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2026.07.29
日本新聞
国会閉幕、政府提出64法案強行成立
4684号1面
国会閉幕、政府提出64法案強行成立
審議を尽くさず、数の暴力で民主主義踏みにじるファシズム法を次々強行可決。えん罪被害を更に増やす改悪刑事訴訟法は許されない
7月25日、第211回特別国会が閉幕した。最終日の24日には、「改正国民投票案」と「副首都法案」が強行可決された。この2法案を何としても今国会で成立させたいために、8日間国会延長したのである。
政府が提出した法案64法案が成立した。衆院の勢力が自民党だけで3分の2、与党で4分の3という中で、審議も尽くさず、強行採決が繰り返された。これは与党で過半数に満たない参院でも同様で、審議は軽視された。野党とは言っても参政党、チームみらい、公明、国民民主などが賛成に回り、野党結束には程遠い状況である。そうした中で、次々悪法が決められた。
会期を延長しても決めたかったのが、24日に決めた2法案である。
副首都法案は連立を組んだ維新が何としても通したい法案で、維新悲願の大阪都構想に通じるものである。連立存続のためにも力を入れたのだろうが、私たちの生活にどう影響するのか。結局維新の地盤である大阪の企業が税金で優遇されることではないかと思われる。
国民投票法案は改憲手続きに関するもので、SNS規制もなく、金のある勢力に有利な選挙が続く。正しい情報が届かない中で、改憲の判断を強いられるのは非常に危険である。
それだけではない。
王様の国を認める皇室典範改「正」案、表現の自由を奪う国旗損壊処罰法案、プライバシー侵害、管理統制の国家情報会議創設法案など次々と悪法が決められたのである。
冤罪被害者の思いを踏みにじった刑事訴訟法見直し
7月17日には再審手続に関する刑事訴訟法改「正」案が強行可決された。刑事訴訟法が制定されたのは1948年である。実に78年経って初めて見直しが行われた。これは袴田さんの再審無罪などを機に、これ以上えん罪被害者を生み出してはならないという世論が盛り上がったからである。
しかし、成立した再審法見直しはえん罪被害者をなくすものとは間逆だ。見直しに不可欠なのは、裁判所の再審決定に対する検察の抗告の全面禁止と、全証拠開示である。ところが改「正」法は、検察の抗告を原則禁止とした。「十分な根拠があれば、検察の抗告を認める」という大きな穴がある。国会審議の中で「原則禁止なのだから、抗告は例外で極端に少ないということですよね」という質問に刑事局長は「一概にどちらが多いとは言えない」と答えている。法の抜け道をフルに使おうというねらいが見える。検察の抗告は原則禁止ではなく、全面禁止でなければならないのだ。
証拠に関しては現行法より大きな後退である。証拠は全面開示されるべきである。ところが改「正」法は、裁判所が必要と認めるものについて証拠提出命令制度が設けられた。再審請求人や弁護人に証拠が広く開示されなければならない。また、証拠一覧表の作成・提出を検察官に命じる制度が設けられていない。これでは検察官の証拠の保管状況も把握できない。
更に、検察庁から裁判所に提出された証拠の複製を再審請求やその準備以外の目的で使用することを一律禁止、違反に対して罰則まで設けた。これでは袴田さんのえん罪の決め手となった「5点の衣類」の写真のコピーは違反になるのだ。
このように大きく後退した再審法見直しが決められてしまった。冤罪被害者、遺族は大きな失望を訴えている。今後、再審法がえん罪被害者救済のために運用されるよう監視していく必要がある。
今回決められた悪法の数々は、日本のファシズム国家への歩を一層進めるものである。反差別、反ファシズム、反戦の団結を築こう。 (沢)
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2026.07.22
日本新聞
入管法改悪から3年、排斥ではなく共生へ
4683号1面
入管法改悪から3年、排斥ではなく共生へ
強制送還の恐怖に怯えながら暮らす外国人家族。難民条約に加入しながら、難民申請を却下する日本。外国人が安心して暮らせる日本に
国会議員の勢力が外国人排斥を訴える側が増え、外国人への差別・排外主義の政治が強化されている。日本にいる外国人に対するヘイトは留まるところを知らない。川口などでのクルド人に対するヘイトはすさまじいもので、学校に通うために駅に向かう子どもたちの心を深く傷つけている。
