日本新聞
入管法改悪から3年、排斥ではなく共生へ
4683号1面
入管法改悪から3年、排斥ではなく共生へ
強制送還の恐怖に怯えながら暮らす外国人家族。難民条約に加入しながら、難民申請を却下する日本。外国人が安心して暮らせる日本に
国会議員の勢力が外国人排斥を訴える側が増え、外国人への差別・排外主義の政治が強化されている。日本にいる外国人に対するヘイトは留まるところを知らない。川口などでのクルド人に対するヘイトはすさまじいもので、学校に通うために駅に向かう子どもたちの心を深く傷つけている。
2021年3月6日、名古屋入管に収監されていたスリランカ人のウィシュマさんが、衰弱したまま放置され亡くなった。これを機に、入管の問題点が浮き彫りにされた。入管法改正が叫ばれ、2023年6月に「改正入管法」が制定された。
ところが「改正」とは名ばかりの大改悪であった。一番の改悪は、それまでの「難民申請中の強制送還はない」が、「3回目の申請が却下された者は難民申請中でも強制送還される」に変更されたことである。このため、常に強制送還の恐怖にさらされた生活を強いられているのである。
7月14日、参議院議員会館で、「入管法改正から3年 もう一度、子どもたちの声を聴いて」と題した院内集会が「編む夢企画」の主催で行われた。編む夢企画は、日本における難民認定問題や入管問題に取り組み、外国人支援を行っている。
主催の織田朝日さんは「入管法改正から3年、家族でビザが出たというケースも確かにある。しかし日本生まれでありながら、まだビザが出ていない子ども、お父さんやお母さんだけビザが出なくて、お父さんが強制送還されたら、結局子ども達も日本にいられなくなる。残された子どもたちを放っておくわけにはいかない。心ある議員の皆様に、彼女たちの声を直接聞いてほしいと、この会を開かせていただきました。基本的には撮影禁止、子どもの顔は絶対ダメです」と話された。この子達を絶対守る!という気迫が伝わってきた。
「私達はゴミじゃない!」この叫びが政府は聞こえないのか
〈高校1年女子〉
「私は2歳の時に日本に来ました。日本の小学校に入学し、今、公立高校に通っています。2024年12月1日にお父さん以外の家族5人にビザがおりました。お父さんは仮放免で、お父さんが強制送還された場合、私達みんなが帰らないといけなくなります。私達はトルコ語の読み書きもできないです。実際、強制送還されてトルコの学校に行って、留年になった人もいます。お父さんは2017年10月に入管に収容され、19カ月の収容でうつ病になってしまい、病院から“この人、外に出ないと死んじゃいます”と言われて、やっと入管から出られました。なぜ、死にそうになるまで収容するのか。犯罪も犯してないのに何故、外国人だからと捕まえるのか。お父さんが強制送還されてトルコに帰ることになったら、私たちの学校生活も終わりです」
〈高校1年女子〉
「お父さんは、25年日本に住んでいますが、ビザはなく仮放免の立場です。家族はいつまで日本にいられるか不安の中で生活しています。だからこそ私は一生懸命勉強してクラスで1番です。将来は国際弁護士になり、人権を学び、社会に貢献したいです。私は特別扱いを求めているわけではありません。日本で生まれ育った子どもたちや、何十年もこの国に来て築いてきた人たちのあゆみや努力をきちんと見てほしい。お父さんだけビザが出ない。それでは後の家族にビザが出ても意味がありません」
〈大学生女子〉
「私達はちゃんと頑張ってるし、やるべきことはやってる。それなのに見捨てられて、ゴミみたいに扱われています。オープンキャンパスに行っても“仮放免だから認められませんよ”とか言われます。仮放免だから夢もないんですか。私達もあなたたちと同じ人間ですよ。いい将来、いい夢を持ちたいです。ゴミじゃないので、私たちのことを支えてください」
〈大学2年女子〉
「お父さんだけビザを与えられていません。
日本で学校に行ってもいじめ、差別があって、いろんなことがあって日本で生きてきました。トルコに帰っても、どうすればいいんですか。トルコのことは何もわかりません。もう1回ゼロからやり直しですか。
お父さんは日本に来て犯罪者とされています。悪いこと何一つやってないのに。自分だけじゃない、ここにいる人みんな、お父さんとか家族のうち1人がビザがないです。入管で“なぜビザを出さないのか”と何回聞いても何も答えない。日本で生活しようとして何が悪いんですか。トルコで生きれないから、ひどい目にあうから帰れないんです。このことが伝わればうれしいです」
〈クルド人のお母さん〉
「子ども達にいい人生をあげたい。でも日本の外国人制度、ゼロプランひどい。今日、こうして話しても、明日も何も変わらないのがわかる。私達は普通の生活がしたい。日本は難民条約にサインした。その考えはどこにいったんですか。私は“この国を選んだのは正しかったのかな”とつらい思いで生活をしています。みなさん、どうにかしてください」
“私たちはゴミじゃない”“夢をもったらダメなのか”突きつけられた言葉はどれも重い。なんという冷たい理不尽な政治なのか。
命からがら日本に来た外国人を暖かく迎え入れ、日本で共に働けるようにビザを出すべきだ。難民として受け入れ、命を守るのは当然のことである。それはその人たちだけのためではなく、日本にとっても助かるのが実情だ。排外主義に抗議する。 (沢)