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2026.10.07

日本新聞

政府は長雨で壊滅的被害の農家に支援を

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4694号1面
政府は長雨で壊滅的被害の農家に支援を

米価半減の上に、長雨で稲刈りできず今年の収穫も来年の栽培費用もない米農家。植え付けた苗が冠水、種まきもできない農家救済策を

 今年の東京、関東の長雨は観測史上最高となった。体調不良を訴える人も多く、病院で治療を受ける人も増えている。
 そして何よりも、農業に与える悪影響が大きい。

 稲刈りも遅れ冠水した米は売り物にならず

 マスコミは台風25号の時の印旛沼の堤防決壊は大きく報じたが、豪雨の被害はそこだけではない。そしてその時だけではない。8月27日からの雨は、東京で36日も続いたのである。関東も然り。
 ちょうど稲刈りの時期を直撃した。雨で田んぼはぬかるみ、コンバインなどの大型収穫機を田んぼに入れることができない。濡れた稲を刈ると、機械の故障を引き起こす。また、収穫が遅れると米粒が水分を吸って肥大化し、内部に亀裂が入る「胴割れ」や、穂についたまま発芽する「穂発芽」が起きる。そうなると、等級が下がり、収入は激減する。乾きが悪いモミが、コンバインに詰まって故障してしまい、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれている農家も続出している。
 刈ったモミを乾燥機にかけるのだが、湿ったモミを乾かすのに去年の2倍、灯油代がかかっているという。
茨城の50代の米農家の方は、「本当に大変だ。当初は田んぼが池のようだった。今も水が抜けない所が多い。なんとか刈ったモミも湿っているから乾かすのに灯油代がかかる。灯油代も上がっているから大打撃だ。米袋代は40%も上がっている。何から何まで値上がりで、どうなることか。
 農家も高齢化しているし、来年は米作りをやめる人が増えると思う。自分も来年の作付け費用をどう、ねん出するか見通せない。明日から晴れる予報なので、とにかく今は刈ってみるしかない」と話していた。
 去年上がった米価も今年は半分以下にまで下げられ、その上に長雨被害。これでは立ち上がれない。
 米農家だけではない。植え付けを終えたキャベツも冠水で全滅している畑もあちこちで目にする。千葉県や茨城県で人参やさつまいもにも、冠水で腐ったり、日照不足による生育不良などの被害、埼玉県では小松菜やほうれん草が全滅する被害も出ている。
 畑が水浸しになって、作物が酸素を吸えなくなり根腐れしてしまう。キャベツやカリフラワーの実が黒ずんで出荷不良になる被害、雨でミツバチが飛ばず、受粉がうまくいかないため、キュウリなどの先が細くなってしまう等々被害は大きい。果樹農家の被害も甚大だ。
 現在の収穫ができないことで収入は断たれ、秋冬野菜の栽培にも影響が出ている。白菜などの苗を作っても、水浸しの畑に植え付けすることができない。種を蒔くこともできない。植え付けや種まき時期が遅れると、もうじき気温が下がり、作付けできないことになってしまう。

 政府は農家に緊急支援策を

 秋までの収穫ができないために、資材の購入資金もない。今後の経営をどうするか、頭を抱えている農家は多い。前述の茨城の農家の方が言っていたように、このままでは米農家も野菜農家も離農に追い込まれる農家が増えるのは目に見えている。
 政府は農家のこの惨状にすぐさま救済の手を差しのべるのが、今の最優先課題だ。ところがその動きはない。
 マスコミも犯罪的だ。この農業の危機を1面トップで大々的に報じるべき時だが、残念ながらそういう記事は見当たらない。政府が支援策を具体化するまで、農家の惨状を報じ続ける時だ。
 改憲やスパイ防止法、武器輸出を論じている時ではない。日本の農家を守らなければ、餓死の危機は目の前に来ているのだ。政府は食と命を守るために、農家が農業を続けられるように早急に支援すべきである。           (沢)