2021年3月6日、名古屋入管に収監されていたスリランカ人のウィシュマさんが、衰弱したまま放置され亡くなった。これを機に、入管の問題点が浮き彫りにされた。入管法改正が叫ばれ、2023年6月に「改正入管法」が制定された。
ところが「改正」とは名ばかりの大改悪であった。一番の改悪は、それまでの「難民申請中の強制送還はない」が、「3回目の申請が却下された者は難民申請中でも強制送還される」に変更されたことである。このため、常に強制送還の恐怖にさらされた生活を強いられているのである。
7月14日、参議院議員会館で、「入管法改正から3年 もう一度、子どもたちの声を聴いて」と題した院内集会が「編む夢企画」の主催で行われた。編む夢企画は、日本における難民認定問題や入管問題に取り組み、外国人支援を行っている。
主催の織田朝日さんは「入管法改正から3年、家族でビザが出たというケースも確かにある。しかし日本生まれでありながら、まだビザが出ていない子ども、お父さんやお母さんだけビザが出なくて、お父さんが強制送還されたら、結局子ども達も日本にいられなくなる。残された子どもたちを放っておくわけにはいかない。心ある議員の皆様に、彼女たちの声を直接聞いてほしいと、この会を開かせていただきました。基本的には撮影禁止、子どもの顔は絶対ダメです」と話された。この子達を絶対守る!という気迫が伝わってきた。
「私達はゴミじゃない!」この叫びが政府は聞こえないのか
〈高校1年女子〉
「私は2歳の時に日本に来ました。日本の小学校に入学し、今、公立高校に通っています。2024年12月1日にお父さん以外の家族5人にビザがおりました。お父さんは仮放免で、お父さんが強制送還された場合、私達みんなが帰らないといけなくなります。私達はトルコ語の読み書きもできないです。実際、強制送還されてトルコの学校に行って、留年になった人もいます。お父さんは2017年10月に入管に収容され、19カ月の収容でうつ病になってしまい、病院から“この人、外に出ないと死んじゃいます”と言われて、やっと入管から出られました。なぜ、死にそうになるまで収容するのか。犯罪も犯してないのに何故、外国人だからと捕まえるのか。お父さんが強制送還されてトルコに帰ることになったら、私たちの学校生活も終わりです」
〈高校1年女子〉
「お父さんは、25年日本に住んでいますが、ビザはなく仮放免の立場です。家族はいつまで日本にいられるか不安の中で生活しています。だからこそ私は一生懸命勉強してクラスで1番です。将来は国際弁護士になり、人権を学び、社会に貢献したいです。私は特別扱いを求めているわけではありません。日本で生まれ育った子どもたちや、何十年もこの国に来て築いてきた人たちのあゆみや努力をきちんと見てほしい。お父さんだけビザが出ない。それでは後の家族にビザが出ても意味がありません」
〈大学生女子〉
「私達はちゃんと頑張ってるし、やるべきことはやってる。それなのに見捨てられて、ゴミみたいに扱われています。オープンキャンパスに行っても“仮放免だから認められませんよ”とか言われます。仮放免だから夢もないんですか。私達もあなたたちと同じ人間ですよ。いい将来、いい夢を持ちたいです。ゴミじゃないので、私たちのことを支えてください」
〈大学2年女子〉
「お父さんだけビザを与えられていません。
日本で学校に行ってもいじめ、差別があって、いろんなことがあって日本で生きてきました。トルコに帰っても、どうすればいいんですか。トルコのことは何もわかりません。もう1回ゼロからやり直しですか。
お父さんは日本に来て犯罪者とされています。悪いこと何一つやってないのに。自分だけじゃない、ここにいる人みんな、お父さんとか家族のうち1人がビザがないです。入管で“なぜビザを出さないのか”と何回聞いても何も答えない。日本で生活しようとして何が悪いんですか。トルコで生きれないから、ひどい目にあうから帰れないんです。このことが伝わればうれしいです」
〈クルド人のお母さん〉
「子ども達にいい人生をあげたい。でも日本の外国人制度、ゼロプランひどい。今日、こうして話しても、明日も何も変わらないのがわかる。私達は普通の生活がしたい。日本は難民条約にサインした。その考えはどこにいったんですか。私は“この国を選んだのは正しかったのかな”とつらい思いで生活をしています。みなさん、どうにかしてください」
“私たちはゴミじゃない”“夢をもったらダメなのか”突きつけられた言葉はどれも重い。なんという冷たい理不尽な政治なのか。
