日本新聞
関東大震災時の朝鮮人虐殺の事実は消せない
4690号1面
関東大震災時の朝鮮人虐殺の事実は消せない
各地で連日、追悼と連帯の集会開催。朝鮮人・中国人虐殺の史実を直視し、外国人排斥の動きを止め、二度と繰り返さない運動広げよう
9月1日、の大災害であった関東大震災から103年を迎えた。103年前、大災害を利用して、朝鮮人や中国人が大虐殺された事実を私たちは決して忘れてはならない。
各地で、犠牲となった朝鮮人の追悼式が行われた。
9月5日、荒川河川敷で「韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」が行われた。主催は「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」「一般社団法人ほうせんか」「100周年追悼式実行委員会『百年』」である。
運営は100周年の時から「百年」(ペンニョン)の若い世代が担っている。そして高市首相は1995年当時、「私自身は当事者とは言えない世代ですから、反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもない」と国会で言い放っている。虐殺を否定する、あるいは「記録がない」などとしらを切る日本政府。
過去に目をつむるのではなく、日本がした負の歴史を直視して、二度と繰り返さない、それが私達日本人の責務である。
荒川河川敷には720人を超える人々がかけつけ、虐殺された朝鮮人、中国人の霊を悼んだ。
「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」と「一般社団法人ほうせんか」は、「追悼碑の横の『ほうせんかの家』をたずねてくれる人との日常的なふれ合いが私たちの活動の中心です。しかし、日本社会を良くしていく道は遠い。週刊新潮(2025.7.31号)は高山正之の『創氏改名2.0』という差別コラムを堂々と掲載。“日本籍であっても朝鮮にルーツがある者はそれがわかる名前を使ったうえで『反日的な』主張をせよ”というものだ。関東大震災時の虐殺事件についても、小池百合子都知事の追悼文拒否が続いている。『持久戦』を粘り強くしなやかに続けていきましょう」と呼びかけた。
ペンニョンのメンバーからは、勉強会で虐殺は地震の混乱の中で突発的に起こったことではなく、植民地支配の構造が深く影響していたことを実感したと話され、「ほうせんかの家」の開所を土曜日の他に火曜日も行い、火曜日はペンニョンのメンバーが中心に行っていることが報告された。活動が若い世代に引き継がれていることは希望だ。
中国人犠牲者の遺族からは「関東大震災は、数百人の中国人、数千人の朝鮮人の命を奪う人為的な惨劇を引き起こした。極度の外国人嫌悪と暴力的な迫害で命を落とした。迫害は今日も新たに呼び起こされている。歴史を記憶することは、苦しみに別れを告げること。過去を記憶することは、平和的未来を確かなものにする」と託した手紙が寄せられた。
朴保さんの力強い歌声には強い怒りと、犠牲者の霊を悼む思いが感じられた。最後のプンムルは華やかで、朝鮮民族の明るさ、強さを示してくれた。
差別と虐殺に抗う
8月29日には日本教育会館で朝鮮人虐殺の真相究明を求める集会が開催された。
フォトジャーナリストの安田菜津紀さんから「差別と虐殺に抗うために」と題した講演があった。
安田さん自身の体験が印象に残った。いつもはお母さんに絵本を読んでもらうのだが、ある日、お父さんに「読んで」と読んでもらったが、お父さんはなかなか読めない。「もういい。お父さん、日本人じゃないみたい!」と言った。後日、戸籍を見て、お父さんが韓国籍だと知ったという。ひどいことを言ってしまったと。そこから安田さんが真実を求め報道するフォトジャーナリストへの道が始まったのだと思う。差別に抗う闘いに終わりはない。
二度と虐殺の歴史を繰り返さない
9月1日、関東大震災から103年の日に、都立横網町公園朝鮮人犠牲者追悼碑前で「関東大震災朝鮮人虐殺103年東京同胞追悼会」が行われた。主催は在日朝鮮人総聯合会東京都本部・東京朝鮮人強制連行真相調査団、後援は平和フォーラム。
朝鮮総聯東京都本部常任委員会・鄭斗徹委員長は「日本政府は総聯と在日同胞、私たちの学校の生徒たちに対する不当な民俗的差別と人権侵害を即刻やめ、心から謝罪し補償するとともに、在日同胞が当然享受すべきすべての権利を保障する措置を取ることを強く要求する」と述べた。
「東京朝鮮人強制連行真相調査団」の西澤清代表は「今、街頭に“戦争反対、平和をつくろう”と大勢の若者が出始めた。また、労働者の代表団体や民衆の方が運動に加わり、学習会や行動を重ねている。平和をつくる力は人の輪を大きくすること。力を合わせて差別や貧困のない平和な社会を作り上げるため、一層奮闘することを犠牲者の方々にお誓い申し上げます」と語った。
今年の追悼式は、外国人排斥、ヘイトスピーチの横行など暗雲垂れ込める情勢下で行われた。それを変えるためにも差別反対、戦争反対の声を広げようと強く呼びかけられた。その呼びかけに応える運動を繰り広げていこう。 (沢)