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2026.09.30
日本新聞
さようなら原発全国集会 雨の中4000人かけつける
4693号1面
さようなら原発全国集会雨の中4000人かけつける
福島原発事故の被害は今も続いている。危険な原発ではなく持続可能なエネルギー政策、戦争ではなく平和な世界を築こうと訴え響く
9月23日、代々木公園で「さようなら原発9.23全国集会」が開催された。主催は「さようなら原発一千万署名市民の会」。あいにくの雨の日だったが、4000人がかけつけた。
今も福島では毎日4500人以上の作業員が、被ばく作業に従事している。事故のために、ふるさとを捨てざるを得なかった人も多い。そんな中、政府は「原発を最大限利用」とエネルギー基本計画を変更し、再稼働を推進している。
“このような無謀な愚策を許してはならない、原発はさようならだ”と、雨の中、4000人もの人が集ったのである。
戦争に向かう政治を許さない
呼びかけ人の鎌田慧さんは「高市内閣はトランプの戦争政策に対して全く抵抗力がない。今、原子力潜水艦をテコにして核武装が始まっていくというストーリーまでできている。福島の事故以来、原発は減らしていくのが内閣の約束だった。ところが岸田内閣以来、『最大限に利用』と、180度転換した。原発は未来がないという運動を拡大していきたい。私の故郷青森県六ケ所村の再処理工場は全く稼働していない。もう30年経った。27回も稼働に失敗している。
私たちは、高市内閣の原発推進政策と対決し、自然エネルギーで行こうという運動を、地道に着実に広げていきたいと思っている。今日は元気に行進していこう」と語った。
次の世代も安心して生きていける未来を作ろう
メインスピーチはピースボート共同代表の畠山澄子さん。
「朝起きてスマホを見たら、どこかで核兵器が使われたっていうニュースが入ってくるんじゃないかと不安だ。今の世界ならあり得る。
この夏、世界各地で豪雨や洪水、土砂崩れが起きた。2年前、地球一周で訪れたアラスカの氷河を思い出す。地元の人がずっと向こうを指しながら、〝20年前はあそこまで氷河だった〟と言った。私達が生きている地球そのものが変わっていると実感した。
戦争、核兵器、自然災害のニュースを見るたび、“もしそこに原発があったらどうなるんだろう”と考える。2011年、地震と津波、福島第一原発事故が重なった福島では、たくさんの人が避難を余儀なくされた。今も帰れない人がいる。
事故が起きなくても、原発は使用済み核燃料という非常に長い時間管理しなければならないものを残す。ウランを掘る場所、原発を建てる場所、核のゴミを置こうとする場所、そこには暮らしている人がいる。その人たちの声はかき消されてきた。
ピースボートでは小さい島国の若者達と一緒に世界を回る。その若者達から“このまま海面上昇が進めば、近い将来、自分たちのふるさとは無くなるんだよ”と言われた。衝撃だった。気候変動の責任がない人たちが最初に深刻な被害を受ける。
原発、核兵器、戦争、これらは全部つながっている。エネルギーの未来を自分たちの手に取り戻すことが大切。ドイツの小さな町で、チェルノブイリ原発事故をきっかけに住民が動き、住民投票などを経て、1997年に地域の電力網を市民の手に取り戻した。日本でも、市民共同発電、地域の太陽光発電、営農型太陽光など、自分たちの地域で使うエネルギーを自分たちの手で作っていこうという取り組みが各地にたくさんある。
技術は人間の素晴らしい力だ。でもその技術が人の命を傷つけ、地球を傷つけ、まだ生まれてもいない人たちにまで大きなリスクを残す。それがわかったら、立ち止まり、舵を取り直せるのも人間の力だと思う。18年前、北米の先住民の人たちから“7世代先のことまで考えて物事を決める”考え方を学んだ。
戦争のない未来、核兵器のない未来、原発に依存しない未来を、次の世代も安心して暮らしていける未来を作っていきたい」
リレートークでは、「ワタシのミライ」の立山大貴さんは「“気候変動の危機を止めるために原発は画期的”という情報が飛び交った。しかし原発は人権の問題だ。都市で使う電気のために、地方がそのツケを払わされるのはおかしい」と訴えた。
原子力資料情報室の高野聡さんは「国は高レベル核廃棄物の最終処分に向けた第一段階の文献調査実施地域拡大に前のめりになっている。茨城県常陸大宮市に対しても申し入れをした。国がやるべきことは、これ以上核のゴミを増やさないこと。強く抗議しよう」と呼びかけた。