命からがら日本に来た外国人を暖かく迎え入れ、日本で共に働けるようにビザを出すべきだ。難民として受け入れ、命を守るのは当然のことである。それはその人たちだけのためではなく、日本にとっても助かるのが実情だ。排外主義に抗議する。 (沢)
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2026.07.15
日本新聞
国の責任を農家に押しつける食糧法改悪
4682号1面
国の責任を農家に押しつける食糧法改悪
主食のコメを確保するのは国の責務。「需要に応じた生産」と農家に責任転嫁する悪法。農家への所得補償で農業継続の明るい見通しを
8日、食糧法改「正」案が参院本会議で可決、成立した。
1、需要に応じた生産の促進
2、流通事業の把握強化
3、備蓄制度の見直し
を柱とする。
1の「需要に応じた生産の促進」では、これまでの「生産調整」の記述を全く削除し、生産に関する政府の関与に関する記述がない。農家に“需要を見極めて生産しろ”と言っているのだ。
主食のコメを確保するのは国の責務である。米が足りなくならないように、備蓄も確保し、農家の生産を保障するのが政治の最優先課題だ。それを農家に丸投げして「生産量を考えろ」では、農家は安心してコメ作りに取り組めない。
2の「流通事業の把握強化」では、集荷業者や卸売業者など民間の事業者に在庫量や取引価格の定期的な方向を義務づけ、違反した者には罰則を科すことまで決めた。
3の「備蓄制度の見直し」では、民間事業者にも約20万トンの備蓄保有が義務付けられた。これも、政府が備蓄を確保する責任を民間事業者に転嫁している。
つまり、「令和の米騒動」の責任を農家や民間業者に押しつけ、今後の米の供給、流通の責任を農家や民間事業者にあるとするものである。「令和の米騒動」は、政府の責任である。長い間、経費より低い米価に何の対策も取らず、農業では食っていけないという所に農家を追い込んだ。そのため、農業人口は減る一方で、若者が後を継ぐこともできない。こうした状況を放置してきたために、起こるべくして起きたのが「令和の米騒動」である。その後の対策も、ただ備蓄米を放出して、農家に増産を促すこともない。こんな政治では日本の農業は壊滅してしまう。これが実情だ。
食を保障できない国は滅ぶ
「食を保障する国は世界を制す」という言葉がある。食料は国の安全保障である。
アメリカは戦後、食料で日本を支配した。余剰小麦を日本に買わせ、学校給食をパン食にした。「パンを食べると賢くなり、米を食べると愚かになる」という暴論をまき散らした。
アメリカの食による支配は今も続いている。日本の食料自給率はわずか38%。小麦も大豆も畜産の飼料も、ほとんどが輸入に依存している。野菜の種も海外からのものが増えている。これでは紛争や干ばつなどで輸入がストップした時、私たちは餓死の危機にさらされる。海外からの物流が止まった時、世界で一番餓死者が出るのが日本だという試算もある。
政府は「有事」で食料危機になったら、政府の命令に従い、花農家も芋を作れ、休耕田を耕して米を作れ、従わないものは罰すると決めた。実に愚かだ。危機だからといって、花を作っていた農家がすぐ芋を作れるか。休耕田で米を作れ、など愚の骨頂と言わざるをえない。何十年も米を作っていなかった休耕田で、米を作るまでには何年もかかるのである。農業のイロハも知らない政治家が、農家から何も学ばず計画を立てているのだから、全く実効がない。
東大大学院教授で農業政策について打開策を訴えている鈴木宣弘さんは、農家への所得補償を提言している。10アール当たり4万円補償すれば、農家も生きられるし、消費者も安く米を買える。そのために必要な額は約4000億円だというのである。
日本の今年度の軍事費は12兆円である。いくら軍事費を増やしても、命を守ることはできない。農家が農業を続けられるように保障し、食を確保することが一番大切な安全保障である。今回の食糧法改悪は国を滅ぼすものであり、断固抗議する。 (沢)
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2026.07.08
日本新聞
えん罪被害者救済の再審法改正を
4681号1面
えん罪被害者救済の再審法改正を
政府案は改悪。検察の抗告全面禁止、全証拠開示の明示がえん罪被害者を救済する道。これ以上、えん罪で人生を奪われない法制定を!
