に92万人が住む、40年以上の老朽原発。どう考えても、再稼働ではなく廃炉のしろもの。
泊原発は沖合にプレート境界があり、大地震、大津波の可能性が指摘されている。また、巨大噴火を起こした洞爺カルデラも近くにあり、火砕流が到達する恐れもある。
このように、いずれを見ても再稼働などやってはならない。福島の事故の被害は今も続いている。収束作業に終わりはなく、今も毎日4000人以上が被ばく作業に従事している。故郷も生業も失った人々の苦しみは今も続いている。
最も問われるべきは政府である。原発事故後、「原発に頼らないエネルギー」の方針から「最大限原発を活用」へと変節した政府。これが原発再稼働に拍車をかけたのだ。原発を動かさなくてもエネルギーは足りている。環境を守り、人々の命を守るために、原発は再稼働ではなく廃炉にすべきである。 (沢)
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2026.01.14
日本新聞
米国のベネズエラ侵略に抗議する
4656号1面記事
米国のベネズエラ侵略に抗議する
主権国家の大統領夫妻拉致、石油の権利を奪い取るねらい。意に沿わない政府転覆・植民地支配の無法許さぬ国際世論を巻き起こそう
1月3日未明、ベネズエラの首都カラカスに米軍は大規模な攻撃を行った。この攻撃で80名以上が殺された。そして米特殊部隊はマドゥロ大統領夫妻を連れ去った。
トランプ大統領は麻薬密輸など4つの罪状でマドゥロ大統領を起訴した。5日にニューヨークの連邦地裁にマドゥロ大統領夫妻は囚人服で出廷した。マドゥロ大統領は「私は無実だ。私は善良な人間でベネズエラの大統領だ。米国に拉致された」と訴えた。
主権国家の大統領を拉致して、アメリカの裁判所で裁くなど、絶対にやってはならないことである。主権尊重、内政不干渉の国際法に明らかに違反している。しかし、トランプ大統領にとって国際法など関係なく、自分が決めたことが何にも優先する法なのである。「今後は米国がベネズエラを運営する」と公言している始末だ。
今回のベネズエラ攻撃、大統領夫妻拉致については米議会への通告なしで決行され、米国内からも批判が巻き起こっている。ホワイトハウス前でもベネズエラ攻撃に対する抗議行動が展開されている。これに対してトランプ大統領は「議会は秘密が漏れるから作戦が失敗する」と開き直り、批判に耳を貸そうともしない。
西半球の支配、植民地化ねらう米国
米国によるベネズエラ武力攻撃は、米国の強さを示すものではない。逆に弱さを示すものである。アメリカ経済は衰退の一途をたどっている。実質的GDPはすでに中国に抜かれている。米国内の産業はすたれ、中国からの輸入が途絶えれば米国民が打撃を受ける。トランプ大統領の関税攻撃も、自国民の生活苦に直結した。米国は“悪人”を作り上げて、戦争を起こし、兵器を消費して儲ける作戦を繰り返してきた。パナマのノリエガ将軍、イラクのフセイン大統領、リビアのカダフィ大佐しかりである。
ベネズエラは世界一の石油の埋蔵量を誇る。石油だけではなく、金やレアアースなどの資源も豊富だ。アメリカ資本や一部の特権階級がその権益を欲しいままにしてきたところから、1998年チャベスは大統領に就任し、石油の富を国民に平等に分配する政治を実施した。マドゥロ大統領はその後継者である。
ベネズエラの石油の8割は中国に輸出されていた。「アメリカに石油をよこさず中国には供給する。これは許されない。アメリカ資本が石油の権益を奪い取る」これがトランプ大統領のねらいだ。これはイランに対しても同じだ。ベネズエラやイランからの中国への石油の供給を断つために、両国に襲いかかっているのだ。
これはアメリカの焦りを示す。今のうちに中国に打撃を与えたい。そうでなければ中国との力の差は歴然とするからである。
昨年12月、米国家安全保障戦略(NSS)は「米国が世界秩序全体を下支えする時代は終わった」とし、西半球の支配確保を最重視すると宣言した。BRICS、グローバルサウスなど、アメリカのドル支配に屈しない勢力が増えている。その危機感の中で、アメリカは南北アメリカ大陸を支配するという19世紀以来のモンロー主義(第5代米大統領モンローによる)を復活させ、意に沿わない政権は転覆させ、植民地支配しようとしているのだ。
ベネズエラの暫定政権のロドリゲス大統領は、「ベネズエラは誰の植民地にもならない」と言いながらも、米国に石油の権益を認め、自国民の命を守る道を探っている。トランプ大統領は、「アメリカがベネズエラを運営する」と公言、コロンビアへの攻撃も示唆、「安全保障のためにグリーンランドが我々には必要」とまで言っている。グリーンランドもレアアースなどの天然資源が豊富。メキシコ、キューバへも敵意をむき出しにしている。
アメリカの無法を許さない国際世論を高め、蛮行を止めなければならない。(沢)