「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」の笠谷航平さんは「311当時子どもで甲状腺がんにり患した人たちが、東電に賠償を求める裁判をしている。自分と同世代の人たちが原告で、ものすごい不利益を被っている。進学も就職も選択肢が狭められ、希望をあきらめなければならない。原発さえなければ病気と闘う必要も、何かを諦める必要もなかった。東電には償ってもらいたい。この裁判を是非支援してください」と訴えた。
原発事故のために被ばくし、今も苦しんでいる若者達が400人以上いる。二度とこのような惨事を繰り返さないために、原発は再稼働ではなく廃止すべきだ。参加者は原宿コース、渋谷コースに分かれて、「原発反対!」「再稼働反対!」と街ゆく人たちに訴えた。
(沢)
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2026.09.23
日本新聞
中部電力が浜岡原発再稼働の申請取り下げ
4692号1面
中部電力が浜岡原発再稼働の申請取り下げ
安全より儲け第一の電力会社の本質あらわ。東電が大津波到来を予測しながら対策取らなかった結果の福島第一原発事故。原発は廃止に
9月14日、中部電力は浜岡原発再稼働に向けた原子力規制委への審査申請を取り下げると発表した。
中部電力は、最大の地震の揺れ「基準地震動」を1200ガルとし、それに合うデータを恣意的に選んで、データ偽造をしていた。データに合わせて基準地震動を決め、それに見合うように原発の安全対策を行うのが正しい。中部電力が決めた「基準地震動」にデータを合わせるなど、実に危険だ。原発の基準地震動はあまりにも低いもので、1000ガルに満たない原発が多い。一般の住宅でも、4000ガル、5000ガルの基準なのに、重大事故につながる原発の基準地震動の低さは、そのまま、電力会社の安全軽視、経費削減優先の姿勢が見える。
東電福島第一原発事故は、防潮堤をはるかに超える津波で電源が停止し、大爆発事故につながった。東電は15メートルを超える大津波を予測していたのである。予測しながら、経費がかかるからと対策を講ぜず、放射性物質が国内外に拡散する大事故を引き起こした。
今回、中部電力は再稼働申請の審査中にデータ改ざんし、それが発覚して改善を求められている最中にも改ざんした。だから悪質極まりないと言われている。確かに悪質極まりない。では、安全軽視で大事故を起こした東電はどうか。そして他の電力会社は安全を第一にしているのか。
データ改ざん続けてきた大手電力会社
中部電力の基準地震動のデータ改ざんは、2012年頃から行われてきた。地震の揺れを小さく見せるためである。
2002年に発覚した東電の改ざんがある。これは1980年~1990年代のことで、福島第一、第二、原発で点検記録を改ざんしていた。炉心シュラウド(原子炉圧力容器内にある炉心を囲む円筒状のステンレス鋼製構造物)などのひび割れや損傷を長年隠ぺいし、工事記録を改ざんしていた。
2006年~2007年には大手電力会社10社と電源開発、日本原電で、1万6000件を超える温排水データ改ざん、不適切処理などが一斉に発覚した。このように、電力会社に誠意ある姿勢はない。不正が見つかれば幹部の首をすげかえて、社の体質は何も変わらない。
東電を見ればよく分かる。福島第一原発のあれだけの大事故を起こしながら、原因も明らかにしない。被害者への支援も早々に打ち切っている。必死に福島の漁業を復興させようと努力してきた漁民の努力を踏みにじり、汚染水の海洋投棄を強行し続けている。
更に、柏崎刈羽原発6号機の再稼働で、今年1月21日に再稼働したが、制御棒の異常警報、非常用ディーゼル発電機の不具合などのトラブル発生。その後、2月9日に再起動、4月16日に営業運転を強行している。当然のことだが、地元住民からは不安の声があがっている。トラブルが起こる前から、福島第一原発と同じ沸騰水型原発の柏崎刈羽原発を東電が動かすこと自体に、反対の声があげられていた。
福島第一原発の事故現場では、今も毎日4000~4500人の作業員が被ばく作業に従事している。福島の子どもたちの甲状腺がん発症率は通常の1000倍を超えている。事故による放射線被ばく以外に説明はつかない。東電はこの実際を認めようともしない。(3面参照)
原発事故はいまだに収束していない。ところが政府はエネルギー基本計画で“原発の最大限活用”の方針を出し、再稼働を進めようとしている。電力会社も政府も安全軽視である。
原発再稼働をやめ、すべての原発を廃炉にすべきである。 (沢)