6月16日、再審法見直しの政府案が衆院本会議で可決された。衆院は与党が4分の3を占める状況で、更に参政党も賛成に回った。6月19日から参院での審議が始まっている。参院では与党は過半数に達していない。野党の結束が求められる。
無実の人が罪人にされ人生を奪われる、こうした理不尽に対して断固反対し、冤罪被害者を救済するために再審法を見直す、これはあまりにも当然のことである。右も左も関係ない、一致できることのはずである。しかし、法務省の幹部は検察官として任官し、検察庁と法務省を行き来しながら出世した人たちである。その人たちが考えた再審法見直しが政府案なのだから、誰の立場に立ったものかは明白である。
再審が決まっても、検察官の抗告(不服申し立て)で再審が取り消され、更に何年も何十年も先延ばしにされる。冤罪被害者は高齢になり、あるいはえん罪を着せられたまま亡くなってしまい、遺族が再審請求を引き継いでいる例も多い。その遺族もまた、高齢になっている。
何としても、冤罪被害者救済のために再審法を改正してほしい、そんな思いで全国からかけつけ、7月1日、「真の再審法改正を求める7・1国会請願行動」が行われた。
えん罪被害者を救う実効ある再審法に!
日弁連再審法改正推進室長の鴨志田祐美弁護士は「捜査機関がねつ造した証拠によって、罪もない人が罪人にされる。ようやく裁判所がやる気を出して、埋もれた証拠が出てきて再審開始が認められる。今度は検察官が不服を申し立てて何十年もかかっている。これはおかしいと再審法見直しの声が上がった。国会議員が立ち上がってくれて2024年3月に超党派の国会議員連盟が立ち上がり、2025年に改正法案を作った。検察官の抗告は一律全面禁止、再審請求人が証拠開示を請求したら裁判所は請求人や弁護人に直接開示の命令を出さなければならない、という素晴らしいものだった。これに対して法制審がひどい法案を作った。ところが衆院解散で議員連盟の案も廃案になってしまった。参政党は国会でいい質問をしていたのに、政府案に賛成した。政治の駆け引きだ。人権人道の問題を政治の道具にしてはいけない。今、国会が止まっているが、絶対諦めない」と語った。
日野町事件の坂原弘さんの長男の弘次さんは「6月19日の三者協議で、検察が有罪立証を断念し、再審無罪の確立が高くなった。第二次請求審において、証拠のネガフィルムが開示され、父の無罪が確定されようとしている。証拠開示は絶対必要。最後まで闘った、えん罪で苦しむ方々の救済になるような法改正をしていただきたい」と訴えた。
狭山事件の石川一雄さんの妻・石川早智子さんは「私は、狭山事件の犯人とされ、62年間、無実を訴え、裁判を開始してほしい、証拠を開示してほしいと訴えながら、昨年3月、無念のうちに亡くなってしまった石川一雄の妻・早智子です。夫は“証拠の開示、裁判を開始すれば真実がわかる”そう訴え続けてきた。今の見直し案では、“原則”で抜け道がある。抗告禁止、にしてほしい。私の命のあるうちに再審を開始してほしい。冤罪被害者に寄り添った、本当に人間味のある再審法に変えていただきたい」と切々と訴えた。
62年間も殺人犯の汚名を着せられ、無念のうちに亡くなった石川一雄さん。部落差別によるえん罪と真っ向から対峙して闘った。生まれ変わる時は、またこの村に生まれ、差別と闘いたいと訴えている。
実効ある再審法見直しを求める国会議員たちを励ます訴え、デモの隊列に応える闘いが望まれる。 (沢)