日本新聞
朝鮮学校にも高校無償化を適用せよ
4672号1面
朝鮮学校にも高校無償化を適用せよ
2010年の高校授業料無償化実施から16年目。いまだに無償化から排除され続ける朝鮮学校。政府は朝鮮学校生の声に応え差別政策やめよ
高校授業料無償化は2010年民主党政権のもとで実施された。しかし、政治問題を理由に朝鮮学校への適用は不当にも凍結された。2013年第二次安倍政権時に対象から除外が決定された。全国で朝鮮学校への無償化適用を求める裁判が行われたが、ことごとく敗訴という不当判決が下された。朝鮮学校の生徒や保護者は毎週金曜日、文科省前で無償化適用を求めて「金曜行動」を行い続けてきた。
今国会で「改正高校無償化制度」が成立した。これは高校無償化拡充と外国人学校無償化の廃止及び別途支援策を盛り込んだもので、外国人学校生徒への別途支援策も不安定なものとなってしまった。朝鮮学校については、別途支援策からも除外という、全くひどい決定である。このような改悪に対して、4月23日、「全国朝鮮学園連絡会」「全国朝鮮学校保護者会連絡会」「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」「日本と朝鮮を結ぶ全国ネットワーク」「朝鮮学校への公的助成を求める国会議員有志の会」の主催で、抗議行動、院内集会、記者会見が行われた。
差別のない当たり前の政治に
参議院議員会館前での抗議行動では、朝鮮高校生、大学生から次々怒りの声が上げられた。
「私達は15年間各地で、高校無償化から朝鮮学校だけを排除する日本政府に対して、反対運動を行ってきました。なぜ朝鮮学校を除外し続けたのか。この問いに対する答えの代わりに日本政府は、この4月から外国人学校に通う高校生全員を無償化から除外した。朝鮮学校だけじゃないよ、と言わんばかりに。
日本政府は高校無償化新制度を改め、朝鮮学校に学ぶ権利を保障しろ!全ての外国人学校に高校無償化制度を適用せよ!」
「私は朝鮮舞踊部に所属しています。朝鮮学校の部活の中でも、特に民族性があふれる素晴らしい部活が朝鮮舞踊部です。“衣装、すごくきれいだね”“素晴らしかったよ”と言われて、自分の民族性を認められたようでうれしかった。自分の民族に誇りを持って、堂々と生きることは、悪いことなのでしょうか。次の世代、また次の世代の子ども達が笑顔で朝鮮民族の誇りを持って羽ばたいていけるようにしたい」
「あなたたちは見えているのか。お金もない中で、財政的補助も受けられず、高い授業料を払い、アイデンティティーを守り抜くために、子ども達を朝鮮学校に通わせる保護者達の姿が。人間の尊厳の問題だ。すべての在日外国人学校への差別を撤廃せよ!」
院内集会で元文科相事務次官の前川喜平さんは、基調発言で、「今回、外国人学校をすべて無償化から排除したが、他の学校は予算上、措置する。結局、朝鮮学校だけ除外。子どもの権利条約、国際教育条約にも反する。過去の侵略の歴史、人権の過去を学ぶのが大事。負の歴史に向き合い、政治を変えていきたい」と語った。
神奈川高級学校3年男子生徒の「両親は必死に働き、税金も払っている。朝鮮学校の授業料は高くなっているが、それでも朝鮮学校に通わせてくれている。無償化適用で少しでも楽をさせたい」という発言が響いた。
東京朝鮮中高級学校高級部3年女子生徒の「学校の外で朝鮮語を話していた時、後ろ指を指されたり、“チョンしかいない”と舌打ちされたり、命の危機さえ感じた。朝鮮学校は朝鮮人として誇りを持って生きることを教えてくれた。差別のない未来を作るまであきらめない」という言葉は重い。差別の問題と向き合うことなしに、私達も人間になれないと痛感した。
政府は朝鮮学校への差別政策をやめよ。 (沢)