安保法制=戦争法は明らかに憲法違反
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安保法制=戦争法は明らかに憲法違反
安保法制違憲訴訟で憲法判断をしない裁判所。まだ「具体的な被害を受けていない」と住民側の控訴棄却。戦争放棄の憲法9条の堅持を
2015年9月19日、安倍政権下で安保関連法案が強行可決された。連日のように国会前では「戦争法反対!」「安保関連法案は廃案に」という抗議の声が響いた。その声を無視して、安保関連法案は成立となった。もうじき11年になる。
これに対して、全国22の裁判所で25の安保法制違憲訴訟が提起され、7699名の市民が原告となり、1685名の弁護人が代理人となった。安保法制が決まる前年の2014年7月1日、安倍政権(当時)は憲法の解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。戦争放棄、戦力不保持の憲法9条堅持の国のあり方を全く変えてしまう一大転換である。それを国会の審議もなく、閣議決定で決めてしまうのは暴挙に他ならない。
全国でこの暴挙に抗議する運動として、安保法制違憲訴訟が闘われたのである。
憲法判断もせず門前払いの裁判所
安保法制違憲訴訟全国ネットワーク代表の内山新吾弁護士は「最高裁まで、憲法判断をすることなく、わずか数行の門前払い。憲法の守り手である裁判所が司法権の存在意義を自己否定した。違憲訴訟は原告一人一人の生き方と平和への決意が込められた訴訟。権力をしばる憲法を活かす、戦争の歯止めとしての9条を活かす。最高裁がダンマリを決め込むなら、私達が声を上げます」と声明を出している。
これまでの裁判では地方、高裁、最高裁共に憲法判断を示さずに却下している。仙台高裁のみが「憲法9条に明白に違反するとまでは言えない」と、憲法判断に踏み込んだ。とはいえ、憲法9条と相容れない戦争法が憲法違反ではないと言える根拠はない。
8月5日、名古屋高裁は、愛知、岐阜、三重県の住民らが、平和に生存する権利などを侵害され精神的苦痛を受けたとして、一人あたり10万円の損害賠償を求めた請求を棄却した。一審同様、憲法判断は示さなかった。
22地裁・支部に提起された安保法制違憲訴訟はすべて棄却された。現在、係争中の同訴訟は1件のみで、安保法制違憲「女の会」訴訟が最高裁に上告されている。
「女の会」は、安保法制が差別と暴力をなくそうとしてきた女性たちの歩みを否定した、と訴えている。福島みずほさんは「安保法制は明確に憲法違反。安保関連法をはじめとした法律の成立とその後の憲法破壊が、国会審議を形骸化し、国会議員の権限を削っている。日米地位協定に基づき、米軍は日本全体を使うことができる。日本列島全体が軍事要塞化し、攻撃の対象になり得る」と被害の実際を訴えている。
戦争しない国から戦争する国へと変質する国の危機に対する訴えに、司法は何も応えない。アメリカ隷属で、アメリカの駒として戦争させられる道を突き進む高市政権。アメリカに攻撃されて、ホルムズ海峡の封鎖に及んだイランを声高に非難し、攻撃したアメリカは非難しない。今、トランプ大統領が「ホルムズはアメリカ領だ」と言っているが、高市首相は何も非難しない。ICC(国際刑事裁判所)の赤根所長へのアメリカの制裁発動にも抗議しない。
これで日本が守れるのか。アメリカの戦略下で戦争させられて、ほろびるだけである。
“攻撃されたらどうする、そのために軍備増強は必要だ”、そうだろうか。日本が「台湾有事」を叫び、ミサイル基地を次々建設し、中国や朝鮮に向けることで、攻撃の可能性を作っている。平和外交でアジアの国々と友好・連帯の道を歩み、戦争しない道へと舵を切ることである。それが日本の唯一の活路なのである。 (沢)