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2026.09.16
日本新聞
外国軍との軍事訓練増やす自衛隊
4691号1面
外国軍との軍事訓練増やす自衛隊
空自、F2戦闘機をインドに初の派遣、昨年は欧州に派遣。「口先だけでない連携示す」と防衛省。アメリカを軸とした戦闘態勢強化の危険
航空自衛隊が9日からの共同軍事訓練のために、インドに初めてF2戦闘機3機を派遣した。日本からの派遣だけではなく、外国から日本に戦闘機が飛来することも頻繁になっている。
2016年
イギリス戦闘機「タイフーン」が三沢基地に
2025年9月
米国やイギリス、ドイツ、カナダに空自のF15戦闘機4機派遣
2026年3、4月
オランダの戦闘機が飛来し、日米オランダの共同軍事訓練
2026年9月15~18日
フランスの戦闘機「ラファール」4機が百里基地に飛来し、共同軍事訓練の予定
このように日常的に戦闘機を使っての実戦さながらの軍事訓練が、国際的な規模で行われているのだ。
今年に入ってからの主な軍事訓練だけでも次の通りである。
バリカタン26(4月20日~5月8日)
米、フィリピン主催日本他、多数参加 場所:フィリピン
ヴァリアントシールド2026(6月22日~7月1日)
米国主催 多国間 場所:宮城県、鹿児島県、周辺空海域、ハワイ、グアム
レゾリュート・ドラゴン26(6月20日~30日)
日本とアメリカ 場所:九州・沖縄各地
サザンクロス26(7月6日~16日)
日・米・豪 場所:オーストラリア
リムパック2026(6月24日~7月31日)
米海軍主催、多数国 場所:ハワイ諸島周辺
フリーダム・エッジ26(9月7日~11日)
日・米・韓 場所:東シナ海(済州島南方)および周辺
この他にも多数の共同軍事訓練が行われている。防衛省は2027年度予算の概算要求に約8.9兆円を計上した。過去最大である。その他に事項要求として額を示していないものもあり、更に額は膨れ上がると予想されている。それぞれの軍事訓練にどのくらいの額が費やされているかは、明らかにされていないが、2026年度は軍事訓練に8000億円強の予算が組まれているという。この額以外に、米軍がグアムやアラスカに訓練を移転させる費用として、日本が毎年約114億円も負担しているという。全く納得できない。
軍事訓練は「抑止力」でなく有事を引き起こすもの
これらの軍事訓練を「中国に対する抑止力だ」という論が、アメリカを発信源にふりまかれている。アメリカは常に自分の軍事力行使は「正義」なのである。“ホルムズ海峡を開放しないイランが悪い”と宣伝されているが、本末転倒である。イランはアメリカとの交渉の中で、核兵器はもたない、高濃度放射性物質は希釈するとし、交渉は平和りに終了するところまでこぎつけていた。その時、アメリカとイスラエルはイランを攻撃し、ハメネイ師をはじめイランの幹部を攻撃し殺害したのである。意図的に戦争を引き起こしているのがアメリカなのである。
「中国に対する抑止力」と言うが、中国がどこかの国に攻撃を仕掛けた、戦争したという事実はない。第二次世界大戦後の世界を見ると、アメリカが、反対する国を「ならず者国家」とレッテルを貼り、攻撃を仕掛けたり、大統領を拉致してアメリカの裁判にかけ拘束するなど、全く非道なことを続けている。「抑止力」ではなく挑発をかけているのである。
日本はアメリカの戦略下で、九州、沖縄などの南西諸島にミサイルを配備し、そこに住む人たちを危険にさらしている。「有事」にしないためには武力ではなく、平和外交を行い、アジアの一員としてアジアの友好・連帯へと歩み出すことである。日本の軍事強化はアジアの国々に、日本が再び軍事大国になるのではないか、侵略戦争を繰り返そうとしているのではないかと警戒されている。
武力で何も解決しない。中国をはじめとするアジアの国々と力を合わせ、平和を築くことが日本の未来を拓くことである。 (沢)
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2026.09.09
日本新聞
関東大震災時の朝鮮人虐殺の事実は消せない
4690号1面
関東大震災時の朝鮮人虐殺の事実は消せない
各地で連日、追悼と連帯の集会開催。朝鮮人・中国人虐殺の史実を直視し、外国人排斥の動きを止め、二度と繰り返さない運動広げよう
9月1日、の大災害であった関東大震災から103年を迎えた。103年前、大災害を利用して、朝鮮人や中国人が大虐殺された事実を私たちは決して忘れてはならない。
各地で、犠牲となった朝鮮人の追悼式が行われた。
