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2026.06.24
日本新聞
戦争に向かう憲法改悪許さぬ運動を
4679号1面
戦争に向かう憲法改悪許さぬ運動を
多国間共同訓練で鹿児島の海自基地でアメリカのミサイル一時配備。中国が射程に入る挑発行為の中止を。反戦運動の前進を克ち取ろう
6月22日から多国間共同訓練「バリアント・シールド」が開始された。参加国はアメリカと日本で7月1日まで実施される。この訓練でアメリカは鹿児島県海自航空基地に、中距離ミサイルシステム「タイフォン」を配備する。
タイフォンは中国に届く射程である。2025年9月の日米合同訓練でも、米軍岩国基地にタイフォンが配備された。中国は「地域の軍拡競争と軍事対立のリスクを高める」と抗議している。今回も一時配備とは言っているが、海自基地への配備であり日本に対しての非難は必至である。「バリアント・シールド」は7月1日までだが、別な訓練もあり、配備は10月中旬まで続くとされている。フィリピンでは、2024年4月のアメリカとの共同軍事演習でタイフォンが配備され、現在までそのままで常設態勢に入ったとされている。
そもそも何のための配備かが問題である。タイフォンは射程1600キロで、トマホークも搭載できる対艦・対地攻撃用システムである。今回はシステム立ち上げから発射までの作業を確認するとしている。まさに実戦のための訓練である。
この訓練の費用は防衛費から支出されているというが、額については明らかにされていない。日本の自衛隊がアメリカの戦略下で、米軍の一部隊であるかのようにして、このような訓練を繰り返している。日本の税金を使ってである。
このような、日本が戦争に巻き込まれる軍事訓練を私達は認めてはいない。何の審議もなく、日常的に行われている。このような憲法違反を許さないと、声を大にして訴えなければならない。
戦争合法化のファシズム国家完成へと向かう高市政権
国会では国旗損壊法案、国民投票法案などが審議されている。とは言っても、衆院は自民単独で3分の2を超え、維新と合わせて4分の3を占めている。法案は衆院通過後、参院で否決されても、衆院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決されれば成立となってしまう。非常に危険な状況である。
国旗損壊法案は、「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法で、公然と国旗を損壊、除去、汚損した場合、2年以下の拘禁刑か20万円以下の罰金を科す」というもの。「著しく不快または嫌悪の情を催させる」これは誰が判断するのか。拘禁刑や罰金を科すことが妥当だと誰がどう判断するのか。この法案提出に「日本を天皇中心の国にする」と掲げている勢力が含まれているのだから、日本がますますファシズム国家に向かっていく危機感は否めない。
改憲の手続法である国民投票法案も審議されている。改憲は、国会議員の提案(衆議院は100人以上、参議院は50人以上の賛成)により憲法改「正」案が提出され、衆参両院の憲法審査会で審査。両院のそれぞれで総議員の3分の2以上の賛成で可決される。それで「発議」されたとなり、発議後60日~180日以内に国民投票が行われ、有効投票数の過半数の賛成で改憲が成立する。
国民投票のためには正しい情報が提示されなければならない。テレビやネットなどの情報が大きく作用する。現在提出されている国民投票法案では、広告規制の問題は放置されたままである。現行法ではテレビやラジオなどの放送広告は、投票前14日間を除いては規制がない。いくら資金を投じても制限もない。インターネットやSNSの利用の規制は何もない。衆院選で自民党は10億円もかけてネットやSNSの動画配信など行った。野党候補の中傷動画配信の疑いもある。こうした状況を野放しの国民投票法案は認められない。
9条に自衛隊を加える自民党案では、不戦、戦力不保持の9条がされてしまう。平和憲法を守り、戦争反対の運動の前進のため、力を合わせよう。(沢)
