日本新聞
軍事費急増、農水費減らす政府に抗議
4687号1面
軍事費急増、農水費減らす政府に抗議
「戦争しない、飢えさせない」政治
の責務と真逆に突き進む高市政権。日米軍事同盟ではなく平和外交で命と暮し最優先の政治への転換を
防衛省は2027年度予算の概算要求で過去最大の8兆9000億円を計上するという。これで終わりではない。予算編成の時点で具体的な金額を示さない「事項要求」を多数盛り込むため、年末の予算案に計上される防衛費は更に膨らむ。11兆円規模になると言われている。
これに対して農水予算は増えるどころか減っているのである。JA福井県では、2026年産米の概算金(JAが農家に払う前払い金)は60キロあたり前年より1万2000円安い1万7000円となった。全国で大幅な下落が明らかである。これに対して政府は何の対策も打たず、さらに離農者は増え、米を作る農家が減っていく。“足りなかったら輸入すればいい”“いい米を作って輸出すればいい”“AIやドローンを使った大型農業がこれからの時代を拓く”などと、政府は何も実際を見ていない。給食がない夏休みでお腹を空かせている子どもがいるのに、農家が安心して米を作れるように保障することは急を要する。
ところが政府が力を入れているのは、食の保障ではなく軍備増強だ。
軍事費は1980年2.23兆円から2025年8.7兆円、2027
年には11兆円規模に増額。
一方、農水費は1980年3.58兆円から2025年2.27兆円、2026年2.29兆円と一向に増やす兆しはない。
政治の責務は、戦争しないこと、飢えさせないこと、である。日本の政治はこれに全く反している。戦争に向かい軍事費を増やし、農業をないがしろにして、農家が農業で暮らせないようにしている。その上、“有事の時には食料生産を増やす計画書を作れ。提出しなければ罰金だ”である。まさに国を滅ぼす政治だ。
民主主義を守る闘い
このような中、市民文化フォーラム8.15集会「81年目の戦後 民主主義の瓦解をとめるための対話」が行われた。
小森陽一さんは「高市政権は明らかに戦争に向かっている。周辺国から心配の声が上がっている。戦争放棄、軍隊を持たないと決めた憲法が今こそ大切」と訴えた。
高橋哲哉さんは「日本はアメリカの対中抑止戦略における駒の一つにされている。最大の問題は日米安保、日米軍事同盟だ。9条を守れだけでは限界がある」と話した。
本田由紀さんは「国旗損壊罪が通ってしまった。今、国旗損壊チャレンジ運動が始まっている。白い長方形の真ん中をくり抜いて穴あきにして、アナアキーフラッグとして振っている。すばらしい知恵だ。消費税を減税しても物価は元に戻らない。高市政権は人々の願いをことごとく踏みにじっている。今、社会を変えていかなくてはいけない。そのために新しい行動をしていきましょう」と呼びかけた。
沖縄出身の大学院生・崎浜空音さんの訴えが会場を元気づけた。
――私は沖縄のことを東京で伝えたいと思って上京し、米軍による性暴力のことや日米地位協定のことを発信している。2024年12月の沖縄県民大会で発言して、1か月も経たないうちに性暴力事件が発覚した。いくら県民大会を開いて訴えても、このような事件はなくならない。昨日国会図書館で調べたら、沖縄で9カ月の女の子がレイプされている。今も沖縄では変わっていない。
薩摩の侵略から沖縄は自分たちの言語を奪われ、土地も奪われた。私の家族を考えても未だに土地は返ってきていない。家族もバラバラで南米に行ったりで、母方の祖母は教育も受けられず字も書けない。日本に侵略され、そこから米軍統治下に置かれた。去年の性暴力は6件でそのうち5件が不起訴。軍隊は人を殺す訓練をしていて、その中で自分の心も死んでいく。その中で悲惨な事件が無くならない。こんな話をするのは私の世代で終わりにしたい。沖縄の民主主義は日本の民主主義だ。一緒に頑張りましょう――
戦争しない、飢えさせない、この政治の責務を追及していこう。 (沢)