9月5日、荒川河川敷で「韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」が行われた。主催は「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」「一般社団法人ほうせんか」「100周年追悼式実行委員会『百年』」である。
運営は100周年の時から「百年」(ペンニョン)の若い世代が担っている。そして高市首相は1995年当時、「私自身は当事者とは言えない世代ですから、反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもない」と国会で言い放っている。虐殺を否定する、あるいは「記録がない」などとしらを切る日本政府。
過去に目をつむるのではなく、日本がした負の歴史を直視して、二度と繰り返さない、それが私達日本人の責務である。
荒川河川敷には720人を超える人々がかけつけ、虐殺された朝鮮人、中国人の霊を悼んだ。
「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」と「一般社団法人ほうせんか」は、「追悼碑の横の『ほうせんかの家』をたずねてくれる人との日常的なふれ合いが私たちの活動の中心です。しかし、日本社会を良くしていく道は遠い。週刊新潮(2025.7.31号)は高山正之の『創氏改名2.0』という差別コラムを堂々と掲載。“日本籍であっても朝鮮にルーツがある者はそれがわかる名前を使ったうえで『反日的な』主張をせよ”というものだ。関東大震災時の虐殺事件についても、小池百合子都知事の追悼文拒否が続いている。『持久戦』を粘り強くしなやかに続けていきましょう」と呼びかけた。
ペンニョンのメンバーからは、勉強会で虐殺は地震の混乱の中で突発的に起こったことではなく、植民地支配の構造が深く影響していたことを実感したと話され、「ほうせんかの家」の開所を土曜日の他に火曜日も行い、火曜日はペンニョンのメンバーが中心に行っていることが報告された。活動が若い世代に引き継がれていることは希望だ。
中国人犠牲者の遺族からは「関東大震災は、数百人の中国人、数千人の朝鮮人の命を奪う人為的な惨劇を引き起こした。極度の外国人嫌悪と暴力的な迫害で命を落とした。迫害は今日も新たに呼び起こされている。歴史を記憶することは、苦しみに別れを告げること。過去を記憶することは、平和的未来を確かなものにする」と託した手紙が寄せられた。
朴保さんの力強い歌声には強い怒りと、犠牲者の霊を悼む思いが感じられた。最後のプンムルは華やかで、朝鮮民族の明るさ、強さを示してくれた。
差別と虐殺に抗う
8月29日には日本教育会館で朝鮮人虐殺の真相究明を求める集会が開催された。
フォトジャーナリストの安田菜津紀さんから「差別と虐殺に抗うために」と題した講演があった。
安田さん自身の体験が印象に残った。いつもはお母さんに絵本を読んでもらうのだが、ある日、お父さんに「読んで」と読んでもらったが、お父さんはなかなか読めない。「もういい。お父さん、日本人じゃないみたい!」と言った。後日、戸籍を見て、お父さんが韓国籍だと知ったという。ひどいことを言ってしまったと。そこから安田さんが真実を求め報道するフォトジャーナリストへの道が始まったのだと思う。差別に抗う闘いに終わりはない。
二度と虐殺の歴史を繰り返さない
9月1日、関東大震災から103年の日に、都立横網町公園朝鮮人犠牲者追悼碑前で「関東大震災朝鮮人虐殺103年東京同胞追悼会」が行われた。主催は在日朝鮮人総聯合会東京都本部・東京朝鮮人強制連行真相調査団、後援は平和フォーラム。
朝鮮総聯東京都本部常任委員会・鄭斗徹委員長は「日本政府は総聯と在日同胞、私たちの学校の生徒たちに対する不当な民俗的差別と人権侵害を即刻やめ、心から謝罪し補償するとともに、在日同胞が当然享受すべきすべての権利を保障する措置を取ることを強く要求する」と述べた。
「東京朝鮮人強制連行真相調査団」の西澤清代表は「今、街頭に“戦争反対、平和をつくろう”と大勢の若者が出始めた。また、労働者の代表団体や民衆の方が運動に加わり、学習会や行動を重ねている。平和をつくる力は人の輪を大きくすること。力を合わせて差別や貧困のない平和な社会を作り上げるため、一層奮闘することを犠牲者の方々にお誓い申し上げます」と語った。
今年の追悼式は、外国人排斥、ヘイトスピーチの横行など暗雲垂れ込める情勢下で行われた。それを変えるためにも差別反対、戦争反対の声を広げようと強く呼びかけられた。その呼びかけに応える運動を繰り広げていこう。 (沢)