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2026.06.17
日本新聞
十分な審議を尽くした再審法見直しを
4678号1面
十分な審議を尽くした再審法見直しを
政府案で政府与党と参政党が合意。政府案の強行採決ではなく、検察官の抗告全面禁止、全証拠開示明記の議員立法案に近づける審議を
6月12日、再審制度を見直す刑事訴訟法改正案が衆院法務委員会で可決した。政府与党に加えて参政党が賛成に回った。16日の衆院本会議で可決し、衆院通過の見通しだという。
可決された政府案は、検察の抗告禁止を原則とし、「十分な根拠があれば抗告できる」としている。検察は再審を拒否するのではなく、再審の法廷で堂々と主張すればいい。いたずらに再審を遅らせ、えん罪を着せられた被害者を苦しめる検察の抗告は断固禁止すべきである。また、証拠開示の目的外使用禁止も大きな問題だ。修正された政府案で、改正法施行後5年ごとの見直し対象となる制度として、開示証拠の目的外使用禁止と検察官による証拠一覧表開示を入れたというが、あくまで付則に入れたに過ぎない。
国会で「検察官の抗告は原則禁止で、抗告は例外で極端に少ないということですね」という質問に刑事局長は「一概にどちらが多いとは言えない」と濁している。結局今までと同じで、「特段の理由がないから抗告する」となりかねない。
参政党が賛成に回ったことで、与党少数の衆院でも政府案が可決・成立の危険性が高まってきた。
冤罪被害者のための再審法改正を!と集会開かる
国会での審議の最中、6月8日、衆議院第一議員会館で「今こそ国会の出番!えん罪被害者のための再審法改正を」集会が開催された。
日弁連再審法改正推進室長の鴨志田弁護士から、今日までの経過について詳しい説明があった。
「再審法改正については2年前に国会議員の皆さんが超党派で134名で議員連盟を作ってくれた。右も左も関係ない。人権、人道の問題だ。昨年の通常国会閉幕時には加入議員388名。衆参両議院の過半数。議員連盟提出の法案には全証拠開示、検察官の抗告は全面禁止、有罪判決に関わった裁判官をその後の再審請求、再審公判に関わらせないなど、すべて含まれていた。秋の臨時国会でも継続審議になっていたが、今年1月の衆院解散ですべて廃案となった。
今、政府案と議員立法案が出されている。政府案の検察の抗告原則禁止、証拠の目的外使用禁止、これを修正しなければならない。証拠が請求人に直接開示されるようにしなければならない。
当事者は高齢化している。大崎事件の原口さんは99歳、名張毒ぶどう酒事件の元被告は亡くなり、妹さんは96歳、今は第11次再審を闘っている。狭山事件の石川一雄さんは去年亡くなり、妻の早智子さんは79歳。国会は唯一の立法機関。民意を立法に反映させてほしい」
冤罪被害者の切実な訴え
袴田ひで子さん(再審無罪となった袴田巖さんのお姉さん)は「袴田事件が起きた時、私は33歳だった。再審無罪になった時、91歳になっていた。再審法改正を実現していただきたい。いい証拠も悪い証拠も全部出してみていただく。袴田事件も証拠が出てきて、支援者が味噌漬け実験をやったりしてえん罪を晴らした。人間の作った法律を改正できないことはないはずだ」と訴えた。
石川一雄さんの妻の早智子さんは「62年間、狭山事件の犯人とされ、旅立ってしまった石川一雄の妻です。第4次再審を私が請求した。証拠を開示してほしい。鑑定尋問してほしい。再審を開始してほしい。制限のない証拠の開示を国会議員の皆さん、頑張ってほしい。私達が、国民が見守っている。夫は亡くなった今も見えない手錠をかけられている。その無念が晴れるように願っています」と切々と訴えた。
「証拠は検察官のものではない。冤罪被害者のものだ」という村山浩昭弁護士の言葉は説得力があった。
現行法より証拠開示が後退する政府案をそのまま通すことなく、冤罪被害者を救済する再審法見直しにすべく、十分な審議を求める。 (沢)
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2026.06.10
