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2026.08.26

日本新聞

特急列車にはねられ作業員4人死亡

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4688号1面
特急列車にはねられ作業員4人死亡

列車が頻繁に運行する日中での作業、複数社の作業員で連携に問題など、利益優先・安全二の次の構造改革の影響大。事故の真相究明を

 8月20日午前10時50分頃、栃木県鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅構内で、除草作業にあたっていた作業員4人が特急にはねられ死亡した。本当に痛ましい事故です。ご冥福をお祈りします。
 なぜこのような事故が起きたのか。何が問題だったのか。東武鉄道は謝罪記者会見で「態勢を整えれば、昼間も安全に作業ができると考えて実施」と、十分な安全体制がとられていたとしている。しかし、現場から約300メートル日光側に配置されていた中継見張り員は作業員から80メートルの距離にいた列車見張り員と「意思ができる状態ではなかった」と証言している。列車接近を察知して見張り員に退避を合図する中継見張り員と、作業員に退避を指示する列車見張り員の連携が取れないのは、致命的である。
 また、新鹿沼駅のホーム下は、作業員が危険を察知しても、とっさに身を隠したり逃げ込んだりできる場所もなかったというのである。
 真相が究明されなければならない。作業員に責任を押し付けての幕引きは、決して許されない。

 構造改革による利益追求、安全二の次の結果の事故多発

 そもそも何故、列車が頻繁に運行する日中に除草作業が行われていたのか。列車が通らない夜間であれば、このような痛ましい事故が起きることはなかった。ここにコストの問題が出てくる。夜間(午後10時~午前5時)は深夜手当が発生し、1.25倍の賃金を払わなければならない。除草などのメンテナンス作業は下請け・孫請け会社に外注することが多い。下請け・孫請け会社は、基本給が低く抑えられるからアルバイトや契約社員を雇うケースが多い。今回もその例にもれず、複数の会社からの作業員、見張り員が配置されていた。
 このように現場の労働者の安全軽視の状況は、小泉政権下での構造改革に起因する。小泉純一郎首相(当時)は竹中平蔵と組んで「聖域なき構造改革」を推進した。郵政民営化を行い、巨額な郵便貯金が外資(主にアメリカ資本)に流れるようにした。
・過度なコスト削減、人減らし
・過密ダイヤの設定
・技術力・熟練度の低下
この結果、低賃金・無保障の非正規労働者が急増した。当然、技術や熟練度は低下し、事故が起きる可能性は高まる。
2005年
 JR福知山線脱線事故
乗客、運転士合わせて107名が死亡した大事故。国鉄分割民営化で私鉄との競争に勝つために、利益優先、定時制優先で、運転士には遅延に対するペナルティが課せられ、その恐怖が引き起こした事故だった。
2013年
 JR北海道貨物列車脱線事故と保線放置
大沼駅構内で貨物列車脱線事故。これによりレールの検査データ改ざん、補修放置が発覚した。人員削減により保線メンテナンス部門の深刻な人手不足と管理体制の崩壊が明らかになった。いつ、大事故が起きても不思議ではない現場の実態が浮き彫りにされた。
 このように利益優先の構造改革により、働く者が命の危険にさらされている。
 事故の原因を明らかにするとともに、働く者の安全が第一にされる社会への転換が急務である。高市政権の「働いて働いて働いて…」と労働強化する働き方改悪で、ますます働く者は苦境に追い込まれる。
 無惨にも犠牲となった4人の方々の霊を悼むとともに、二度とこのような悲惨な事故が起きないようにしなければならない。働く者の権利、人権が保障される社会にしていかなければならない。      (沢)