日本新聞
政府の原発建て替え計画に抗議する
4677号1面
政府の原発建て替え計画に抗議する
経済産業省が廃炉を決めた原発の建て替え数値目標を発表。原発推進、原発頼みに前のめりの危険な方針。原発のない安全な社会実現へ
6月5日、経済産業省は廃炉を決めた原発を建て替える目標を数値を出して発表した。それによると、2040年代までに2~5基、2050年代までに11~14基を建て替えるという。現在、世界的に見ると、原発の建設コストは1基数兆円に高騰している。
2011年3月に東電福島第一原発が次々水素爆発するという過酷事故を起こした。放射性物質の拡散は世界的規模であり、世界に原発の危険性を知らしめた。日本でも事故直後は、原発依存度の低減方針を出していた。
ところが事故からわずか3年後の2014年4月、安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」とした基本計画を閣議決定。2022年4月、岸田首相は「原発を最大限活用する」と表明した。そして今回の経産省による建て替え数値目標発表である。政府は2040年度の電源構成としては、原子力で20%をまかなうとしている。2024年度は9.4%だったという。そのための建て替えだというが、巨額の費用をかけて、計り知れないリスクを作り出すなど愚の骨頂である。
今回の発表に先立って、関西電力は昨年7月、美浜原発での次世代型原発への建て替え方針を発表した。市民団体「原発をなくす全国連絡会」は関西電力の原発新設方針に抗議し、撤回を求めている。「脱炭素を考えるなら再生可能エネルギーへの転換に、時間と費用を使うべきだ。福島第一原発事故から15年、今も被害は続いている。いまだに多くの人々が故郷へ戻れず、生業、コミュニティーも壊されたままであり、補償も十分に行われていない。被害から目を背け、事故の教訓を忘却し原発回帰は許されない。関西電力美浜原発での次世代型原発への建て替え方針に抗議し、撤回を求める。すべての原発の廃炉と再生可能エネルギーへの転換を求めて闘い続ける」という声明を出している。政府は市民の声に耳を傾けるべきである。
原発に頼らない社会をめざす「10の理由」
原子力資料情報室はなぜ脱原発なのか「10の理由」を明確に示している。
⑴放射能被害の危険性
チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故に見るように、事故が起きれば放射能が大量に放出される。放射能の寿命は長く、被害は長く続く
⑵放射性物質は増え続ける
通常、原発を動かしている限り、放射能のゴミが大量に発生し続ける。10万年以上隔離の必要があるものもあり、「負の遺産」が増え続ける
⑶核拡散の危険性
プルトニウムや高濃縮ウラン生成は、核兵器製造につながる
⑷労働者の被ばくを伴う
原発の中では多くの労働者が被ばく労働を強いられている。被ばく全体の95%以上が電力会社の社員ではない下請け労働者。また、ウラン鉱山や使用済み燃料の再処理工場でも労働者は被ばくしている
⑸関連施設での危険
原発では核燃サイクルの関連施設が数多く必要。これらの施設も事故の危険性を抱えている
⑹地域の自立や平和を損なう
原発立地自治体では電源三法交付金などで財政が一時的に潤う。地域の自立が妨げられ、地域住民の間に対立が持ち込まれる
⑺情報の隠ぺいやねつ造が起きる
閉鎖的な「原子力ムラ」が形成され、研究費や人事第一になりかねない
⑻原発は無駄が多い
原発は発電時のロスが多く、発生した熱の65%以上が温排水として海に捨てられる。出力調整用の発電所が必要になり、火力、水力などの発電所が余分につくられる。無駄が多い
⑼温暖化を進める
原発を増やせば他の発電所も増え、むしろ温暖化を進める
⑽大停電を起こしやすい
大地震が起きると一斉に原発が止まる。いったん停止すると再稼働までに長い時間がかかり、大停電になりかねない
福島第一原発の廃炉作業も進まない中、原発への回帰はあってはならないことである。原発建て替えではなく、原発からの撤退を求める。 (沢)